若年層の献血者数が減っている原因は?
7月26日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーで、日本赤十字社血液事業本部・越田圭一郎氏を招き、献血について話を伺った。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「いま、輸血医療が深刻な状況だといわれています。中でも、若年層(10代から30代)の献血者の数が減少傾向にある一方ですね。少子高齢化が進む中で、将来の献血供給はどうなってしまうのかというようなことで、越田さんにいろんなお話を伺っていきたいと思います」
長野智子「実際問題、献血量っていうのは減っているんでしょうか?」
越田圭一郎「前提として、献血量が減っているというわけではなくて、日本赤十字社では医療機関で必要としている血液製剤の需要に対して、過不足なく血液を確保するために献血にご協力いただける方を募集しております。このため、どうしても医療機関からの需要が変動すれば確保すべき血液の量も変動しますので、一概に献血にご協力いただいた方の人数を過去年度と比較して増減の良し悪しを判断しているわけではございません」
長野「なるほど。全体的に減ってるとかそういう問題ではないということですね?」
越田「そうですね。これまで医療機関が必要としている血液製剤は不足することなく、お届けすることができております」
長野「それが大事なんですね」
鈴木「つまり血液っていうのは、今年はもういっぱい集まったから、これ保存しておこうみたいな、そうなかなか簡単にはいかないって話なんですね?」
越田「はい。いただいた献血血液は有効期限っていうのがどうしてもあるので、一時的に多数のご協力をいただいたとしても、長期的な保管っていうのが難しいものですから、定期的・継続的なご協力が必要となっております」
鈴木「供給バランスが難しいんですね」
越田「日本全国でいま1日平均1万4000人のご協力が必要となっておりまして。輸血用血液の使用目的としては、イメージとしては大きな事故ですとか、そういったときに用いられることかと思うんですけれども、実はガンの治療っていうのが使用目的としては一番多く占めておりまして、9割近くは病気の治療という形で医療機関の方に供給させていただいております」
鈴木「そうなんですね、(使用目的として一番多いのは)ガンの治療なんですね」
長野「先ほど全体的には減る・減らないというよりは、きちんと病院にも(血液を)送れているというなんですけれども、若い方が献血しなくなってきたっていうことも聞くんですけども、それはそうなんですか?」
越田「そうですね。新型コロナウイルスの感染症拡大も伴って、どうしても企業献血であったり学校の献血の受け入れが減少してしまったこともありますので、若い方達が献血に触れるきっかけを失ってしまった事情がございます。5類感染症に移行しても、受け入れの再開をご判断いただけないケースがまだまだ多くて、学生さんや社員さんたちが献血に目を向ける機会、献血を身近に感じていただけるきっかけが減少している原因だと、こちらとしては捉えております」
鈴木「やっぱりコロナ禍で激減っていう感じだったわけですか?」
越田「そうですね。こちらからお願いをさせていただいているという立場ではございますので、感染症が流行してしまうときには、ご協力を断念せざるを得ないという状況がございました」