寺子屋くすくすの木 国籍越え学びサポート 子育て支援大賞で県表彰
子どもや子育て支援に取り組む団体などを神奈川県が表彰する「かながわ子ども・子育て支援大賞」の受賞者が決まり、愛川町で外国籍の子どもたちに学習支援を行う「寺子屋くすくすの木」が奨励賞を受賞した。
同賞は、子育て支援活動のモデルとなる事業者や個人、団体を表彰し、活動の活性化と県民全体に取り組みの機運醸成を図るもの。18回目となる今回は46件の応募があり、プレゼン選考に進んだ15件の中から先進性や有効性、貢献性などを審査基準に大賞と奨励賞、草の根賞、特別賞が決まった。
「貴重な場づくり」
「寺子屋くすくすの木」は、厚木市と愛川町の中学校などで教員を勤めた野田由栄子さん(72)が2022年に設立。外国にルーツを持つ児童生徒を中心に、地域の子どもたちの学習支援などに取り組む。
現在は約15人のスタッフが在籍し、8人ほどの子どもを受け入れている。近年急速に外国籍住民が増加している町の特色を背景に、読み書きなど基礎的な学習支援やあいさつ、マナーなどの生活指導、保護者の相談などに応じるほか、国籍を問わず不登校児を支援するフリースクールとしての役割も担う。
審査委員からは「愛川町という地域特性を勘案すれば、貴重な場づくりと評価できる」と講評を受け、奨励賞の6件に選ばれた。野田さんは「受賞をきっかけに私たちの活動を知っていただき、地域のために何かしたいという方が一人でも増えてくれたら」と話した。