【河原町】幕末ロマンを味わう!ひさご寿し『維新巻』
こんにちは。
ライターの森山あゆみです。
「目で楽しむ逸品~京都×焼き印グルメ探訪~」第7回目はひさご寿しの『維新巻』をご紹介します。
京の繁華街で暖簾を掲げる「ひさご寿し」
京都の繁華街・四条河原町で、昭和25年(1950年)から暖簾を掲げる「ひさご寿し」。にぎやかな四条河原町交差点から北へ徒歩約5分のところにあります。
河原町通の歩道に面した店頭のガラス窓からは、板場でお寿司を握る職人さんの様子が。
その隣にある扉をくぐれば、京町家ならではの奥行きある空間が広がります。店内はお琴のBGMが流れ、表の喧騒が嘘のような落ち着いた雰囲気。1階・2階にはテーブル席があり、ゆったりとお寿司を堪能することができます。
ひさご寿しの看板商品といえば『名代ちらし寿司』。
一面に敷き詰められた錦糸玉子の上に、香ばしい焼きあなご、甘くふっくらと炊いた椎茸に海苔、そして艶やかな蒸し海老が、まるで宝石箱のように散りばめられています。色鮮やかな見た目に食欲がそそられます。
また、筆者が取材した12月には冬季限定のあたたかい『蒸し寿司』がメニューに並んでいました。寒空の下で冷える時期に、ほっこりと温かいお寿司をいただく粋な楽しみ方もおすすめですよ。
幕末ロマンと京都の趣を焼き印に込めた『維新巻』
今回ご紹介するのはこちらの『維新巻』です。
表面いっぱいにドンと判された焼き印は、まさにインパクト抜群!
店名でもある瓢箪(ひさご)の中に、坂本龍馬のシルエット、五山送り火、そして五重塔があしらわれています。ぎゅっと京都らしさが詰められた、歴史と趣を感じさせる焼き印です。ちなみに、この印象的な焼き印をデザインしたのは、切り絵作家の土田祥子さん。
あまりに素敵なので、お客さんの中には、SNSにアップするために、あえてカットせずに撮影してから切り分けてもらう方もいるそうですよ。
そもそもこちらの『維新巻』、開発のきっかけはお客さんからの熱いリクエストでした。
「河原町のあたりは史跡も多いし、大河ドラマに負けへんよう、何か考えなはれ!」との言葉をきっかけに、河原町周辺の歴史にゆかりのある商品として『維新巻』が誕生したのだそうです。
それもそのはず、河原町周辺は幕末の史跡の宝庫!
新選組の活躍で有名な池田屋跡など、何気なく歩いていると見逃してしまいがちですが、このエリアにはなんと19もの史跡が点在しているんです。幕末志士たちが活躍した地を歩いているかと思うと、歴史ロマンに胸が踊りますよね。
ひさご寿司の店舗からほど近い場所にも、坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された近江屋があった場所として「坂本龍馬 中岡慎太郎遭難之地(近江屋跡)」の史跡が立っています。
錦糸玉子で実現した 口当たりの良さ。誰もが親しめる王道の味わい
海苔の代わりに使われている錦糸玉子は、実は名物の『名代ちらし寿司』と同じものを使用。海苔を使わないことで口当たりが驚くほど柔らかく、お子さんからご年配の方まで食べやすい巻き寿司に仕上がっています。
中には、椎茸、干瓢、焼穴子、海老、胡瓜、お新香といった彩り豊かな具材が。一口食べると、まず焼穴子の香ばしい香りがふんわり広がり、具材それぞれの味わいと、全体を包むほんのり甘い錦糸玉子が絶妙なハーモニーを織りなします。
王道の具材で構成されているからこその確かな満足感。老若男女問わずに愛される巻き寿司です。
また、毎年節分の時期には、焼き印が可愛らしい鬼の顔バージョンになった巻き寿司も販売されるので要チェックですよ。
幕末のロマンと京都らしさが共存したユニークな焼き印は、お土産にもぴったりです。
焼き印の龍馬を眺めながら、かつてこの河原町の通りを志士たちが駆け抜けた時代へと思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
■スポット情報
店舗名:京・河原町 ひさご寿し(本店)
住所:京都市中京区河原町通四条上ル塩屋町344
電話番号:075-221-5409
営業時間:毎週水曜日定休 9:30~19:00閉店(LO18:30)
交通:阪急「京都河原町」3A出口より徒歩5分