Yahoo! JAPAN

三鷹と東小金井が誇る、老舗の愛されランチ5選!街に根差し、歴史と共に歩む店へ

さんたつ

宝華

時代の流れと共に街は変化し、そこに住む人もどんどん入れ替わっていく。しかしその一方で、深く根を張り、変わらない存在というのもある。それぞれの街で愛されてきた味。おなかはもちろん、きっと心も満たされる。

宝華(ホウカ)

変わらぬ味を守る町そば屋の新作『味多香庵(みたかあん)』【三鷹】

季節限定のせりそば900円。

創業90年になる町そば屋の新作は、せりそば。せりを噛(か)むシャキシャキという音に食欲を煽(あお)られ、自家製麺を勢いよく啜(すす)ると、なめらかな舌触り、豚の甘みが溶け込んだカツオ出汁の風味が口の中に舞う。「父に教わった基本を守っているだけ」と3代目・梅澤政宏さんは控えめだが、その笑顔から「変わらぬ味」を求める常連客への感謝が伝わる。笑顔がかわいい母・昭江さんは、看板娘歴約50年。

『味多香庵』を営む梅澤さん一家。3代目の政宏さんと妻の英子さん、母の昭江さん(右)。「お母さんに会うために通ってくれる人もいるんです」。
出汁香るカレーライス(ミニ)550円。
地名にちなんだ当て字が良い。店内には梅澤さんの姉が選んだ絵本や母の昭江さんが育てた植物が飾られ、「家族のお気に入りが詰まっています」。

『味多香庵』店舗詳細

味多香庵(ミタカアン)
住所:東京都三鷹市下連雀3-16-11/営業時間:11:00~20:30/定休日:火/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩5分

親子、孫と代々通う地元客も多い『キッチン・ブラウン』【東小金井】

和牛入りチーズ焼ハンバーグステーキ&ビーフシチューは、サラダ・ライス付き1400円。

1973年に開店し、それ以来夫婦で切り盛り。看板メニューのビーフシチューは、当初この辺りではあまり食べられる店がなく、「常連さんの中にはここで食べて初めて知ったという人もいるみたいです」と店主の石田紀彦さん。タマネギや果物を入れ、煮込むこと約5時間。表面に浮いてくる余分な油をこまめに取り除くので、ほろほろに溶けた牛スネ肉の旨味がすっきりと際立つ。ハンバーグにビーフシチューをかけた一品もおすすめ。

「開店当初、周辺には畑が広がっていて店の前の道路は砂利道でした」と石田夫妻。
週末には行列ができ、家族連れも多い。

『キッチン・ブラウン』店舗詳細

キッチン・ブラウン
住所:東京都小金井市梶野町5-6-11/営業時間:11:45~14:30・18:00~21:30/定休日:木・第3水/アクセス:JR中央線東小金井駅から徒歩4分

食べ応え満点!街の人々の原動力『だんでぃらいおん』【東小金井】

「ハンバーグ専門店だけど、アルバイトのまかないでは親子丼が一番人気」と成通さん。

粗びき肉に炒めたタマネギを多めに加え、フライパンとオーブンで中まで火を入れたビッグサイズのハンバーグをあむっと頬張る。噛み締めるたびに広がるのは、力強い牛肉のうまみと穏やかな豚肉の甘み。1978年に創業してからずっと、近隣の大学に通う学生たちの御用達。アルバイトも学生が多く、店主の成道収一さんが言うには「私が教えたレシピでハンバーグを拵(こしら)えて、自宅の冷凍庫にストックしている人もいます」。まるで、おふくろの味。

ハンバーグ(200g)1200円。サラダ・ライス付き。ランチの定食には味噌汁も付く。
長く通い続ける78歳の常連客もいる。

『だんでぃらいおん』店舗詳細

だんでぃらいおん
住所:東京都小金井市梶野町5-7-20/営業時間:11:30~14:30・18:00~21:15LO/定休日:火・水/アクセス:JR中央線東小金井駅から徒歩6分

