青物から根魚まで!伊勢湾で楽しむ「タテ釣り」の基本と実践法
どうも、HAZEKINGです。
突然ですが、釣り人なら誰しも一度は「大物を釣ってみたい」と夢見たことがあるのではないのでしょうか。実は私もそのうちの1人で、これまでに海上釣堀や管理釣り場などでブリやタイ、サーモンなどを釣り上げてきました。
そんななか、2025年の伊勢湾では青物が絶好調。SNSを眺めていると、クーラーボックス満タンの青物を写した投稿が次々と流れてきて、釣り欲は高まるばかり…。これは行くしかないでしょう(笑)。そこで今回、伊勢湾で大物をねらえる「タテ釣り」に出掛けてきました。
青物はもちろん、タイやヒラメ、ハタなど釣れる魚種は豊富。どれも高級魚ばかりなので、何が釣れても思わず笑みがこぼれてしまいます。大物釣りと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、タテ釣りは比較的釣果につながりやすいのが魅力ですよ。
伊勢湾では「タテ釣り」と呼ぶ
「タテ釣り」は地方や釣り人によってさまざまな呼び方があります。代表的な別名を挙げると「落とし込み釣り」「食わせサビキ」「泳がせサビキ」「アンダーベイト」などがあります。そんななか伊勢湾では「タテ釣り」と呼ぶのが主流で、イワシやアジなどのベイトを掛けて、そのまま大物をねらう釣り方を指しています。
そしてこの釣り最大の強みはマッチザベイト。その地域に生息する大型魚が捕食している小魚をエサとすることで、より自然にエサへの捕食を促すことができます。ベイトが付くと高確率でアタリがあるので、竿先がプルプルと震え、直後に大物が襲いかかる瞬間はスリル満点ですよ。
伊勢湾ではベイトのイワシが回遊する6月から10月がベストシーズンです。
タテ釣りのタックル
それでは、伊勢湾で使用するタテ釣りのタックルをご紹介しましょう。ポイントによって最適なハリの号数やオモリは違うので、遊漁船の予約時にあらかじめ確認することをおすすめします。
大きく分けると2種類の仕掛
タテ釣りの場合、専用のサビキ仕掛を使用します。アジなどのサビキ仕掛と比較するとハリスが太く、青物などの強烈な引きに対応できる仕様となっています。そして、大きく分けると2種類の仕掛に分類されます。
1種類目はハリのみの仕掛で、あらゆる角度からの光を反射し魚にアピールするものです。個人的な使用感ではありますが、イワシが掛かりやすく、大型魚のフッキング成功率が高いように思われます。
ちなみに魚の活性が低い場合は、アピール力を増すために「後付けのサビキバリ」を使用することもあります。
2種類目はサバ皮やホロシールなどがハリに付いた仕掛で、擬似餌の色と滑らかな動きが、ベイトフィッシュの食性を刺激しアピールしてくれます。
こちらも個人的な使用感ではありますが、アジが掛かりやすく、ボトム付近の反応が渋い際に状況を打開するのに使っています。
また、伊勢湾のベイトサイズは10~15cm程度なので、ハリの号数は7号程度がおすすめです。ただ、クエやマハタなど底物をねらう場合は根に潜られないようファーストランを強引に寄せる必要があります。そのため、ハリスは最低でも10号以上のものが必要になります。
釣行に持っていく仕掛は、ベイトの状況によって使い分けると釣果につながりやすいため、最低でも2種類の仕掛と、さらにハリのサイズ違いで3種類を用意しておくと安心です。また、釣り上げた際に仕掛が絡まることも多いので、各種予備を5個ずつ準備しておくと心強いでしょう。
ただし、仕掛は高価なので多くを用意するにはお財布に負担が…。不足した場合は現地購入できるケースもある(遊漁船上で買える)ので、遊漁船に事前確認のうえ、少なめに準備しておくのも手です。
感度とパワーが求められる竿
この釣りでは、ベイトの動きをキャッチする柔らかく高感度な竿先と、大物を引き上げるパワーが必要になります。正直、矛盾した性能であり、特異性が高いので専用竿が一番おすすめです。もし代用する場合は、ライトゲームロッドもしくはジギングロッドが流用できます。
竿調子としては7:3が一般的で、大型魚に違和感を与えにくいです。オモリの負荷は水深20~100mに対応できるよう、30~100号あたりが標準サイズとなります。
リールはカウンター付きがおすすめ
タテ釣りで最も大切なことはベイトを掛けること。そのためにも、群れが泳ぐ水深に仕掛を調整する「レンジ調整」は必須テクニックとなります。電動リール、手巻きリールどちらでも使用できますが、水深を表示するカウンターが付いているものを選びましょう。
ただ、状況によって潮の流れやボトムの形状で数値に誤差が出る場合があります。そこで、道糸は水深マーカー付きのPEライン3号200mを使用しましょう。正確に水深を把握でき、大物とのファイトでも安心してやり取りできます。慣れた中級者の方はラインの号数を細くすることで、感度を高めることもできますよ。
また、ボトムをねらう場合は、根に潜られないようドラグを最大値に設定し、中層まで浮かせたあとに調整すると、キャッチの確率が上がるのでおすすめです。
タテ釣りの釣り方ステップ
