LINKL PLANET「ミルユメカサナレ」インタビュー――ライブ1,000人動員への夢をもう一度掴みたいリンプラの想い
──まず、11月23日に開催されたワンマンライブ『ミルユメカサナレ「クミタテチュウ」』の昼公演「クミタテ完成してギブバースに進めるのか発表!SP」で、“ギブバース”に進むことが決定した心境から聞かせてください。
天川 れみ「前回の『ミルユメカサナレ「ゴカイチョウ」』(10月3日開催)から50日…たくさんのことを準備してきました。パフォーマンスの緊張感もありましたし、リンプラの次のステージがかかっているお知らせもするという緊張感もあって、いろんな想いが入り混じったライブでした」
荒井 芽依「いつもライブは緊張しがちなんですけど、昼公演の発表まではまた違った緊張がありました。普段よりも体が3倍ぐらい重くて…(笑)」
──オープニングナンバーは「ミルユメカサナレ」でしたが、気づかなかったですよ。
荒井「本当ですか? こんなにしたことないっていうぐらい緊張していたんですけど、“ギブバース”の開催決定が発表されて、思っていた以上に泣いちゃって…“あ、自分ってこんな泣けるんだ”って感じました」
天川「やっぱりほっとした気持ちが大きかったです。ファンの皆さんも緊張していたと思うんです。2023年に“ライブ動員1,000人”にチャレンジしたときは、メンバーもファンも“リンプラなら絶対いける!”と思っていたのに達成できなくて…。あの時に達成できなかったこともあって『下剋上オーディション』があって、今のリンプラがある。だから、今回、もしも“ギブバース”に行けなかったら…という未来を想像すると、ファンの皆さんも怖かったと思うんです。新体制になってから1年半を駆け抜けてきたからこその緊張感がありましたし、もう二度とみんなを悲しませたくないという想いもありました。必ず“ギブバース”に進みたいという気持ちでいたので、発表された時は本当に良かったと思いましたし、開催決定は来てくださったファンの皆さんのおかげだという感謝の気持ちでいっぱいでした」
──ライブ動員1,000人に向けての手応えは感じていますか?
天川「今はファンの方が頑張っている状況なので、私たちももっとたくましくなりたいです。今年の5月31日のフリーライブの最後に“もう一度、1,000人動員を目指します!”と宣言して、メンバーの頭文字を繋げた「ミルユメカサナレプロジェクト」が始まりました。10月に「ゴカイチョウ」、11月に「クミタテチュウ」というワンマンライブを開催して、少しずつファンの方が増えてきているのは感じています。でも、私たちにとって1,000人っていうのはまだ難しいです。だから、今も踏ん張りどころなんですけど、あの日に宣言してからグループが一つになりましたし、ファンの皆さんと近い気持ちで一緒に夢を追えるという確信が得られたので、もっとファンを引っ張っていけるようなグループになりたいと思っています」
荒井「私は「クミタテチュウ」の会場(一ツ橋ホール)がたくさんのファンの皆さんで埋まっていたので、手応えあります! れみが言っていた通り、ファンの方との一体感も高まってきている感じがしていて。リリイベやアイドルフェスでも“ご新規さん、いたよ”という声をたくさんいただいたので、“1,000人動員、いけちゃうでしょ?”と思っています(笑)」
天川「ふふふ。少しずつだけどね。でも、 「ギブバース」が決定したのは、「クミタテチュウ」でライブの動員数が見えてきたってことなので、私たちにとっても少し自信になりました」
──「クミタテ完成してギブバースに進めるのか発表!SP」では「ミルユメカサナレ」をオープニングとエンディングで 2回披露しました。
天川「オープニングでは緊張感がとてもありました。最近はメンバーみんなで、“この曲をどういう想いでパフォーマンスするか?”というのを話し合っていて。オープニングでは“絶対いける!”という覚悟と希望を持ってパフォーマンスしました。ファンの人たちも発表前だから緊張していたと思うんですけど、私たちはみんなに希望を与える存在なので、“みんなを安心させられるパフォーマンスにしよう”という気持ちでした。発表後のエンディングではもうハッピーな気持ちでパフォーマンスしました」
荒井「“リンプラの未来は明るいんだな”って…みんなうるうるしていて、いい笑顔でいて」
