三次市で春の野鳥をウォッチング この時期ならではの行動やハヤブサの貴重な行動も!|地球派宣言
今回は三次市で、春の野鳥をウォッチング。
案内してもらったのは、日本鳥類保護連盟 広島県支部の漆谷支部長。
野鳥をこよなく愛し、自宅の庭で鳥の餌付けを行っています。
餌をまいて、まず訪れたのはキジ。
雄のキジは、これからむかえる繁殖期には、真っ赤に染まったハート型の顔になるそうです。
続いてやってきたのは、スズメです。
はじめは警戒して木の枝から降りませんでしたが、ほどなくして、食事をはじめました。
お次は、キジバト。雄と雌が同時にやってきました。
雄が雌にむけて頭を上下に振っているのは求愛行動。しかし、どうやら、雌はほとんど相手にしていない様子です。
こういった行動が見られるのが、春のこの時期なんです。
その様子を見ながら漆谷さんは、「春が来たなと、繁殖の季節をむかえたんだなと思いますね。
鳥の世界ではスーパーマーケットはないので、その時期ごとにあるものを食べないといけない。
そして、鳥の食べ物が豊富になるのが春からの暖かい時期。そうするとそれを食べて繁殖期をむかえる」と語ります。
あたりが薄っすらと暗くなる夕暮れ時。
この時期と、秋にしか行わない貴重な鳥の行動が見られるそうです。
漆谷さんは、地元の野鳥愛好家・上木さんに質問します。
「飛んでいる?」(漆谷さん)
「はい」(上木さん)
「どこを飛んでいる?あーあれだ、ハヤブサ、来た来た来た」(漆谷さん)
カメラがとらえたのは、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定されているハヤブサ。
夕暮れ時に活発になるある生き物を捕獲するために訪れたそうです。
上木さんが「コウモリをとっています、これからコウモリを食べます」と教えてくれました。
ハヤブサが狙っていたのは、夜行性のコウモリ。
のらりくらりと飛来しながら……変則的に飛ぶコウモリを見事一発でキャッチしました。
ハヤブサはここで、一日、10匹~20匹のコウモリを食べ、繁殖をむかえるそうです。
今回の貴重なシーンを見た漆谷さんは、「この県北でハヤブサの観察ができるところは、私はここしか知らない」と語ります。
上木さんも、「毎日来ていますが、今日見られて明日も見られるという確証はないので、ずっとこの環境が続いていつまでも見られるようになればいいなと思っています」と語りました。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2025年4月9日放送)