【小田原市など】小田原市消防本部「マイナ救急」実証始まる 登録カードで受診歴など
保険証とひもづいたマイナンバーカードを活用して救急業務の迅速化を図る「マイナ救急」の実証事業が、10月1日から小田原市消防本部で始まった。搬送先のスムーズな選定などにつなげる狙いがあり、同本部は「119番通報時にはカードの携行に協力をお願いしたい」と呼び掛ける。実証期間は来年3月末まで。
「マイナ救急」は、救急業務の迅速化により傷病者の適切な処置につなげようと消防庁が主管する事業。10月1日から、全国720の消防本部で実証事業が始まった。小田原市消防本部では、管轄する小田原市、南足柄市、開成町、松田町、大井町、山北町、中井町の11隊が参加している。
救急現場では傷病者に関する情報を本人や家族から口頭で聞き取っているが、容体によって本人との会話が難しかったり、薬の服用歴を覚えていなかったりして正確な情報を得ることが難しいケースもある。
保険証がひもづけられたマイナンバーカードを専用端末で読み取ることで、氏名や生年月日をはじめ、病院の受診歴や薬の服用歴などが確認できるようになる。口頭で聞き取るよりも正確で素早い情報収集が可能で、搬送先の選定などにかかる時間の短縮が期待されている。
同本部は事業周知のため、ホームページや市の広報などを使ってマイナンバーカードを携行してもらうよう呼び掛けていく。救急車のバックドアには、「あなたの命を守るマイナ救急」と記載されたステッカーを貼ってPRする。
同本部は「119番通報時にはマイナンバーカードを所有しているか聞き取りを行うが、カードがなければ搬送できないわけではないので安心してほしい」と話している。