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【小田原市】公文書管理条例策定へ 審査会答申「市民共有の資源」

タウンニュース

加藤市長(右)に答申書を手渡す林会長

公文書管理条例の制定を進める小田原市の加藤憲一市長は10月7日、条例の在り方について諮問していた市情報公開審査会(林良英会長)から答申書を受け取った。市は条例の素案策定を進め来年度からの施行を目指す。

市は、前市長時代の複数の事務事業について市民や市議会から適切性に疑念が示されたことを受け、外部有識者らによる検証作業を実施。検証結果を受けて公文書管理の取り扱い改善に向けた条例制定に着手し、今年3月、加藤市長が条例の在り方について市情報公開審査会に諮問していた。

審査会の答申では、公文書が住民自治を支える「市民共有の知的資源」と定義。行政の透明性や説明責任を果たし、市民の「知る権利」を尊重するための記録として適切な管理を求めた。

また、軽微な事案に関する公文書作成の要否については各機関の間で認識に差が生じないよう、判断基準を明示すべきとした。重要な公文書を廃棄する際には、第三者委員会などの意見を聞くほか、将来的には廃棄について市民の同意を得られるような仕組み作りも極めて重要とした。

林会長は「公文書管理に関する問題が国や多くの自治体で指摘される中、本市もその例外ではなく、公文書の管理について透明性や信頼性を損なう課題が見られる。信頼される公文書管理体制を構築することを強く期待したい」と述べた。加藤市長は「過去において、本来行うべき事務決裁が残されていなかったといった事務手続き上の不適切さがあったことなどを踏まえ、公文書管理の適正化推進に努めたい」と話した。

前市長時代の複数の事務事業に対する検証では、裁量権の逸脱などの問題点はなかったと判断された。一方で事業の経緯などに関する公文書が作成されていないなど、一部不適切な行政手続きがあったと指摘を受けた。

市は条例素案に関するパブリックコメントを11月に実施し、来年の市議会3月定例会に条例案を提出。可決されれば2026年度から施行する。

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