それでは実際にベイトを誘って大物を釣り上げる一連の流れをご紹介します。
(1)ベイトを付ける
船長からベイトが回遊している水深の指定があるので、リールのカウンターとラインのマーカーを確認しながらレンジ調整します。そのあと、仕掛をゆっくりとフォールさせながら誘いを入れます。電動リールの場合、速度の目安は3。親指でスプールを押さえてサミングしながら落としていくようにしましょう。
もし、群れが回遊するレンジを通過した場合は、もう一度巻き直してから再度フォールで誘います。ここでベイトがハリに掛かれば竿先がプルプルと震えるので、フォールを止めて様子を見ます。すると、何尾かまとめて掛かってくるはずです。竿にベイトの重みを感じれば準備OKです。
タテ釣りの場合、ベイトが掛かったら実際はベイトを船上に引き上げることはありませんが、このように連で掛かった方が、メインターゲットである大物を誘いやすくなります(2)レンジを調整して大物をねらう
ベイトが掛かったら、外れないようゆっくりとサミングしながらレンジを調整します。底物をねらう場合はボトムまで落としたあと、根掛しないよう1mほど巻き上げてアタリを待ちます。
もしフォール中にベイトが暴れるなら、大型魚に追われている合図。すぐに止めて様子を見ると、ブリやカツオなど青物が食ってくることがあります。常に竿先の動きに注意して釣りを楽しんでください。
(3)アタリがあったら焦らずに飲み込んでからフッキング
レンジをキープしていると、前アタリとして竿先が小刻みに振動します。これはベイトが大物から逃げている証拠。直後に捕食されて竿先が絞り込まれます。ただし、使用しているハリの号数は大物の口と比較すると小さく、かんたんに抜けるので速掛は厳禁。エサが胃袋に到達するまでしっかり飲み込ませてからフッキングしてください。
ボトム付近でヒットした場合は根に潜られる可能性があるので、フルドラグで素早く手巻きで引き上げます。中層まで浮かせたら、ハリが外れないよう少しドラグを緩めてファイトを開始します。何が釣れるか直前まで分からないので、期待に胸を膨らませながら大物をキャッチしてください。
伊勢湾的矢沖での秋の釣行
魚勘丸
先日の釣行では「魚勘丸」さんにお世話になり、9月上旬に伊勢湾の的矢沖でタテ釣りを楽しんできました。しかし当日は、前日の台風の影響で沖合のベイトとなるイワシが散ってしまった様子。掛かりが悪い状況だったので、湾内でアジを20尾ほどキープしてから沖合に向かいました。
ポイントの水深は51m。オモリは50号を使用して、ボトム付近を回遊するベイトのアジを掛けて大物のアタリを待ちます。すると、着底直後に竿先が大きく曲がってヒット。いきなり良型のカサゴをキャッチすることができました。
しかしそのあとは、思うような反応を得られなかったので浅場に移動。キープしておいたアジを泳がせると、フォール中に青物がアタックしてきました。はやる気持ちを抑えて、完全に飲み込んだタイミングでフッキングするとヒット。40cmのツバスをキャッチすることができました。
それからはクーラーボックスが満タンになるまで入れ食いが続いたため、最後にもう一度沖に出ました。
竿先を何度か振ってベイトを掛けると、鈍く曲がる竿先に重みを感じました。あまり生命感はなかったのですが確実に何か付いている様子。ゆっくりと持ち上げて聞きアワセをしてみると、途端に激しく曲がる竿。大物が掛かっていると確信したので一気に海底から巻き上げます! 最後に特大のマトウダイをキャッチし、気持ちよく納竿となりました。
今回は、大物をねらうことができる「タテ釣り」についてお届けしましたが、いかがだったでしょうか?
タテ釣りであれば、普段堤防では釣れないような青物や根魚などをターゲットに、豪快なファイトを楽しむことができます。ただし、仕掛選びからベイトの誘い方、フッキングのテクニックは釣り人の腕次第。さらにレンジ調整や釣具の種類など大物を釣り上げるために工夫するポイントは多く、奥深い釣りといえるでしょう。もちろん釣れる魚はどれもフィッシュイーターなので、大きな高級魚ばかり。とてもロマンあふれる釣りですよ。機会があればタテ釣りで大物をねらってみてはいかがでしょうか。
今回の釣行の模様はYouTubeにもアップしているので、ぜひチェックしてみてください。
【タテ釣り】クーラー満タン確約!?人気漁船魚勘丸で爆釣を満喫してみた
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レポーター
プロフィール:HAZEKING
東海エリアを中心に活動する釣りユーチューバー HAZEKINGです。エリアトラウト、ハゼ釣り、海釣り、ロックフィッシュなど釣りジャンルは全部! 今も自身の新ジャンルを開拓しています。初めて魚を釣ったときの感動をみなさんと共有するためSNSをスタートし、HEATでは1人でも多くの方に釣りの魅力を伝え、「よし、明日釣りに行こう!」と思ってもらえるような記事を執筆したいと思います。
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