『キャプテン・アメリカ:BNW』影響与えた名作スリラーは『ジャッカルの日』『殺しの分け前/ポイント・ブランク』『サムライ』
『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』がお好みなら、シリーズ最新作は必見だ。新生キャプテン・アメリカの活躍を描く本作は、『ウィンター・ソルジャー』同様、シリアスな政治スリラーやパラノイド・スリラーを下敷きにしている。
『ルース・エドガー』(2019)『クローバーフィールド・パラドックス』(2018)などスリラー/サスペンスを得意とする監督のジュリアス・オナーは米で、「スティーブ・ロジャース3部作を意識したか、それとも新たなスタートを意識したか?」との問いについて「両方です」と回答しつつ、本作が「新たなスタート」になることを強調。「MCUとこれから始まるすべてのことのために、リセットできる機会」と、心機一転となる新鮮さをアピールした。
一方、「過去作も素晴らしい映画です。キャプテン・アメリカのレガシーに敬意を払いました」と続け、ファン評価の高い『ウィンター・ソルジャー』との関連性を挙げている。
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本作主人公となるサム・ウィルソンがデビューを果たした『ウィンター・ソルジャー』では、スティーブ・ロジャースが信頼を委ねていたはずの平和維持組織S.H.I.E.L.D.が実は秘密結社ヒドラに乗っ取られており、ヒーローたちは危険な陰謀の存在を察知して密やかに戦うというスリラー要素が魅力となった。この作品についてオナー監督は「『パララックス・レビュー』(1974)から影響を受けています」と紹介し、新作『ブレイブ・ニュー・ワールド』では「別の時代の政治スリラー、パラノイド・スリラー作品に注目しました」と、次の参考作品を挙げている。「『ジャッカルの日』(1973)や『殺しの分け前/ポイント・ブランク』(1967)、『サムライ』(1967)といった映画です。サム・ウィルソン特有の風合いがありつつ、独自性もあります」。
『ジャッカルの日』は大統領暗殺を目論む孤高の殺し屋と警察の執念の捜査を描くスリラー作品で、最近ではエディ・レッドメイン主演でドラマ版としてリメイクも果たした。『ブレイブ・ニュー・ワールド』ではハリソン・フォード演じるロス米大統領が襲撃される一幕もあり、確かに直接的な影響が見られそうだ。
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『殺しの分け前/ポイント・ブランク』『サムライ』はそれぞれ強盗や殺し屋のハードボイルドな物語を描くクライム・スリラーの名作だ。一見、マーベルのスーパーヒーロー映画とは結びつかなさそうな渋い作品。さまざまなジャンルの長所を巧みに取り入れて作品の幅を拡張するマーベル・スタジオのこと、『ブレイブ・ニュー・ワールド』でも往年の名作スリラーの腹に響くような魅力に通ずるシリアスな物語を描くものと期待したい。
(MCU)『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2025年2月14日、日米同時公開。
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