故・かこさとしさん作品 絵で学べる化学 市図書館に全巻寄贈
絵本作家の故・かこさとしさん(1926―2018)による作品『かこさとし新・絵でみる化学のせかい』(講談社刊)が、(有)加古総合研究所から先月27日に藤沢市へ寄贈された。
本作は、『1原子と分子のたのしい実験』、『2なかよしいじわる元素の学校と周期表』、『3化学の大サーカス技術の歴史』、『4地球と生命自然の化学』、『5化学の未来資源とエネルギー』の全5巻。1981年に刊行された『絵で見る化学のせかい』シリーズのうち、一部を除いた上で最新のデータに改め、専門家の解説を加えた作品となる。
それぞれの元素に顔が描かれた周期表や、名画と共に学ぶ化学の歴史、当時の公害問題から続く環境課題をSDGsの観点で説明する描写など、かこさんの可愛らしい絵と豊富な知識で化学を楽しく知る内容となっている。かこさんは幼い頃から科学者を志し、旧・昭和電工(株)で石油化学の研究者として40代まで勤務していた。本作品では、その知見を生かし、「わかる楽しさ」を絵で子どもたちに伝えることがテーマとなっている。
寄贈に際し、かこさんの長女で同研究所の鈴木万里さんは「大人が知っているつもりでも、子どもに説明するのは難しい。理科に親しみやすいものとして手に取っていただければ」としている。
市に寄贈されたのは全シリーズ計20冊。市内4市民図書館で借りることができる。