大橋駅前に複合商業施設『OHASHI HILL』ついに開業!コンセプトは「居場所感」。施設に込められた思いとは?
4月18日、大橋駅前の複合商業施設『OHASHI HILL』がついにその扉を開きました。開業前から大きな注目を集めていた同施設は、地域住民をはじめ、あらゆる人の「居場所」や「交流拠点」となることを目指します。6月中のグランドオープン(予定)に先立ち、6階屋上広場などが開業しました。4月18日には開業式典を開催。OHASHI HILL館長に聞いた施設の見どころ、そして同施設を手がける株式会社えんホールディングス代表取締役原田透氏の思いまで、たっぷりお届けします。
大人と子どもの笑顔があふれる開業式典で幕開け
4月18日、気持ちよく晴れた青空のもと、『OHASHI HILL』6階屋上広場で、多くの来場者と関係者に見守られて、開業式典が盛大に執り行われました。主催者の原田透氏による挨拶から始まり、来賓代表として福岡市・髙島市長の挨拶が代読された後、華々しいテープカットで会場はお祝いムードに。
続く「植栽セレモニー」では、世界で活躍する庭園デザイナーの石原和幸さんと来賓の方々がオリーブとマリーゴールドなどの植栽を行いました。石原さんは「屋上広場は365日花が咲くように設計しています。ぜひ季節を感じに来てください」と話しました。
「農活菜園イベント」では、おおはし保育園の園児たちがトマトやキュウリ、ピーマンなどの苗を菜園に植えました。「大きくな~れ、おいしくな~れ」と願いながら、楽しそうに水をあげる姿が印象的でした。
同日14:00から、1階「木かげ広場」と駐輪場、3~5階の駐車場、6階の屋上広場「スターパーク」とレンタルスペース「おおはしラボ」、1階から6階へと続く「ゆっくり階段」が、先行して供用をスタートしました。
『OHASHI HILL』概要
『OHASHI HILL』は、6階建てのビルの1~4階に物販とベーカリー&カフェ、調剤薬局、クリニック、エステ、フィットネス、5階にシェアオフィス、6階には「おおはしラボ」とカフェ、一時保育所、キッズスクールなどが入ります。(6月中にグランドオープン予定)
かつてこの地にあった「ゆめアール大橋」は、地域の文化活動の拠点や子どもたちの遊び場として多くの市民に親しまれていましたが、移転により惜しまれつつ閉館しました。その後、福岡市の跡地活用事業の公募において、株式会社えんホールディングスが優先交渉権者に選定。2023年夏から工事着工までの暫定活用として、誰でも利用できる緑豊かな広場「OHASHI はらっぱ」を開放し、今回の開業に至りました。
館長が語る施設のコンセプトと見どころ
『OHASHI HILL』館長の西川辰之介さんに、コンセプトや設計のポイントについて伺いました。
―施設のコンセプトについて教えてください。
「ウェルネス」「多様性」「環境」「文化芸術」の4つを軸に、「みんなの居場所感を生み出す施設」をコンセプトに掲げています。0歳から100歳を超える方、障がいのある方など、全ての人が親しめるよう、曲線を生かした柔らかく受け入れやすいデザインにしました。
各フロアに誰でも利用できる休憩スペースを設置。商業施設というより「立体的な公園」をイメージしています。
―公園というと、壁面緑化もその一部でしょうか。
立体駐車場部分は無機質になりがちですが、駅前に緑の丘を作るようなイメージで、建物全体に緑と合う再生木材やグレー系の鉄骨、レンガ調のものを採用しました。
壁面にはまだほとんど緑が見えませんが、これから数年かけて育っていくので、変化していく様子をお楽しみください。1階のシンボルツリーや屋上の自然も含めて、四季を感じられる空間になっています。
―設計する上で、他にこだわった点は?
