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町全体が「恐竜ワールド」!日本屈指の発見がざくざくの博物館をたっぷり満喫するポイントを獣医師ママライターが解説|北海道・むかわ町「穂別博物館」

Sitakke

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牛や馬専門の獣医師の経歴を持ち、アニマルセラピーにも詳しいママライター「MERI」が、北海道各地の「動物とふれあえるおすすめスポット」とそのおすすめポイントを紹介する【連載】「こころ育む、動物ふれあいスポット」。

北海道・むかわ町といえば「恐竜の町」!
今回はむかわ町にある穂別博物館をご紹介します。

穂別博物館では、“日本屈指”と言われる恐竜の「カムイサウルス」が見られるほか、首長竜やモササウルスなどが展示されていて、子どもたちに人気が高い生き物たちが見られる場所です。

恐竜が好きな子(大人も)がいるファミリーにとっては、まさに聖地…!

一歩むかわ町に足を踏み入れれば、いたるところに恐竜の気配を感じてワクワクしてくるはず。

この記事では穂別博物館の見どころやドライブ中に楽しんでほしいポイント、オープン予定の新館に関する情報もご紹介しますよ!

日本屈指の恐竜「カムイサウルス」に会える!

カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)

穂別博物館のメイン展示といえば、こちらのカムイサウルス(通称:むかわ竜)。

むかわ町内で発見され、2019年に新属新種として発表された全長およそ8メートルの恐竜です。

日本国内で見つかっている恐竜の化石では、歯など一部の骨しか見つかっていない個体も多数あるそうですが、このカムイサウルスはなんと全身の約8割が保存されている貴重な恐竜!

だから「日本屈指」なんですね。

このむかわ竜こと、カムイサウルス、本当~~にすごいんです!

カムイサウルスってどんな恐竜?どこがすごいの?

カムイサウルスが生存していた当時の再現図【服部雅人 画】(穂別博物館の展示より)

カムイサウルスが生きていた白亜紀末(およそ7,200万年前)、当時のむかわ町は海でした。
これまでの研究で、カムイサウルスは海岸線沿いの陸上に生息しており、草食の恐竜であったことが分かっています。
国内で発見された恐竜の全身骨格では最大であり、日本の宝といっても過言ではない貴重な化石なのです!

カムイサウルスが見られる穂別博物館の展示室では、当時の発掘作業の様子もパネルで詳しく紹介されています。
今にも動き出しそうなカムイサウルスを、ぜひ現地でご覧くださいね!

穂別博物館の見どころを徹底解説!

穂別博物館には、先ほどご紹介したカムイサウルスのほかにも恐竜ファンにはたまらない見どころがたくさん!

展示されている化石は博物館の研究員の方が発掘したものだけではなく、日本全国の一般の方から寄贈されたものも多くあります。
ぜひひとつひとつ、じっくりと見て楽しんでくださいね。

全長8メートルの「首長竜」がお出迎え!

全長8メートル。大きすぎて、写真に収まりませんでした!ぜひ現地でご覧ください。

穂別博物館に入ると、エントランスでは全長8メートルの大きな首長竜「ホベツアラキリュウ」(愛称:ホッピー)が迎えてくれます。
ホッピーは、穂別博物館が建設されるきっかけにもなった大切な化石です。

それにしてもこんなに体が大きくて首も長いのに、頭ちっちゃ…!!

ずいぶん小顔な首長竜さんは、生きていた当時はどうやって生活していたのだろう…とついつい想像したくなりますね。

案内していただいた館長の櫻井さんにお話を伺うと、ホベツアラキリュウは小魚などを食べていたと考えられているのだとか。

でもこの「首長竜」…実は恐竜ではないってこと、ご存じでしたか?
お恥ずかしながら私は、〇〇竜とか〇〇サウルスという名前のものは全部恐竜なんだと思っていました…

首長竜は、恐竜とは異なる系統の爬虫類の仲間。

恐竜も爬虫類の一種ではあるのですが、爬虫類の中の「恐竜類」というグループに属するそうです。

そんな豆知識も頭の片隅に入れておきながら、ぜひエントランスでホベツアラキリュウをじっくりと観察してみてはいかがでしょうか。

そして博物館には、中央付近にも子どもが目を輝かせる展示があるんです。


「モササウルス」等身大の生体復元模型が迫力満点!

今にも動き出しそうなリアルさがたまらない「モササウルス」

エントランスを抜け、博物館の中を進んでいくと…ちょうど中央あたりに登場するのがこのリアルな「モササウルス」!

首長竜と同様に、恐竜ではなく爬虫類の仲間です。

4歳の息子は「モササウルス推し」で、海から飛び出して陸にいる恐竜に食らいつく姿がかっこいいとのこと。

モササウルス類には約70種類が属していることがこれまでに分かっていますが、多くは体の一部の化石のみ発見されているのだそうです。

ここ穂別でもモササウルスの新種が発見されており、2015年にフォスフォロサウルス・ポンペテレガンス(Phosphorosaurus ponpetelegans)という名称で正式に発表されました。

穂別で発見されたモササウルスの新種「フォスフォロサウルス」

当時発見されたフォスフォロサウルスの頭骨は全体の約8割がしっかりと保存されていたため、生きていたときとほぼ同じ状態に復元することができたのだそうです。

穂別は本当に「新種」も多ければ、状態がいい化石が多いんですね!まさに「恐竜の町」!