親子3代かけて磨き上げた味『福家』【三鷹】

「下田さん家の豚肉」を使用したとんかつ定食1200円。千葉県産「林SPFロース」のとんかつも人気。

「祖父が三鷹で商売を始めたのが1930年。とんかつ専門店にしたのは父です」。そう教えてくれたのは、現在の形になって2代目に当たる野村一仁さん。駅前に店を構え、代々街を見守ってきたので、長年の客は3代目が一緒に厨房に立つことになり喜んだという。こだわりの群馬県産「下田さん家の豚肉」をフレッシュなラードでカラリと揚げたとんかつは、サクッとした衣と銘柄豚のまろやかな甘みが食べる人を優しい気持ちにさせてくれる。

2代目の野村さん(右)と、3代目の息子夫婦。
2階にはテーブル席を用意。窓から三鷹駅前の通りを見下ろせる。

『福家』店舗詳細

福家
住所:東京都三鷹市下連雀3-27-15/営業時間:11:00~14:00・17:00~20:20(日・祝は11:30~)/定休日:土/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩1分

店の名物が街のソウルフードに『宝華』【東小金井】

東小金井名物の宝そば850円。

1971年、当時19歳の先代が東小金井で創業。今から1990年頃に「うちの宝にしよう」と始めた油そば、その名も宝そばはやがて街の名物となり、周辺で油そばを出す店が増えた。とはいえ、自家製麺の卵に似た朗らかな風味(卵不使用)や、油のうまみとキレの良さを併せ持つ醤油だれなど唯一無二の存在。「口の中をリセットするにはカイワレの辛味が不可欠」と店主の小榑(こぐれ)美加さん。もちっとした麺を箸で持ち上げると、よく絡んだたれがキラリ。

餃子500円。焼き目がパリッとして香ばしい。
小榑さんの明るい笑顔が映える。
使い込まれてはいるが、清潔感のある店内。
東小金井駅のすぐそばで営業。行列ができることも。

『宝華』店舗詳細

宝華(ホウカ)
住所:東京都小金井市東町4-46-12/営業時間:11:30~15:00・17:30~21:00(土・日は11:30~21:00)/定休日:月/アクセス:JR中央線東小金井駅から徒歩1分

取材・文=信藤舞子 撮影=鈴木愛子 山出高士(味多香庵)

『散歩の達人』2025年2月号より

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 【家飲みを制する4ヶ条】ゆっくり家飲みのすすめとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 内臓脂肪の話】

    ラブすぽ
  2. 【健康立県の実現を目指して】都道府県庁で唯一!新潟県庁が「健康経営優良法人2025」に認定

    にいがた経済新聞
  3. 【海上釣り堀釣果速報】子供たちがクロソイの強い引きを堪能!(三重・愛知)

    TSURINEWS
  4. 新しい家族に『成猫』を迎えるメリット3選 “大人の猫はなつきにくい”はウソ?ホント?

    ねこちゃんホンポ
  5. 40代だけど友達がいないのはやばい? 気の合う仲間の作り方3つ・楽な関係をキープする方法3つ

    コクハク
  6. 淡路島ei-to「ボーダーと珈琲とドーナツと」世界で一枚自分だけのボーダーシャツ 淡路市

    Kiss PRESS
  7. 犬が『部屋の物を壊してしまう』4つの心理 暴れてしまう理由から対処法までご紹介

    わんちゃんホンポ
  8. 桃太郎伝説の舞台&人気ハイキングコース!「鬼ノ城」の全てをまわってご案内(総社市)

    岡山観光WEB
  9. オーストラリア・ヴィンデンワインズの“顔ラベル“ワイン、新ヴィンテージを先行販売

    ワインバザールニュース
  10. 介護のリスクマネジメントとは? 介護事故の事例や対応方法を解説

    ささえるラボ