設計前に、大橋エリアにお住まいの多様な方々と2回のワークショップを実施し、様々なご意見を伺いました。例えば、屋上広場のトラックを芝生にする、トイレの個室に着替え用の台を設置するなど、皆さんの声が設計に反映されています。
また、こだわった点として、大橋駅側と日赤通り側の両方に施設への入口を設け、どちらからも入店できるようにしました。駐車場に入る車と歩行者を完全に分離し、安全面にも配慮しています。
―災害対策や防災設備にも力を入れているのですね。
はい、福岡市と災害時における徒歩帰宅者支援の協定を結んでいて、災害時帰宅支援ステーションになっています。
大橋エリアは、天神や博多などの福岡市中心部から郊外へ帰宅する人たちの中間地点。災害時に支援できるように、施設内の防災備蓄倉庫には水・非常食・スマホの充電器を用意したり、屋根の上に蓄電池を置いたり、マンホールトイレなども備えています。
―開業を迎えて、これからの意気込みを聞かせてください。
『OHASHI HILL』は、ハードではなくソフト主体の施設というイメージを持っています。
ですから、開業がゴールではなくて、まさに今日がスタート。テナントの皆さまやご利用いただく方々と共に、大切に育てていければと思っています。
4/18に先行オープンしたスポット
先行オープンしたゾーンをめぐりながら、それぞれの使い方などをご紹介いただきました。
6階 屋上広場
「スターパーク」(開放時間10:00〜23:00)※今後、変更となる可能性がございます。
約1,200㎡の広々とした開放的な空間が広がっていて、誰でも利用可能です。
「さまざまな人が集い、寛ぎ、交流が生まれる場になるとうれしいです」と西川さん。
屋上広場には、1周約50mの円形トラック、インクルーシブな遊具、水遊び空間と共に、ベンチやテーブル、ベビーカー置き場などを設置。木々や花に囲まれて、駅前とは思えない癒しの空間が広がっています。
「地域住民の方々とのワークショップでの要望に応え、トラックは人工芝にしました。フリーWi-Fiと充電コンセントもあるので、コワーキングスペースとしてでも気軽にご利用ください」(西川さん)。
この日は、おおはし保育園の園児たちが、のびのびと楽しそうに遊んでいました。
「おおはしラボ」
文化芸術発信の場となる時間貸のレンタルスペース。
照明・音響・映像設備を備えた約64㎡のメインスペースと約12㎡のミニスペースがあり、コンサート、演劇、セミナー、サークルなど、多用途に利用できます。広場に面したメインスペースのガラス戸は全開放でき、広場との一体利用が可能です。
津島タカシ展「春眠夢譚」
「菜園」
トラックの横には菜園があります。
「西日本新聞が認知症予防や健康のために取り組む『脳活菜園』と連携して、活動を行っていく予定です。おおはし保育園の園児など、地域の子どもたちも一緒に野菜を育てていきたいと思っています」(西川さん)。
今後、6階には一時保育所、キッズスクール、カフェがオープン予定です。
1階「木かげ広場」
大橋駅東口ロータリーに面した広場。
シンボルツリーを囲むベンチと、デジタルサイネージが設置されています。「物販やワークショップ、マルシェ、PRイベント、サンプリング、地域活動など、幅広く利用できます。日陰で風が抜ける場所なので、地域の皆さんにはちょっとした休憩場所としてお使いいただければと思います。デジタルサイネージでは、地域の子どもたちや近隣の大学に通うアーティストを目指す方々の作品を発表するデジタル展覧会などに活用していきたいです」(西川さん)。
「シェアサイクルポート」
シェアサイクル・Charichariの自転車10台が設置されています。
1~6階「ゆっくり階段」
1階から6階までを結ぶ「ゆっくり階段」。
各階に休憩用のベンチと緑が配置されています。2階「デッキ広場」には1階のシンボルツリーの上部があり、そのまわりにベンチを設置しています。
駐車場
3~5階に87台(うちEV充電専用3台、身障者専用1台)の駐車場があり、施設に直接入れるようになっています。
