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麻布台・三越出店と西武池袋撤退の「エルメス」 ケリング、LVMH失速のなか、日本市場での売上高が16%増の快進撃

セブツー

「エルメス(HERMES)」ブランドを手掛けるエルメス・インターナショナルは7月30日、2025年12月期の上半期決算を発表した。世界経済の減速や高級ブランド市場の踊り場が意識される中で、同社は引き続き好調を維持。売上高は前年同期比で8%増となる80億3400万ユーロ(約1兆3657億円*)、営業利益は同6%増となる33億2700万ユーロ(約5655億円)、上半期純利益は同6%増となる25億600万ユーロ(約4352億円)と増収増益だった。

とりわけ注目すべきは、日本市場の強さだ。前年同期比で16%増と、全地域中で最も高い伸び率を示した。麻布台ヒルズ(東京)と銀座三越に相次いで出店した2024年12月期には14%の増収だったが、それをさらに上回る勢いだ。昨今、訪日観光客によるインバウンド消費の回復に加えて、富裕層を中心とした国内消費の底堅さも追い風となっている。

一方、日本における出店戦略には変化も見られる。2025年8月末には、半世紀にわたって店舗を構えてきた西武池袋本店からの撤退を決定。旧西武百貨店とは日本上陸に際して代理店契約を締結し、その後フランス本社と共同出資で日本法人を設立している。こうした老舗百貨店からの撤退の動きに、「エルメス」の今後の出店戦略にどのような変化があるか、注目が集まる。

国・地域別に見ると、日本を除くアジア太平洋地域は3%増とやや鈍化した一方、南北アメリカは12%増、欧州(フランス除く)は13%増と堅調。フランス本国も9%増と地元での強さを示した。中東を中心としたその他の地域では17%増と高い伸びを見せており、グローバル全体でのブランド力の強さを裏付ける決算となった。

グローバルラグジュアリーマーケットでは、競合のケリンググループやLVMHが減速傾向を見せる中、「エルメス」だけが一貫して成長を維持している。ラグジュアリー市場でのポジショニングがより明確になったかたちだ。これは価格政策や限定性、クラフツマンシップの価値訴求など、ブランディングの徹底による差別化戦略が奏功していると見られる。

今後、国内外での出店計画や生産体制の拡充、さらにはデジタル戦略との両立など、「エルメス」の動向に注目が集まる。

*1ユーロ=170円換算(7月30日時点)

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