鎌倉エシカルラボ 「御難おむすび」限定販売 安国論寺由縁の味
フェアトレード(立場の弱い生産者の労働環境等に配慮された商品取引)を推進する組織「鎌倉エシカルラボ」が、安国論寺(大町、平井智親住職)とミツハシライス(本社/横浜市)と協業し、同寺に伝わる「御難(ごなん)おむすび」を復刻させた。5月のフェアトレード月間に合わせ、1カ月間の期間限定で同寺などで販売される。
同団体は、2年前の2023年5月に設立し、フェアトレードの普及・啓発を図る活動を行ってきた。昨年8月には、地元メーカーらがコラボし、途上国支援と鎌倉のPRを兼ねた商品「鎌倉焙煎珈琲フェアトレードかまくらブレンド」を発売。今回は、それに続く第2弾で、地域の歴史や文化を次世代に継承するとともに、フェアトレードを通じて持続可能な社会の実現を目指す。
ニカラグア産白ごま使用
「御難おむすび」は、日蓮聖人が松葉ヶ谷の草庵(現在の安国論寺)で焼き討ちされ、難を逃れた際、助けられた白猿に振る舞われた食べ物が起源になったとされる。
販売に向け、具材に青しそ、紅生姜、歯ごたえのある梅、白ごまを使用し、現代風にアレンジ。白ごまはフェアトレード認証を受けたニカラグア産で、生産者の生活水準の向上に貢献する。米は、ミツハシライスが厳選した国産米を使用し、パッケージは、鎌倉市在住のデザイナー・澤渡俊仁さんと絵本作家の増山理人さんが手がけた。
4月15日には、平井住職と澤渡さん、増山さんが駐日ニカラグア共和国大使館を訪問し、サンディ・アナベル・ダビラ・サンドバル駐日特命全権大使と会談。おむすびを試食した大使は、「おいしい」と笑顔に。その後、生産量の減少などニカラグアの厳しい現状などの話があり、そのような状況下で、御難おむすびが「大きな希望になる」と述べた。
平井住職は「安国論寺由縁の郷土めしです。多くの方に味わっていただきたい」と話した。