「都心部へのマイカー乗り入れを減らすパーク・アンド・ライドを推進するため、当該日に西鉄電車の利用者は駐車料金の割引を実施します」(西川さん)。
※駐車場料金や駐車場割引サービスについてはこちら
https://ohashi-hill.com/#access
開業の日を迎えた原田社長に直撃インタビュー
最後に、えんホールディングス代表取締役の原田透氏に『OHASHI HILL』にかける思いを伺いました。
―本日のオープン、誠におめでとうございます。率直なお気持ちをお聞かせください。
この日を迎えられたのは、地域の皆さまのご理解と、福岡市役所の皆さまをはじめ、企画から設計施工、運営まで、このプロジェクトにご協力いただいた多くの方々のおかげと心から感謝しています。
かつてこの地には、「ゆめアール大橋」という地域の文化や交流の拠点として愛された施設がありました。『OHASHI HILL』は単なる複合商業施設ではなく、「ゆめアール大橋」の思いやストーリーを受け継いだ施設であると捉えています。
―『OHASHI HILL』は、御社の従来のマンション事業とは異なる新たな挑戦といえます。どのような思いがあるのでしょうか。
おっしゃる通り、当社はこれまで「エンクレスト」というマンションブランドを軸として、福岡の皆さまに快適な住居を提供するマンションデベロッパーとして歩んできました。今年、新たな経営ビジョンを策定し、この『OHASHI HILL』や『ホテルトラッド 博多』をはじめとし、今後は総合ディベロッパーとして福岡に幅広く貢献していきたいと考えています。
また、これまでお世話になってきた福岡という地域に恩返ししたいという思いもあります。『OHASHI HILL』は、近隣にお住まいの方へのヒアリングをもとにコンセプトや設計を決めました。収益性や持続性はもちろん大事ですが、収支ありきではなく、施設としての理想を追求しました。
―今後の展開についてお聞かせください。
『OHASHI HILL』には、私たちの思いがたくさん詰まっています。例えば、子育て中の方の役に立ちたくて一時保育所を作ったり、都心への車の乗り入れを減らすパーク・アンド・ライドを促進するために駐車場に割引制度を適用したり、災害時には施設を避難所として活用できるように備蓄品や設備をそろえたりしています。
『OHASHI HILL』のプロジェクトでは、地域の方々のさまざまなアイデアを施設に盛り込みました。今後も地域や教育機関と連携し、たくさんの方が活動し交流や、発表する場になればと思っています。そして何より、地域の皆さまに気軽にお越しいただき、「居心地のいい空間」として、「あって良かった」と思っていただける施設を目指します。大橋エリア、ひいては福岡市の発展にも寄与できれば幸いです。
いろいろな人の思いをのせて、4月18日、ついに始動した『OHASHI HILL』。駅前の一等地ながら緑があふれ、寛げるスポットも多く設けられていて、コンセプト通り「あらゆる人の居場所」になるのではと思います。6月のグランドオープンに向けて、ますます期待が高まります。「待ち合わせ場所としても気軽に利用してほしい」(原田社長)という『OHASHI HILL』に、ぜひ足を運んでみませんか。
『OHASHI HILL』施設概要
■名称:OHASHI HILL
■住所:福岡市南区大橋1丁目3番3号
■アクセス:西鉄天神大牟田線「大橋駅」東口すぐ
■屋上広場開放時間 10:00-23:00 ※今後、変更となる可能性がございます
駐車場24時間利用可
■開業日:4月18日=屋上・駐車場など先行開業、グランドオープン6月中(予定)
■構造・規模:鉄骨造6階建て
■公式サイト: https://ohashi-hill.com/information/
■公式インスタグラム:@ohashi_hill
■公式LINE: https://line.me/R/ti/p/@ohashi_hill?from=page&accountId=ohashi_hill
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