この頭骨の復元から、モササウルス類では未確認だった両眼視(両目でみることで立体感や距離感がある見方ができること)の種類であったことが判明しました。

また、ほかのさまざまな研究から、中生代の海にすむ爬虫類としてはまだ確認されていない夜行性の種類であったことも推測されたようです。

骨だけなのにこんなに色々分かっちゃうなんて、すごい…!

憧れのモササウルスを前に夢中でスマホカメラのシャッターを切る4歳の息子

4歳の息子にとってこの日一番の発見は、モササウルス(ティロサウルス)の口の中(上顎側)に歯が生えているのを見つけたこと。

モササウルス類「ティロサウルス」の口の中。上顎にある謎の歯は一体…!?

この歯は一体何のために存在していたのか…!?
口を閉じたら舌に刺さって痛いのでは…!?
息子の中でも色々と想像が膨らみ、生きていた当時のリアルな姿を想像する貴重なきっかけになりました。


道中も楽しい!化石のオブジェや恐竜がお出迎え!

車で穂別博物館に向かうとき、「ホベツアラキリュウ」がもうここからお出迎え!

道東自動車道のむかわ穂別ICを降りて穂別博物館へと向かう途中の交差点には、大きな首長竜のモニュメントがあります。

このモニュメントのモデルは、北海道で初めて(日本国内では2番目に)全身骨格が復元された「ホベツアラキリュウ(愛称:ホッピー)」。

むかわ町の交通安全の旗にもカムイサウルス!

むかわ町内をドライブしていると、カムイサウルスのイラスト入りの交通安全旗を発見!
現地でしか見られない、こんな「隠れ恐竜」を探すのも楽しみのひとつですね。
なんだか本当に恐竜たちが森から飛び出してくるんじゃないか…!?とワクワクしてきます。

なんと、これだけじゃないんです。
今回取材に向かう途中で見つけたのは…こちら!

むかわ町営バスのバス停の看板。ここにもホッピーがいました。

バス停の看板にも首長竜!
むかわ町といえば“恐竜の町”というイメージどおり!むしろそれ以上!マチのいたるところに恐竜たちがたくさん!
穂別博物館に遊びに行く際には、ぜひ探してみてくださいね!(くれぐれも安全運転で…!)


来春新館がオープン!温浴カフェは一足先にまもなく

2026年春オープン予定の新館は現在建設作業中(2025年3月現在の様子)

来春(2026年春)には、道路を挟んですぐ向かい側の場所に穂別博物館の新館がオープン予定です。現在の施設もそのまま残しながら、新館では現在展示できていない化石なども展示していくそうです。

今ある博物館でも十分楽しめるのに、新館がオープンしたらもっと楽しめること間違いなし…!
さらに、博物館の新館の横にはカフェを併設した温浴施設が、一足先にこの春オープン予定とのこと!
穂別博物館エリアがさらに充実していくのが楽しみですね。

穂別博物館でしか会えない貴重な恐竜たちに会いに行こう!

大人も欲しくなる!恐竜グッズのおみやげもたくさん!

今回はむかわ町にある「穂別博物館」をご紹介しました。
貴重な恐竜に会える博物館、行ってみたくなりましたか?

大型連休や夏休み期間中は道内外からたくさんのお客様が訪れ、混雑することも多いそうです。
エントランスではこんなに可愛い恐竜グッズもたくさん販売されていますよ。

ちなみに息子は「推し一筋」にモササウルスのぬいぐるみをゲット!

アンモナイトが食べられている口の中には、ちゃーんと息子が見つけたあの上顎の歯もありました!

ぜひ恐竜好きなお子さまと一緒に足を運んでみてくださいね。

【むかわ町立穂別博物館】

〈観覧料〉一般300円/小学生〜高校生100円
〈開館時間〉9:30〜17:00(最終入館16:30)
〈休館日〉毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日、年末年始
〈アクセス〉道東自動車道 むかわ穂別ICから車で約20分

所在地:〒054-0211 むかわ町穂別80番地6
電話番号:0145-45-3141
公式HP

【連載】「こころ育む、動物ふれあいスポット」

***
文:MERI
1991年生まれ、1児の母。東京都出身、2016年より北海道に移住し現在は安平町在住。
牛と馬の産業動物獣医師として勤務したのち、ライター&カメラマンに転身。動物やペットに関する記事を多数執筆。大学時代には馬の飼養管理を担当しながらアニマルセラピーの研究を行う。動物に関する豊富な知識と経験を生かし、動物とのふれあいを積極的に取り入れる子育てを実践中。

編集:Sitakke編集部あい

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