【福井】通行止めが解除された九頭竜湖に行ってきた / たのしい化石発掘と、尋常ではない九頭竜湖駅
7月半ばに迂回路が開通済みだが、土砂崩れで4か月間にわたり主要な観光客の流入経路の一つを失っていた福井県大野市。
特に土砂崩れの現場そばの九頭竜湖周辺は、釣り客が激減してしまうなど大変だったそう。ということで、大野市の良さをアピールするためのプレスツアーでやってきたのだが……
1日に5本しか電車が来ないのにめちゃくちゃ凝ってる九頭竜湖駅も必見!
・九頭竜湖
ここが噂の九頭竜湖。トップの写真だ。釣りやキャンプで人気のスポットだが、災害現場はこの近く。
ルートは岐阜側から来るか福井側から来るかの2択しかない状況で、岐阜側からのルートが土砂崩れにやられて県外客が激減。大変だったそう。
もう迂回路はできているので、皆さんもどうぞ九頭竜湖にお越しください。ほら、とても綺麗な九頭竜グリーン。
まあ、九頭竜グリーンなんて言葉は存在しないのだが。今私がそう名付けたのでこれからはそうなる。こういうのは〇〇グリーンとかブルーって言った者勝ちなんだよ。
そして今私が立っているのが、通称「夢のかけ橋」、正式には箱ヶ瀬橋の真ん中あたり。
向こうがキャンプ場方面で……わぁ、ボートで釣りをしているカップルがいる。いいですねぇ。やはり夏場は水辺でのレジャー。
この県は油断するとすぐ恐竜が出てくるからな。たまには魚で味変も必要だろう。渓流も解禁されているらしい。
・化石
しかし、やってきたのは近くの「大野市化石発掘体験センター ホロッサ」!
福井で恐竜から逃れることはできない。
もう施設名で100%わかると思うが、化石の発掘体験ができる施設だ! 中には、こんな感じで年代別に岩石が大量に置かれている。
一部の岩石は市の主導で調査中。
・化石
じゃあ実際にやってみよう。体験費は一般が1350円で、中高生や団体は少し安くなる。詳しくは公式HPを見てくれ。
受付後に簡単な説明を受けたら、軍手、ゴーグル、タガネ、ハンマーをレンタル&装備。
あとは、いい感じの岩石を見繕って割るだけだ! とりあえずめぼしいやつを集めてきた。
これをこうして……
こうだ! 何か出てきたな。ここは「白亜紀の森」の岩石。これも植物ではないかとのこと。このくらいのは、私がやった限りだとポンポン出てきた。
というか、ちょっとした植物の化石なら割る前から見えてたりした。よく石を観察することが最も大事かもしれない。
しかしせっかくなら隠れたビッグなものを狙いたいので、どんどん割っていこう。デカいやつでも、岩石の種類と目をよめば簡単だ。
私が見つけたような化石なら1人2個まで記念に貰えるが、凄いのが出て来た時には研究に回される仕組み。新発見なら名前が付くらしい。上手いことやるものだ。
この時に他のメディアや一般のお客さんもいたが、多くが1個か2個の小さい岩の破片を持ち帰っていた。何かしらの化石なのだと思う。
元から見込みがあると考えられるものを持ってきているからだろう。0からその辺のフィールドで探すのとは比較にならないイージーさ。
・情熱
さて、こうして割りまくっている岩石だが、一般人向けに化石が出てくることが保証されている特別なものではない。普通に未調査の岩石だ。
大野市では現在、国交省により中部縦貫自動車道大野油阪道路の工事に伴うトンネル建設工事が行われている。
トンネルなので山を掘るわけだが、そこで大量に出てくる岩石を持ってきているのだ……!
もちろん何から何まで持ってくるわけではないもよう。職員が定期的に工事現場に赴き、手作業で岩を割り続けてチェック。化石が出てきそうな気配があれば、まとまった量を回収してストックしているそう。
大野市内にはそうやって回収してきた岩石を貯めているヤードのような場所があるらしい。その量はもはや、私が生きている間くらいでは調査しきれないほどになっているとか。
その大量の岩石の一部が、こうして観光客の化石発掘体験に用いられているというわけ。つまり、このホロッサは一般人に化石探しを楽しませつつ、大野市的には未調査の岩石の消化を進められる的な、Win-Winの施設。
私も初めて化石を探す体験をしたが、岩を割ったら化石が出てくるというのは、なかなかに興奮するものがある。マニアックかもしれないが、これはクオリティ高い体験ができるスポット。
ちなみに競合は隣の勝山にある発掘体験施設だと思われるが、勝山と大野では年代が違うもよう。ジュラ紀のアンモナイトを掘れるのは大野だけだ……!
参考リンク:大野市化石発掘体験センター ホロッサ
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.