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冬の間の楽しみ!写真を見返して植栽プラン&お料理

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我が家の庭、グリーンシーズンの様子。ウッドデッキをリフォームし移動した植物もあったけれど、昨年はリフォームから1年経ち、どの花やハーブも元気よく、大きく茂ってくれた

「冬の間にどんな風に過ごしているんですか?」と聞かれることが多いので、今回は、冬場の日常をいくつか綴ってみたいと思います。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

2024年、明けましておめでとうございます。皆さん、よいお正月を過ごされたでしょうか?
記録的にあたたかい年末年始、庭の植物がしっかり冬眠できているか気になりますね。室内に取り入れたハーブ類の鉢植えはなかなか冬眠モードにならず、水を与えないと見た目がしんなりとしてしまっています。
今回は、「冬の間にどんな風に過ごしているんですか?」と聞かれることが多いので、冬場の日常をいくつか綴ってみますね。

 

北海道の冬は銀世界。色のない真っ白な風景が広がって、それはそれできれいなのですが、春からの庭の計画や監修先のガーデンのことなどをグリーンシーズンの写真を見返しながら考えたりしています。次のシーズンの計画にとても役立つので大切ですね。

我が家の庭、グリーンシーズンの様子。ウッドデッキをリフォームし移動した植物もあったけれど、昨年はリフォームから1年経ち、どの花やハーブも元気よく、大きく茂ってくれた
こちらは、数年前にフランスを訪ねたときの写真。色づかい、花やグリーンの組み合わせなど植栽の参考にもなるので、アルバムを出してきてたくさんの写真を眺めている

写真を眺めていると…、暑かった夏の空気感や、鳥が庭で鳴いたりしていた、風が心地よかった、こんな話をしたなど、撮影時のことや五感が蘇ってくるから不思議です。

 

昨年よく咲いたバラの一つ‛レディ エマ ハミルトン’は、フルーティな香りが気に入っています。思い切って剪定したのがよかったのか、花付きもよく花色もきれいで、よい香りを漂わせてくれました。
バラは見た目も美しく、豊かな香りを放つ品種が多数ありますが、ほかの植物より手がかかる分、開花シーズンの嬉しさもひとしおですね。

バラ‛レディ エマ ハミルトン’は花色・花の姿、香りもよいデビッド・オースチン・ロージズの品種

春から初夏に向かう頃に咲く、藤色のポピーも大好きです。ポピーは赤やオレンジ、黄色、白など花色が鮮やかなものが多く、花シーズンの到来にはぴったりなのですが、私は淡い藤色のポピーがお気に入り。花期が短めですが、今年も植えてみたいと思っています。

淡い藤色のポピー。この花色が魅力的

また、写真を見返す以外に、シーズン中に仕込んだハーブやスパイスを使った調味料、シロップなどを使って料理をする時間を楽しんでいます。

 

シロップは、加熱し煮詰めてつくるタイプと、加熱せずに瓶の中で(密閉しないで)発酵させてつくるタイプがありますが、我が家ではどちらも仕込むことが多いです。

発酵タイプのシロップは、ほどよい発酵具合になったら冷凍保存しているので、冬の間にも味わっています。シロップをカルピスのようにドリンクの素として利用するほか、料理の甘味として使うのもおすすめ。肉じゃがや焼豚など、お肉類のレシピにちょい足しすると風味のアレンジが簡単にできますよ。

加熱しない発酵タイプ。黒糖とレモン、スパイス類を瓶に入れて時々混ぜながら 数日常温で発酵させ、好みの風味に仕上がった頃に、冷蔵保存(早めに使い切り)や 冷凍保存する

煮詰めるタイプのシロップでは、スパイスやハーブ、柑橘(かんきつ)類、生姜(しょうが)と黒糖で仕込むシロップが、それぞれの量に変化をつけると、クラフトコーラのような風味をお好みでいろいろ楽しめたり、チャイにも使えるシロップになるなど、楽しみが広がります。煮詰めてできたシロップは、瓶で保存できます。

 

また、生地に甘酒とシロップを加え、レーズンをトッピングしたソフトな口触りのクッキーづくりも。冬は除雪や寒さで予想よりカロリーの消費が多くなります。カロリー補給をしながら、スパイスやハーブが体をあたためて消化も促し、甘酒の持つ整腸作用の恩恵にあやかっています。

甘酒を使ったおやつ。クッキーにはバターの代わりに米油やごま油を使っている

冬の北海道ではどこのお宅もストーブをつけると思いますが、甘味にシロップを使った煮豚(チャーシュー)は、ストーブ料理の一つにおすすめです! ストーブの上にお鍋をのせて、調理も同時進行。お肉がとてもやわらかく仕上がり、スパイス類の香りが食欲をそそります。メインのおかずとして食べた翌日は、サラダにトッピング。

 

お正月はおせち料理を用意しませんでしたが、ガーデンシーズン中に仕込んだシロップやドライハーブ、ビネガーなどがいろいろあったので、あれこれと料理を楽しみました。

やわらかなチャーシューをサラダに添えて

皆さんのお宅では、年末年始はさまざまな食材の購入が増えたことでしょう。少しずつ食材が余りがちになるので、そんなときは、オイルにニンニク、塩こしょうをパラパラと振ってアヒージョにすると、おいしい一品の完成です。

小さなパックで購入して使い切れていないローズマリーやイタリアンパセリ、セージやタイムなどのハーブも一緒に入れてみるとよいですよ。使用するオイルは、オリーブオイル以外にもグレープシードオイルや米油もさっぱりとしているのでおすすめ。ニンニクやハーブは免疫力をサポートしてくれる図表「デザイナーズピラミッド」の上位にランクインしている食材です。

余った食材を活用してアヒージョに

また、空気が乾燥しがちで体温も低めになる冬場は、内臓をあたためてくれるスパイス類を多用して、免疫力をキープしたいところですね。

 

ゆり根の産地がある北海道。ゆり根は心を落ち着かせる、精神疲労からくるイライラ、不安感、不眠などを改善する作用があるといわれていて、肺や肌に潤いを与え、咳止め、吹き出ものや口内炎にもよさそうです。

さっと茹でてから、ハスカップでつくったシロップとお酢で甘酢漬けにすると、ほんのり縁に色がついて可愛らしい「ゆり根の甘酢漬け」になります。

ゆり根の甘酢漬け

「ハーブ料理をつくる」というよりは、「ハーブをちょい足ししてみる」。そんな気楽な感覚で、今年はハーブを使った普段の食生活を楽しめるとよいですね。

ちょい足しするフレッシュハーブを春からいくつか育ててみるのも楽しいものです。楽しめそうなフレッシュハーブは、改めて紹介していきますね。

5月中旬頃から一気に新芽を吹くハーブたち。普段の食生活に香りと彩りを添えてくれる

最後に余談ですが、冬になるとなぜかイチゴが恋しくなります。本州ではハウス内でいち早く「イチゴ狩り」を楽しんでいるようで、私たちもよくニュースで目にするからでしょうかね。店頭で、手のひらにのる平べったい「あまおう」を見つけて購入しました。面白い形のイチゴですね。イチゴはビタミン補給にもピッタリですよ。

ユニークな形の「あまおう」。サイズも大きい

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