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竹中直人、語る。「柄本時生の新たな魅力に注目してほしい」HBC制作ドラマ『三笠のキングと、あと数人』への思い【#ミカキン 連載vol.11】

Sitakke

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北海道の小さな町で紡がれた、幻のようなひと夏の物語——。

かつて炭鉱で栄えた北海道・三笠市。その豊かな自然と静かな街並みを舞台に、不思議な夏のきらめきを描いた連続ドラマ『三笠のキングと、あと数人』(通称・ミカキン)。2025年4月25日から全6回に渡る放送を経て、5月30日にフィナーレを迎えました。

13年ぶりに北海道放送(株)が制作した本作は、アイドルを夢見て上京した青年・健太(演:高杉真宙)と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩(演:柄本時生)が、心にぽっかり空いた穴を抱えて再会し、小さな町で全力疾走する姿を描いた心温まる物語です。

さらに、6月からはBS-TBSでも放送が決定!
全国の方にも作品を楽しんでいただけるようになり、6月1日、8日、15日の日曜日、11:00~12:00に放送されます。

本記事では、出演者の竹中直人(たけなか・なおと)さんにインタビューを実施。役柄への思いや、撮影の舞台である三笠市の魅力について、お話をお聞きしました。

竹中直人さんにインタビュー!

ドラマ内のワンシーン

今回の役どころ

堀川(演:竹中 直人)
市民に愛されるスナック「デンエン」の常連客であり、地元企業「堀川林業」の社長。三笠市長とは長年の付き合いがあり、親しい間柄だが、過去に市長に奥歯を殴り折られたことを今も根に持っている。三笠の祭りのためには一肌脱ぐという熱い一面も持ち合わせている。

――今回の作品への出演を決めた理由を教えてください。

ぼくは来る仕事を断ったことはないんです。「脚本読んでからね」って言葉は大嫌いだし。柄本時生くんは大好きな俳優。それに、今回のプロデューサーとは長年のお付き合い。お声がけいただいた時はうれしい気持ちでいっぱいでした。

――今回演じられた「堀川」は、作中でも大事な役柄でした。演じてみていかがでしたか?

大事な役だったんですね?!全く気づかなかった!(笑)。

あ、そうだ!時生くんとの絡みがほとんどない事がかなりのショックでした…。が、三笠の町の空気に支えられました! 市長役を演じた西岡徳馬さんとの共演シーンでは、西岡さんの圧倒的な存在感に打ちのめされました!

撮影現場は、とても楽しい時間でした。今も三笠の町が目に浮かびます。あっ!幽霊役の黒田くん(黒田大輔さん)の、独特なお芝居に目を見張りました!!

ドラマ内のワンシーン

――『ミカキン』は小さな町を舞台にしたドラマですが、作品を通して地方の町の魅力を発信することについてどのようにお考えですか?

以前、僕の大好きな漫画家、大橋裕之さんの作品である『ゾッキ』を山田孝之さん、斎藤工さんを巻き込んで映画化したんです。
その時のプロデューサーが今回の作品のプロデューサーでもある伊藤主税さんでした。 その打ち合わせの時、伊藤さんが急に「おい!【ゾッキ】を撮るなら大橋さんの故郷、愛知県蒲郡市で撮影するってのはどうだ!?」と力強く提案したんです!

このとき初めて、自治体による全面協力で映画を撮る事を経験しました。とてもすてきな日々でした。町の人たちと一丸となって映画を作ること。共に時間を共有出来て、空気も共に吸えて…。豊かな時を過ごす事が出来ました。

町を美しく撮ろうとか、町の人々の暖かさを撮ろうとかそういった押し付けがましい意識ではなく、僕たちでしか分からない、ロマンチックでかけがえのないときを過ごす事が出来ました。

ドラマ内のワンシーン

――北海道・三笠での撮影はいかがでしたか?

