猫との『添い寝』でやってはいけない禁止事項5選 幸せタイムがケガのもとに!?
1.猫の押しつぶし
猫との添い寝でとくに気をつけたいのが「猫を押しつぶす」こと。
人間の体重は猫にとってはかなり重いものです。寝ている間に、無意識に猫の上に腕や脚を乗せてしまうと、猫に大きな負担がかかります。
最悪の場合は、内臓を圧迫して体に負担をかけたり、窒息をさせたりしてしまう可能性もゼロではありません。
そのため添い寝の際は、猫の周りに十分なスペースを確保し、自分の体が猫に触れないよう注意しましょう。
とくに寝返りをよく打つ人は、猫の位置を確認し、誤って猫の上に乗らないような工夫をしてください。
2.強制添い寝
「強制添い寝」もNGです。
猫は自由を好む動物なので、強制的に抱きしめたり、体を拘束したりすることは、猫にとって大きなストレスとなります。
寝ている間に無意識に猫を抱きしめることもあるかもしれませんが、不快に感じて暴れたり、攻撃されるリスクは否定できません。
そのため添い寝の際は、猫が自由に動けるスペースを確保し、猫の意思を尊重することが大切です。猫が自分から寄ってきたときに、優しく撫でる程度にとどめましょう。
また猫が体調不良のときや、安静を指示されているときは添い寝を控えてくださいね。
3.寝室にトイレと水を設置しない
寝室にトイレや水を設置しないことも好ましくありません。
人は睡眠の間にトイレや水分補給を頻繁に行いませんが、猫は夜間でもトイレにいったり水を飲むことが多いです。
寝室からトイレ・水がある部屋に猫が行き来できる場合は、問題ありません。しかし部屋を閉め切ったり、部屋の往来がしづらかったりする場合は、寝室にトイレと水を設置してあげましょう。
それらを設置しておかないと粗相や、膀胱炎・脱水といった病気のリスクが懸念されます。意外と見落としがちなポイントなので、忘れないようにしましょう。
4.子猫・老猫との添い寝
猫との添い寝は、どんな猫でもできるわけではありません。
とくに、子猫や老猫との添い寝は控えたほうが良いでしょう。添い寝事故による被害が、健康な成猫に比べても大きくなる恐れがあるからです。
まず子猫ですが、非常に小さく体も柔らかいため、人間が寝返りを打った際に誤って圧迫してしまう危険性があります。
力も弱く潰されたときに自分で這い出るのも難しくなり、加えて小さい体で飼い主に気づかれにくいのもデメリット。
一方老猫は骨が脆くなっていることが多く、人間の寝返りで圧迫されると、骨折のリスクが成猫よりも強く懸念されます。
関節への負担なども考えられるため、痛めてしまうなどのトラブルにつながらないよう、無意識に接触しないようなお互いのスペースの確保が必要なため、危険が伴います。
また関節炎などの問題を抱えていることが多い老猫にとって、人間の睡眠中の動きに対応しきれないことも。
このようなリスクを考慮しても、子猫や老猫との添い寝は避けるべきといえます。添い寝が好きな子猫・老猫もいると思いますが、万が一に備えて、ひとりで寝ることを教えたほうが良いかもしれません。
5.寝室を掃除しない
猫との添い寝を楽しむ上で、寝室の清潔さを保つことは非常に重要です。「寝室を掃除しない」ことは、猫だけでなく人間にも悪影響を及ぼしかねません。
というのも定期的な掃除を怠ると、猫の毛やフケが寝具や床に蓄積され、強力なアレルゲンとなる場合があります。
猫アレルギーがない人でも、長期的な暴露によりアレルギーを発症するかもしれません。
また清潔に保たれていない環境は、ダニやノミといった害虫の温床に。これらは猫だけでなく人間にも噛みつき、かゆみや感染症を引き起こします。
こういったトラブルを防ぐためにも定期的な清掃は重要で、こまめな抜け毛・ホコリ取りなどを行う必要がある可能性が高いです。
まとめ
猫との添い寝は猫との生活のなかでも「幸せ」と思う瞬間ですが、安全面に十分配慮する必要があります。
猫に危害を加えないためにも、今回紹介した禁止事項を忘れずに、愛猫との幸せな添い寝タイムを過ごしてください。
(獣医師監修:葛野莉奈)