海辺の街でみんなの心にふれた「伝説の猫」記念像設置を計画中 英国
猫をたたえる記念像を
画像はイメージです
トラ猫Hendrixは、みんなから愛された特別な存在でした。名前はもちろん伝説のギタリストであるジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)に由来しています。
この猫は、英国の海辺の町ソルトバーンで2024年9月2日に12歳で亡くなりましたが、地域の人々はその愛らしい姿を忘れられず、記念像をたてることを計画しています。
飼い主のHannah Chiarellaさんはこう話しています。
「Hendrixはいつも外に出たがっていました。たまに2、3週間も家に戻らないことがあったほどです。でもあまり心配しませんでしたね。というのも、多くのファンが地域でこの猫を見守っていてくれたからです」
ソルトバーンにやってくる前に住んでいたタインサイドでは、ひとりで地下鉄やバスに乗ってどんどん出かけていきました。引っ越してからも浜辺をうろついて住民や観光客と交流し、すぐに有名な存在になったのです。
「すてきな記念像があれば、これからもみんなに喜びをもたらしてくれるでしょう」というHannahさんです。
海岸で多くの人々とふれあう毎日
画像はイメージです
Hendrixは野良だった父猫の血を受け継いでいるせいか、とても冒険好きでした。ある日行方不明になったときに近所を探し回っていたHannahさんたちは、この猫がこれまでにあちこちの家々を訪ね、有名だったことを初めて知りました。
人々はこの猫の居場所を知らせる写真を送ってくれます。感謝のしるしとして猫の最新情報を伝えるために、 HannahさんはFacebookに専用ページを開設したのでした。
ソルトバーンでこの猫が好んだのは、人々の集まる海岸でした。みんなに注目されるのがうれしかったのでしょう。海岸にあるアミューズメント施設にも毎日やってきました。
オーナーのChelsie Oughtonさんは「ここを拠点にして、たくさんの観光客に出会うのを楽しみにしていたみたいです。美しく魅力的で、人々はすぐに気づいてかわいがっていましたね。本当に特別な伝説の猫だといえるでしょう」と話しています。
しかも、ただかわいいだけではありません。
「ビーチにぽつんと座って落ち込んでいる人を見かけると、すぐに近づいていって、なぐさめるようにずっとそばにいました。人々を精神的に助けてもいたのです」と彼女はいいます。
ヨガ教室に乱入
画像はイメージです
2020年8月のある夜、みんながコロナ禍によるロックダウンから徐々に通常の生活に戻りつつあったころ、Hendrixは屋外で行われたヨガ教室にふらりと現れ、参加者を大笑いさせました。
「先生は笑い過ぎて震えてしまい、ヨガの姿勢が保てないほどでした。だってHendrixがマットの上で一緒に動き始め、脚や腕、お腹の下でモゾモゾするのですから。あの夜のことは決して忘れません。長くつらいロックダウンのあとで、みんなが求めていた単純な笑いをこの猫が提供してくれたのです」と話すのは Helen Raineさんです。
家族に囲まれて9月2日に亡くなったHendrixを讃えるため、記念像をつくる準備が進んでいます。4000ポンド(約79万円)の目標額のうち、すでに2600ポンド(約51万円)以上がネット上で集められました。像の設置場所も決まっています。
「たくさんの喜びをもたらしてくれた猫です。この街を象徴する記念像になるでしょう」とHelenさんはいいます。
市当局も協力的で、「地域にとってすばらしい取り組みです。(できあがるのを)楽しみにしています」と広報担当者が話しています。
亡くなったいまでもHendrixのことを尋ねる観光客がいるといいます。記念像が完成したら、この猫の魂はその場所から人々をあたたかく見守ってくれることでしょう。
出典:What was so special about Hendrix the coastal cat?