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これが介護業界のリアル!介護職員が過ごす1日のスケジュール

ささえるラボ

これが介護業界のリアル!介護職員が過ごす1日のスケジュール

執筆者

ささえるラボ編集部

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/3

この記事は社会福祉主事の資格を持ち、
特別養護老人ホームで介護職経験のあるライターが作成しました!

介護職の1日を見てみよう!

介護業界で働きたいと思いつつ、「自身のライフスタイルは変えたくない」であったり、ライフスタイルが変わったからこそ、「両立して働いていける仕事を見つけたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

介護業界にはさまざまなサービス形態の施設があり、働き方も多種多様です。
この記事では、趣味を持っている人や、子育てをしている人などをイメージしながら1日のスケジュールを紹介しています。では早速見ていきましょう。

1.入所系サービスの場合

入所系施設は、利用者にとって日常生活を営む場所です。
そのため、24時間365日体制で利用者をサポートする必要があります。2交代制や3交代制といったシフト制で勤務時間が決められ、すべてのフロアに介護職員の目が行き届くように万全の体制を整えます。入所系施設の中でも特別養護老人ホームは給料水準が高く、夜勤手当や資格手当なども手厚い傾向にあるとされています。

■特別養護老人ホーム

自力で体を動かせない人や認知症が進行している人など、要介護度が比較的高い高齢者が入所する施設です。従来型とユニット型の2つのタイプがあります。

従来型は主に4人部屋の造りで、利用者の人数は1フロアに30~40人です。ユニット型の居室は個室で、利用者の人数は1ユニット10人前後です。従来型とユニット型の両方を持つ施設もあります。

ー1日のスケジュール(日勤)

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

ー1日のスケジュール(夜勤)

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

■グループホーム

認知症の診断を受けた、地域の高齢者が入居する施設です。
特別養護老人ホームと同様、シフト制で介護職員が常駐します。利用者は、一部介助を受けながら5~9人での集団生活を営みます。介護職員は、食事の準備、掃除洗濯、買い物などを利用者と共同で行い、自立した生活をサポートします。必要に応じて食事、排泄、入浴、移動などの介助を行うこともあります。

ー1日のスケジュール(趣味を大切にされている職員さんの場合)

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

2.訪問系サービスの場合

訪問介護員(ホームヘルパー)は、利用者の暮らす自宅を訪問してケアを行います。「身体介護」「生活介助」「通院等乗車介助」に分類されるサービスの中から、各利用者のケアプランに沿ったサービスを提供します。滞在時間は1件につき30~90分程度で、フルタイムで働く場合は1日に4~5件の利用者宅を回ります。

また、医師や訪問看護師など他職種との連携が物を言います。サービス担当者会議に出席し、介護のプロとして意見を求められる場面もあります。

ー1日のスケジュール(子育てと両立されている職員さんの場合)

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

3.通所系サービスの場合

デイサービスなどの通所介護施設に通う利用者に対して、食事や入浴などの介助、生活機能向上をめざしたレクリエーションといったサービスを提供します。

朝、利用者を自宅まで迎えに行き、日中を施設で過ごしてもらい、夕方に自宅へ送り届けるところまで介護職員が関わります。レクリエーションの時間には、介護職員が利用者の前に立って体操をしたり司会進行をしたりと、積極的に盛り上げます。夜勤はないため、子育てや介護との両立がしやすい、生活リズムが整うなどのメリットがあります。

ー1日のスケジュール(家族の介護と両立されている職員さんの場合)

出典:https://mynavi-kaigo.jp/media

介護職員はどんな仕事をしている?

介護職員が担う業務は多岐にわたりますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。主な業務について解説します。

1.日常生活の支援

介護職員は、利用者の体に直接触れて、食事、入浴、排泄、服薬、着替え、移動など日常生活のあらゆる面をサポートします。自力で体を動かせない利用者の場合は、車椅子からベッドへの移乗もサポートします。転倒によるケガ、誤嚥による窒息、徘徊による事故などの恐れがないように、業務中は常に利用者の様子を見守り、声かけを徹底します。

なお、医師法において「医療行為(医行為)」と規定されている行為については、国家資格を持つ医療従事者のみが行うことができます。介護現場では利用者の体調急変など迅速な判断が必要になる場面もありますが、事前に介護職員ができる行為/できない行為を知っておくと、スムーズに対応できるでしょう。

【介護職員ができる行為(例)】

・体温測定
・血圧測定
・爪切り
・口腔ケア
・耳掃除
・パルスオキシメータの装着(動脈血酸素飽和度の測定)
・切り傷・かすり傷などの簡易的な処置※
・目薬の点眼※
・点鼻薬の使用の介助※
・内服薬の服薬の介助※
・皮膚への軟膏塗布(褥瘡の処置は不可)※
・湿布の貼付※
・肛門から坐薬を入れる※
・市販の浣腸を入れる※
※医薬品を使う場合は、医師法第17条、歯科医師法第17条、保健師助産師看護師法第31条の規定を踏まえ、医師や薬剤師、看護職員の指導の下で行う必要があります。

