横浜隼人高校 ベースボール5で日本一 手打ち野球原点の新競技
手打ち野球を原点とする新スポーツ「ベースボール5」の第2回日本選手権のユース部門本戦が1月に東京都で開かれ、横浜隼人高校=瀬谷区=のチーム「横浜隼人Aggressive(アグレッシブ)」が優勝した。同校は昨年の第1回大会も制覇しており、2連覇となった。
キューバの手打ち野球「クアトロ・エスキーナス」を原点とする同競技。1チーム5⼈制で1試合5イニングからなり、攻撃・守備ともに素手で行う。攻撃では、自らトスした軟素材ボールを打つなど野球とはさまざまな違いがある。
2023年から同競技に取り組んでいる同校。今大会には、男子と女子硬式野球部員の有志で構成された、1・2年生チームのアグレッシブと「BraveHeart(ブレイブハート)」、さらに3年生による「NEXUS65(ネクサス)」が参加した。
12月に埼玉県で開かれた予選ブロックは、東京や千葉などから10チームが出場。5チームごとのリーグ戦で行われ、各ブロックの上位4チームが決勝トーナメントへ駒を進めた。
先輩に勝ちたい
3セットのうち、2セット先取で勝敗が決する決勝トーナメント。アグレッシブは、初戦の日大二高・中京大中京5との試合を連勝。準決勝でネクサス65と対決した。
「お世話になった先輩とできる最後の試合。どうしても勝ちたかった」と話すのは、チームリーダーで2年生の星優大選手と蛭田真白選手。第1セットは5対2で勝利。第2セットは熟練した技術に翻弄され2対3と敗北した。第3セットでは両リーダーが守備で活躍を見せ、さらに佐尾隆成選手のタイムリーで2塁ランナーの平野将梧選手が一気にホームイン。1対0と僅差で勝利した。
自信を得たアグレッシブは、決勝戦で市立船橋5と対決。第1セットは4対5で落とすも、第2、第3セットは6対3、7対3で逆転勝利を飾った。
誰でも楽しめる
同校硬式野球部のコーチで、アグレッシブの監督を務めた中三川航太郎さんは「人気に比べて、野球の競技人口は全国的に減少している。新スポーツは誰でも手軽に触れられるため、人口増加に繋がるのでは」と期待する。
同競技はホームランがなく、打球を内野で必ずワンバウンドさせる必要があるため、力よりも技術が要求される場面が多い。そのため、ボールがあれば誰でも楽しむことができ、世界的に広がりを見せているという。
星選手と蛭田選手は、「手を使う感覚など部活動にも生かせる点が多い」、「普段接点のなかった人とも競技を楽しめる」など魅力を話し、後輩や身近な人たちと楽しんでいきたいと語った。