【防災・基本のき】今すぐ・簡単に・いま一度
2024年1月には、能登半島で大規模な地震があり、8月には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。近年、地震だけでなく、台風・大雨などの水害 など、自然災害が増えています。今こそ、災害に備えませんか?
今すぐ、簡単に始められる防災をご紹介します。
お話を聞いたのは…
公益財団法人 市民防災研究所 主任研究員 伊藤 英司さん
同研究所では、各団体などが実施する防 災講演会や防災訓練などに協力。また、 防災に関する調査研究も行っています。
災害はいつ起きてもおかしくない
災害の備えというと、物のことばかり考えがちだけれど、まず「意識」から備えることが大事です。
「自分自身が被災するかもしれない」という意識を持って、日頃から災害に備えましょう。
国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」を見ると、全国の土砂災害、洪水、津波、高潮などの災害リスクが分かります。
まず自分の地域にどういう災害リスクがあるのかを把握しましょう。
災害種別ごとに避難場所の指定があるので、合わせて確認を。
指定の避難場所まで、どういった危険性があるのかを確認しながら歩くのも大事です。
自宅の耐震性は耐震基準で判断を
耐震性は、建築年数である程度分かります。
1981年6月に耐震基準が強化され「新耐震基準」と呼ばれています。
1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた建物は耐震性が低い可能性が高いです。
また、木造住宅では新耐震基準をより厳正化した、2000年基準があります。
2000年5月以前に建てられた木造住宅の中には耐震性が不足している可能性もあります。
自宅の耐震性に不安があれば、自治体の相談窓口などへ行き、耐震診断を受けましょう。
各自治体で補助を行っているところもあります。
日頃の備えで減災はできる
台風の場合は数日前から予報が出ますので、前もって準備できます。
家屋の浸水だけでなく、物が飛んできて窓ガラスが割れる危険性があります。
窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておけば被害を最小限にできるかもしれません。
また、来ると分かっていれば、事前に安全な場所に避難もできます。
あと、携帯トイレは最低1週間分を備蓄しましょう。
断水や停電が起きると、トイレが使えなくなます。
どんな人でも排せつは我慢できません。
1人につき1日5回、1週間で35回分が目安です。
災害時は、自分だけではどうにもできないことが当然出てきます。
大規模災害では公助はすぐには来てくれません。
その時は、隣近所での助け合いがとても大切になってきます。
能登半島地震では、改めてその大切さが認識されました。
今すぐできる防災チェックリスト10
□ 大災害はいつか必ずやって来ることを意識
□ ハザードマップで、自宅の災害リスクを確認
□ 居住地域の指定緊急避難場所・指定避難所へ歩いて避難経路を確認
□ 自宅の耐震性を確認
□ 自宅を安全な空間にしよう(家具類の転倒・落下・移動防止対策、ガラス飛散防止)
□ 台風(大雨)が近づいてきている時、いつ、どこに避難するか、「わが家の避難計画」を作成しておこう
□ 水・食料の(最低3日分)7日分の備蓄
□ 携帯トイレ、最低1週間分の備蓄
□ 情報収集に必要なスマートフォンの充電、ポータブル電源(蓄電池)の備え
□ いざという時に助け合えるように、近所の人と顔見知りに