【専門資格を有する介護職員ができる行為】

・痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内)
・経管栄養(胃瘻、腸瘻、経鼻経管栄養)
※就業先が「登録喀痰吸引等事業者」または「登録特定行為事業者」として登録されている場合にのみ上記の医療行為を行うことができます。実施する際は医師の指示の下で行いましょう。詳細な条件については、事業所を管轄する都道府県が公開している情報を確認してください。

【介護職員ができない行為(例)】

・点滴による薬剤の投与、交換
・注射
・摘便
・褥瘡の治療・処置
・血糖の測定

2.レクリエーション

訪問系サービス以外で介護職員として働く場合、その業務にはレクリエーション(カラオケ、体操、昔の遊び、塗り絵、クイズなど)が含まれます。認知症や身体麻痺などにより自力で生活することが難しい利用者にとって、レクリエーションはとても大切なケアの1つです。

特に認知症の人を相手にする場合は「自尊心を傷つけない」ことが大事なポイントです。利用者が残された能力を存分に生かし、達成感や仲間との一体感を感じられるように、介護職員が先頭に立ってレクリエーションの時間を充実させることが望まれます。

3.アセスメントに基づいたケアの提供

アセスメントとは、利用者のニーズに寄り添ったケアプランの作成を目指し、利用者の要介護度や生活状況など、多方面から情報を集めて分析することです。アセスメントは、ケアマネジャーが行うこともあれば、利用者を担当する介護職員が自ら行うこともあります。

利用者によって生活環境、既往歴、家族との関係性などはさまざまです。しかも、それらは常に変化していきます。そのため、日常業務の中でも介護職員は利用者一人ひとりの声に耳を傾け、ニーズに合ったサービスを提供していくことが大切です。

4.夜勤業務

入所系の施設では、シフト制の働き方となるため、夜勤にも従事することになります。夜間帯はスタッフの数が少なくなり、順番に休憩を取るため、フロアを1人で見なければならないタイミングもあるでしょう。

慣れるまでは大変かもしれませんが、日勤職員との申し送りをしっかりすること、介護日誌を読み込んでおき、いざという時に慌てないよう準備をしておくことを心がけましょう。夜勤後に1泊旅行に出かけたり、趣味の活動を楽しんだりと、日中の時間を有効に使えることはメリットだといえます。

介護現場での経験を生かして転身する道も!

介護業界で働く人の1日を見てみると、所属する事業所のサービス形態によって業務内容や時間の使い方が違うことがよく分かります。自分の生活にマッチする事業所を選べば、子育て中で保育所への送り迎えが必要な場合や、自宅で家族を介護している場合なども、ライフスタイルを守りながらキャリアを積むことができるでしょう。

一方、介護現場での経験を生かしてケアマネジャーや生活相談員に転身するという選択肢もあります。もちろん、いずれも楽な道ではありませんが、職種を変えることで新たな毎日を手に入れることができるかもしれません。

1.介護職員からケアマネジャーになるには?

例えば、福祉系の学校に通わずに、無資格の介護職員からケアマネジャーをめざす場合、まずは介護福祉士の資格を取得する必要があります。介護現場での実務を3年以上経験し、介護福祉士実務者研修を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。

そして、介護福祉士の資格取得後、5年以上の実務経験と900日以上の勤務実績が認められると、ケアマネジャーになるための介護支援専門員実務研修受講試験を受験することができます。パートタイムや非常勤であっても、前述の条件を満たしていれば受験可能です。ただし、在籍中に育児休業などを取得した場合は、従事日数にカウントされないので気を付けましょう。

2.介護職員から生活相談員になるには?

生活相談員は、特別養護老人ホームやデイサービスなどに勤務し、利用者への相談援助や、外部の関係機関とのやりとりなどを担当する職種です。

生活相談員になるためには、社会福祉主事任用資格、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を有していることが望ましいとされていますが、自治体によっては介護福祉士の資格や、介護の現場での実務経験が評価されて採用が決まることもあります。各自治体の募集要項をよくチェックしてみましょう。

最後に:さまざまな選択肢がある介護業界で働いてみませんか?

前述したように、未経験から介護の仕事を始めた場合でも、着実に経験を積み、学び続けることでキャリアチェンジもかないます。

また、結婚・出産・引っ越し・親の介護などにより、さまざまに変化していくライフステージに合わせて施設を選ぶことで長期的に働き続けることができるのが介護業界の特徴です。自身のライフスタイルにあわせつつ、キャリア形成も行える介護業界でぜひ働いてみませんか。

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