僕の出番は少ないんです(笑)。たった2日間の撮影でした。
でもすごく印象深い2日間でした。 夕方に散歩をしていると、水平線に真っすぐな雲が浮かんで…その向こうに沈んでいく夕陽を眺めながらトンボと戯れた時間が、僕にとっての忘れえぬ三笠の風景となりました。
夕暮れの美しいオレンジ色と、淡いブルー。そしてトンボの羽音…。道端にひっそりと咲くレースフラワー…。ずっとずっとぼくの心に残っています。

宿の近くのお店【ガスト】での出来事も印象的でした。お客さんが少なかったこともあって、僕はワインを飲みながら、店員の方と色々なお話をさせていただいたんです。その日は大雨で、荷物も多かった私を見かねたのか、店員の方がなんと!ぼくを宿まで送ってくださったんです。「ガストの皆さん、こんなおっさんのくだらない話しをやさしく聞いてくださって、本当にありがとうございました…」

――最後に、本作の見どころを教えてください。

オフショット写真

柄本時生の新たな魅力に注目してほしいです。今回、久しぶりに再会したんですが、すごくカッコよくなっていて驚きました。

こりゃモテるわ!って! これまでは、時生のことを「カッコいい」という次元では見ていなかったんです。久しぶりに会ってみると、発しているエネルギーがめっさカッコよかった! 「おぅ、久しぶり!」って声をかけた瞬間から、彼の発しているオーラがすごくて…「なんかすごいね…」ってしみじみ呟いてしまいました。(笑)。 どこかでふざけんな!って思っていましたが…。(笑)。

ドラマ内のワンシーン(柄本時生さん)

しかし、作品全体を背中で背負いながら一種、独特な存在感を放っていました。こんな時生は見たことがない!まるで妖怪のようでした!視聴者の皆さん!そんな時生をじっと見つめて欲しいです。 きっと柄本時生の新たな魅力を感じるのではないでしょうか?!

「すてきよ!柄本時生!たまらなくすてきよ!!きゃー!!時生ー!」となる事でしょう。 それから、幽霊役を演じる黒田大輔の不気味な存在感も楽しみにしていてください。 タイトルは『ミキカン』って言うんですか?ぼくは、ものを略して言うのがとても苦手で(笑)。『ミキカン』はキャスティングも面白いし、 とても楽しい作品に仕上がっていると思います!楽しみにしていて間違いないんじゃかいかな!! 以上!

竹中直人
1956年3月20日生まれ神奈川出身。
1983年に『ザ・テレビ演芸』で芸能界デビュー。1991年には主演も務めた初監督作品『無能の人』がヴェネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞、第34回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞したほか、監督作・出演作で受賞多数。シリアスとコメディを自在に行き来する名優。特徴的な声と表情豊かな演技で観客を魅了し、映画監督としても高い評価を受けている。

HBC制作 Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』(全6話)

放送概要
■番組名:Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』
■放送局 : 北海道放送株式会社(地上波北海道ローカル)
■放送日時: 2025年4月25日(金)午後6:30スタート 毎週(金)全6話 ※放送終了
■再放送日時:2025年4月29日(火)午後11:59スタート 毎週(火)全6話
■主 題 歌 : GLAY/「Beautiful like you」
■番 組 HP : https://www.hbc.co.jp/tv/mikakin/

監督:榊原有佑、門馬直人、針生悠伺
脚本:我人祥太、林青維 原案:田邊馨
出演:高杉真宙、柄本時生 / 森田想、奥野瑛太、黒田大輔、阿部進之介、久保田磨希、柾木玲弥、皇希、しゅはまはるみ、東てる美 / 竹中直人、西岡德馬

朗報!

6月からはBS-TBSでも放送が決定しました。全国の方にも作品を楽しんでいただけるようになり、6月1日、8日、15日の日曜日、11:00~12:00に放送されます。詳しくはBS-TBSの公式HPをご確認ください。

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取材: 山田文裕
文・編集:Sitakke編集部 ナベ子

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