天川「すごくいい笑顔だったと思います。発表された時、メンバーのみんなが泣くと思っていなかったんです。でも、あの時、ファンの皆さんの声がダイレクトに聞けたのが大きかったと思うんですよ。あの歓声を聞いて、やっと1つ、皆さんにお返しができたというか…実績を作れたことが嬉しくて。なので、エンディングでパフォーマンスした「ミルユメカサナレ」の時は胸がいっぱいでした」
荒井「ほんとうに! ファンの方も嬉し涙を流してくださっている人もいて…」
天川「これまで、ずっと悔し涙が多かったからね」
──天川さんは“もう二度とみんなを悲しませない”って約束していましたね。
天川「しました!」
荒井「カッコいいよ」
天川「不安はずっとあったんですけど、絶対に叶えないといけないことだったので、やっと一歩踏みだせたのかな?って。でも、 動員1,000人がゴールではないので。もっと走っていきたいですし、今までもこれからもずっと頑張ってはいるんですけど、なかなか思う通りにはいかなくて…。全力でやっていても、運やタイミングも噛み合わないといけないですし、私たちに足りないところもたくさんあって。これからも工夫して、いろんなことに挑戦していきたいです。私たちもまだ組み立てている途中なので」
──改めて、新曲「ミルユメカサナレ」にメンバーのどんな想いが込められているかを聞かせてください。
荒井「プロジェクト名がそのままタイトルになったので、最初は驚きました。でも、曲を聴いたら、自分たちに当てはまる歌詞が多くて…例えば、<全身全霊挑んでみたけど/きっと何かが足りなかった>という歌詞は、さっき、れみが言っていたことです。“頑張っていたはずなのに何が足りなかったんだろう?”というのは私も感じていましたし、れみの<諦めなきゃ終わらない/まだここで終われない>ってパートもカッコよく決めていて好きです」
──サビ以外はソロで歌い継いでいく「ミルユメカサナレ」ですが、荒井さんがなかなか出てきません…!
荒井「そうなんですよ。「ミルユメカサナレ」って順番なのに、“レ”ミから始まり、ナナ(宮﨑菜々)、サナ(佐藤咲菜)、カリン(鈴木華凜)、ミカ(高柳光花)、ルカ(東恩納瑠花)、ユキナ(尾本侑樹奈)…と来て、2番のサビが終わって、“ダンスパートに入ったぞ!”となった後に、まさかの“メ”イが来るっていう…とてもありがたいところで! <私たちなら大丈夫>と歌い上げています!」
天川「すごくかっこいいんですけど、どんな気持ちで歌ったんですか?」
──あはははは。メンバーからのインタビューが始まった!
荒井「歌詞の通り、<今こそ翔け>という気持ちです。私、「ペガサス幻想 -PEGASUS FANTASY-」が大好きなんですけど、<今こそ翔け>という歌詞と私の中でリンクして…だから、この歌詞を歌えることが嬉しかったです。しかも、<私たちなら大丈夫>というのは1期生からリンプラにいる私だからこそ歌いたいというか…歌える歌詞なんだと思って。私、プレッシャーには弱いんですけど、ここはもう“言い切ったもん勝ち!“という感じで歌っています」
天川「この芽依ちゃんの歌い方がほんとうに安心するというか…“大丈夫かも”と思えるんです。自分たちのことでしかない歌詞で」
──天川さんが重なったのは?
天川「サビの<何度も何度でも/立ち上がれば良いさ>です。ずっといろんなことに挑戦してきたので。このレコーディングのタイミングが、『ANIMAX MUSIX NEXTAGE』というイベントに挑戦した後だったんです。結果は叶わなかったので、その時の悔しさもあって…。いろいろと挫けてしまうことも多かった時に「ミルユメカサナレ」をすごく聴いていて、<何度も何度でも/立ち上がれば良いさ>にすごく救われました。この曲はリンプラはもちろん、夢を追いかけている人の背中を押すような応援ソングにもなっていると思います。ほんとうにいい曲!」
荒井「そうだよね。ファンの方も一緒に感じてくれるところがある歌詞がたくさん詰め込まれています」
──MVのドキュメンタリーVer.は下克上オーディション後に公開された「越えよ」のMVを思わせるデザインになっていました。
天川「懐かしいんだけど、何か違うんだよね。顔? 表情?」
荒井「みんな、いい顔になった」
天川「「超えよ」の時は、下克上オーディションが終わったばっかりで、まだ少し顔が強張っているというか…この先のことがまだ何もわからない状況だったから。今は明確にメンバーみんなが同じ方向を向いてるからこそ、想いを乗せた、あの表情になったと思います。だから違うのかな?」
荒井「撮影中も“みんな、顔が変わりましたね?”と言われたくらい、“やっぱり成長しているんだ“と思って。私は”「越えよ」があまり好きじゃない”と公言していたんですけど、今は好きになりました。その「越えよ」に似たMVだからこそ、“あ、変われたんだ”と思えるようにもなりました」
