終戦記念日なのに…自民党総裁選のニュース一色に青木氏チクリ。青木「8月15日。終戦記念日の朝刊。全紙ですよ?首相退陣が一面トップ」
8月16日(金)、大竹まことがパーソナリティを務めるラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜~金曜13時~15時30分)が放送。毎日新聞の「岸田首相「自民党を清和会化させた」 中島岳志・東京工業大教授」という記事を紹介し、大竹と青木がコメントした。
改めて考えてみたい。岸田政権とは一体、何だったのか。
岸田文雄首相を端的に評すれば、首相になることだけが目的で、首相になってやりたいことのなかった政治家だろう。保守本流のリベラルな派閥、宏池会出身で30年ぶりの首相として期待されたが、中身は空っぽだった。
功績を探そうとしても、森喜朗政権以来約20年続いた「清和会の時代」を終わらせたことくらいしか浮かばない。これすら、結果としてそうなっただけだ。
かつての宏池会出身総理の政策を名前だけ模した令和版所得倍増も、デジタル田園都市国家構想も、明快な成果は出ていない。宏池会の解散も派閥解消といえば聞こえはいいが、その歴史の重要性を踏まえれば、あまりにも軽かった。逆に、やりたいことがないからこそ敵基地攻撃能力、反撃能力保有や防衛費の倍増、憲法改正など、清和会的な政策を簡単に取り入れた。専守防衛の国勢を事実上葬ったことは後世に禍根を残すだろう。結局、岸田さんは人脈的に清和会の時代を終わらせたかもしれないが、政策では自民党全体を清和会化させたとも言える」
岸田首相「自民党を清和会化させた」 中島岳志・東京工業大教授より
大竹「本当だったらあれだよね。生まれた時から格差があって給料が全然変わんない時代が続いたんだから、これを何とかするのをやってほしかったっていう感じもあるよね。だけど、結局この中島さんがいるみたいで清和会じゃなくてハト派なんだけど、清和会の安倍派の意向を引き継いできて、その上で、経済の格差のことを心配しないできちゃった感じがするよね。その代わりに防衛費とか、そっちのことをかなり重要視していて、それも引き継いでる感じがします」
青木「岸田政権について、ちょっと皮肉を込めて言うと、自民党という政党というか、ある意味で利害関係で結びついた選挙互助会みたいな強さが今回も発揮されたなというか。今日の朝刊読んでみてもそうだったし、昨日は8月15日。終戦記念日ですね。この8月15日を持って敗戦なのか、終戦なのか、どんな捉え方をするか、歴史的にどうなのかという議論もいろいろあるんですけれども、ただそれはともかくとして、8/15は、この国が79年間先の大戦を振り返る重要な日だったんだけれど、昨日の朝刊。全紙ですよ?首相退陣が一面トップですよね。今日も、これどうなのかなと思ったんですけど、たとえば毎日新聞なんかは「ポスト岸田」熱い夏。これが一面トップです。これはある意味で、先の対戦を振り返るというイベントすら完全に自民党の次は誰なのかという、ある種党内争いみたいなもの一色に塗り潰されて、これからしばらくの間、政治記者の本能なんだろうけれども、次の総裁は誰になるのかっていう、もちろんこれは重要なことなので、新聞記者は思うんですけれども、その騒ぎの中に戦争の記憶を語り継ぐことも塗り潰されちゃう。でも一方で、自民党にしてみれば支持率はどんどん下がっている今の総理総裁を変えてというようなところを考えると、多くの人がしめしめというふうに思っているような状況を、まんまと作り出している。自民党は皮肉を込めて言うとなかなかしぶとい政党だなという感じはします」
壇蜜「この10人の中から選ばなきゃいけないんですか?」
大竹「でも俺たちが選ぶことじゃないからな」
青木「そうなんです。大竹さんおっしゃるように、これは良いか悪いか別として大統領制、直接投票ではないので、自民党の中の力学で決まるわけですよね。なので、自民党の党員の投票で決まる。その中で見ていくと、自民党としては次の選挙1年何カ月以内に必ず総選挙もあるし、来年は参議院選挙もありますから、それに向けて選挙に有利な顔。一方で、党内力学みたいなものを睨みながら、誰を選ぶのか探していくと、今のところこの10人弱くらいになっていくのは間違いないと思いますけれどもね」
大竹「いろんな経済の問題とか社会の動きに対して、岸田さんは真摯に受け止めますと。そして、一生懸命検討しますという。その言葉ばっかり頭の中に残っちゃって、何をしてくれたのかが見えにくかったよね」
青木「中島さんのおっしゃるように空っぽだったっていうところがあるんでしょうけれども、残念ながら、この10人くらいの中から果たして誰になるのかという報道、あるいはその報道の元となる政争というか、権力争いについてが、あと1カ月くらい永田町では続くことになるでしょう」