──ドキュメンタリーでも、“荒井、変わったんです”とおっしゃっていましたね。
荒井「以前は、とにかくネガティブな荒井でした。でも、「下克上オーディション」をやって”頑張ってみよう!“と、ポジティブな荒井に変換しました。ポジティブになってから、5thシングル「ミルユメカサナレ」をリリースさせていただいて、”もうポジティブな荒井が止まらない!”って感じで走り続けてます」
──この流れで言うと、シングルのカップリングに収録された新曲「Lalala」はまさに荒井さんの曲ですよね。
荒井「そうだと思っています(笑)。本当に自分とリンクするとこも多くて。ネガティブな面がちょこちょこ歌詞に入っているのが肝かな?と思っています。“ネガティブをちょっと見せちゃうけど、みんなのおかげで大丈夫だよ”という気持ちで歌っています。ネガティブとポジティブが交互に来る曲、<Lalala>をみんなで一緒に歌って1つになる瞬間を目指して歌っていると言っても過言ではないくらい好きすぎて。ほんとうに幸せに溢れた曲です。「ミルユメカサナレ」がオープニングだとすれば、「Lalala」はエンディングの曲のようなイメージです」
──天川さんはこの曲を歌う前のMC で“一緒に未来を作っていきましょう”と呼びかけていました。
天川「<君と紡いだこの歌がほら/いつかまた誰かに届いて/背中押すきっかけになったらいいな>という歌詞があるんですけど、この<君>はメンバーであり、ファンのみんな一人一人だと思っています。<君>という存在があらわれた時に全てが変わりました。活動していく上でいろいろな壁にぶつかってしまうこともあって…でも、一人で抱え込むのではなく、一緒に背負ってくれるメンバーがいて、落ち込んでいる時も8人がいたら安心するし、ファンの皆さんがいたらもっともっと頑張れます。歌いながら常に<君>という存在がいて、メンバーと一緒に歌っているというのもあるし、この曲はファンの皆さんと手を振りながら口ずさんでほしいという想いもあってパフォーマンスしています。そして“一緒にこの曲を作っていくよ“という想いを込めて歌っています」
──さらに、「1番目ハツ恋」と「プラモデザイナー」も5thシングル『ミルユメカサナレ』に収録されています。
天川「「1番目ハツ恋」は“リンプラ 恋の曲 三部作”の3曲目です。「恋だ」で出会って恋に落ちて、ちょっとした嫉妬心のような気持ちが芽生える「はじまりは恋」。そして、「1番目ハツ恋」はお別れなのかな?ってメンバーと議論しているんです。<君がもういない季節>から始まって、君がいないんですよね…もう」
荒井「意外と失恋ソングなのかな?って」
天川「少し切ないのかな?と思ったりしつつ、恋の曲はメンバーそれぞれで解釈がまったく違っていて…」
荒井「そうなんです。私は、曲調からなのかもしれないですけど、明るい曲だと思っています。失恋してしまったけど、その恋を終えて、“先に進んでいこう”という前向きな曲だと解釈していたんですけど、そうではないメンバーもいて…」
天川「これ、結構、重いよ!」
荒井「それはれみだから(笑)」
──<「いつか強くなれた僕がキミに」>というセリフは?
天川「天川です! 難しかったです。最初の印象は、復縁を望んでいるのか、根に持っているかのどっちかなんですよ…」
荒井「根には持っているよね?」
天川「そうなんですけど、自分が強くなれた時に、“こんなにも成長したよ”って。レコーディングでは“伝える感じ”、“問いかける感じ”で、パフォーマンス中はそこまで重い気持ちにならないように抑えています。出会ってくれた君との思い出があって、今の自分があるよ。そういう想いで歌っていますが、プライベートで聴く時は“すごく重いな…”って。かなり引きずっているように感じていて」
──“もう恋はしない”と決めていますしね。
天川「“この人しかいない”ってくらいの重さです」
荒井「えー! そっち派ですか(笑)」
天川「ずっと、復縁を望んでるの。だって<はじまりから数えて最初の恋>と言っておいて、<おわりから数えても まだ1番目>なんだよ」
荒井「いやいや、まだまだ1番目だから」
天川「終わってるのもう。私はこれ、来世の話していると思う」
荒井「また重くなっちゃった(笑)。他のメンバーと話してもこうなるんですよ。“いや、それは重すぎだろ!”みたいな」
天川「ファンの間でも歌詞を考察する方が多いので、これからみんなと語るのが楽しみです」
──もう1曲の「プラモデザイナー」は?
荒井「パフォーマンス面で言うと、“過去イチ最難関のダンス“と言われています。”これをハンドマイクでパフォーマンスするんですか?“と聞き直したほど難しいダンスなんですけど、この曲もソロパートがかなり多い曲になっています。歌いだしのみかりんもカッコよくてすごく好きなんですけど、私の歌割りのパート<改造してく従来の常識/昨日の不可能を可能に>に”キタコレ!“と思って。推しの名言なんです」
──そうなんですか?
荒井「『機動戦士ガンダムSEED』のムウ・ラ・フラガに“不可能を可能にする男かな? 俺は”という名言があって! まさかその歌詞を歌えるなんて…と、かなりウキウキした曲でもあります。でも、そんなウキウキを出してられないくらいカッコいい曲なので、もうすごくピシッと決めています!」
──9月にオープンしたバンダイホビーセンター新工場をテーマにした曲でもあるんですよね。
荒井「はい! 歌詞にBHC、PDⅡ、静岡…バンダイ、入りすぎ!?っていう。しかも、ちゃんと(バンダイ)スピリッツも入っています。これはプラモアイドルならではの曲です」
天川「実際に工場で収録した機械音も入っていて、これもプラモアンバサダーだからこその曲だと思います」
荒井「ダンスもかなりリンクしていて、順番に倒れていくようなダンスの感じが、“ちょっと工場っぽいかな?”と思って。歌えて嬉しい歌詞がいっぱいです」
──4曲揃って、5枚目のシングルはファンの方にはどう届くといいなと思いますか。
天川「歌を通して今のリンプラを伝えられるシングル…ストーリーをすごく感じるシングルだと思います。恋の曲は三部作の集大成になっていますし、「プラモデザイナー」はバンダイスピリッツのプラモデルアンバサダーらしく、私たちだからこそ歌える曲になっていて。「Lalala」と「ミルユメカサナレ」は正反対の曲調ですけど、どちらも夢に向かって頑張っている人の背中を押す応援ソングです。ここから先に出会う方に、“どのシングルを一番聴いてほしいですか?”と訊かれたら、“これです!”と自信を持ってお勧めしたいくらい、今のリンプラの集大成のシングルになっていると思います」
荒井「初めてリンプラを知った方が聴いても全然置いてけぼりにしない曲たちだと思いますし、三部作と言っているからこそ、前のシングルも聴いてくれると嬉しいです」
──そして、 来年4月にはワンマンライブ『ミルユメカサナレ「ギブバース」』の開催が決定しています。2026年どんな1年にしていきたいですか?
天川「常に成長し続けたいです。「ギブバース」まではもう4ヶ月しかなくて…この4ヶ月をどう過ごすかが肝になってくると思っています。でも、とにかく強い自分で、みんなが安心できるグループになりたいので、「ギブバース」の開催日には、“1,000人ライブ動員は余裕でしょ?”ってくらいの自信を持ったステージをファンの皆さんとメンバーで迎えたいです。「クミタテチュウ」は発表ありきのライブだったので、ファンの皆さんも緊張を持って来てくださったんですけど、「ギブバース」ではみんなが“楽しいライブを見に来たよ!”という気持ちでライブに来ていただけるようにしたいです。そのためにこの4ヶ月をどう過ごすか…その頑張り方はまだ見つけられてはいませんけど、一つ一つを糧にしていきながら迎えたいです」
荒井「私は『プラモ100体組み立てチャレンジ』を「クミタテチュウ」までに達成できなかったので、まずはあと32体! そして、本当に油断しないように4ヶ月を過ごそうと思っています。今は100体組み立てチャレンジもあって素組みとかしかできなくて、塗装やアレンジとかはできてないので、その次はプラモ技術も成長させたいと考えています。パフォーマンスも、今のリンプラならもっと伸びると思っているので、より洗練されたパフォーマーというか…アーティスト寄りのアイドルのようなカッコいい存在になってみたいという目標を持ちながら頑張ります」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中村功
RELEASE INFORMATION
2025年11月23日(日)発売
LAUE-34002/1,500円(税込)
LINKL PLANET『ミルユメカサナレ』
2025年11月23日(日)発売
LAUE-4002/1,500円(税込)
LINKL PLANET『ミルユメカサナレ』
LIVE INFORMATION
2026年4月5日(日) 東京 都内某所
※詳細は今後発表
ワンマンライブ ミルユメカサナレ「ギブバース」
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