砺波にカムバック【ろくざんさ】新メニューは地産地消・身土不二の「クリア豚骨ラーメン」
2024年12月、富山県砺波市の駅前繁華街にリニューアルオープンした「ろくざんさ」。
「地産地消」「身土不二」をコンセプトに京都の料亭で培った技術で地場食材を料理する割烹料理店として2014年にオープン、その後お隣の南砺市で薬膳を取り入れた店にスタイルを変えましたが、この度、10年間愛された砺波に再びカムバックしました。
再出発に際して、店主が新たに挑んだジャンルは「ラーメン」。
ていねいで滋味深い和食とは真逆のイメージがあるラーメンですが、店主が試行錯誤しながら完成させたのは、クリア豚骨ラーメンです。
白濁していないクリアな豚骨ラーメンとは?
「ろくざんさ」が砺波にカムバック&リニューアル
店があるのは、砺波駅から徒歩1分。
「食堂633(ろくざんさ)」で親しまれてきた店舗と同じ場所です。
隠れ家的な雰囲気も漂う店内には、個性あふれる器がずらりと並ぶカウンター席、そして、掘りごたつタイプの小上がりがあります。
店主の水上喜貴さんは、京都の料亭で修行したのち、2014年に富山県砺波市で割烹料理店「食堂633」を開業。旬の食材を使った和食に加えて、気軽に楽しめるおばんざいが人気の店でした。
その後、自身の料理哲学を追求する中で「薬膳」にたどり着き、そのエッセンスを取り入れた日本料理をふるまう店を南砺市井波で営んでいましたが、2024年12月、再び砺波の地へカムバックしました。
「長く愛されてきた砺波でもう一度、という想いで戻ってきました。夫婦二人で支えあいながら、これまで以上に真心を込めた料理と接客を心掛けています」(水上さん)
旬の地元野菜が、ろくざんさアレンジでまったく違う味わいに
カウンター奥の黒板には、ろくざんさイチオシメニューが並びます。
書かれているのは、肉や魚をメインにしたメニューではなく、地元や全国から厳選して仕入れた野菜を使った品々。
「『身土不二(しんどふじ)』という言葉があるんですが、体と自然・環境は一体。自然のものによって体はつくられている。ですから、地元のものを、野菜を、とにかくおいしく食べていただけるように調理しています。」(水上さん)
砺波産の新玉ねぎは、本来の甘味を最大限に味わえるよう丸焼きにして提供。同じく砺波産のズッキーニは昆布〆にして、ミョウガの若芽の茎「ミョウガタケ」は肉味噌で……旬のおいしさを存分に味わうことができます。
水上さんこだわりの野菜メニューを一度にたくさんいただけるのが、事前の予約で食べることができる「野菜プレート」。肉か魚のメインディッシュに11種類の野菜と6種類のディップ、ごはん、味噌汁、デザート、ドリンクがセットになっています。
11種類の野菜には、ひげまで食べられる皮付きヤングコーンや、約3時間蒸したあとに焼き上げたニンジンなどが並びます。
「身土不二」をコンセプトに掲げる水上さんが引き出す野菜の旨みは、身体に染み渡るおいしさ。
普段は手に入れることができない厳選野菜や自宅では真似することができない丁寧な仕込みと調理。野菜の好きなら一度は味わってみたいメニューばかりです。
洋食オムライスを和風で!
炊き込みごはんを卵で包み、11種の野菜入りあんかけに
地元の厳選野菜は、ランチメニュー「和風オムライス」にもたっぷりと使われています。
オムライスのごはんは、味がしっかりついた炊き込みご飯。
それを卵で包み、上から銀あん(和風だしのあん)をかけているのですが、あんには11種類もの野菜が使われています。だしの風味が香るあんはとっても上品な味わいで、洋食オムライスとはまったく違う味わい。野菜は苦手という子供でも一緒に楽しめそうです。
豚骨なのに白濁してない!? クリア豚骨ラーメン
親しまれてきた砺波での再出発。
開業当時から親しまれてきたメニューも多い中、水上さんの新しく挑んだ新メニューが、ラーメン。
目の前に運ばれてきたラーメンのスープは、豚骨なのに白濁しておらず、確かにクリア。
県産の豚骨と砺波のブランド豚「たかはたポーク」、玉ねぎ等の香味野菜からとったスープは、豚骨特有のどろどろ感は全くありません。
上質な豚骨の旨みや、玉ねぎの甘味もしっかりと味わえるのに、思っている以上にさっぱりとして上品。
「砺波のご当地ラーメンを作りたかったんんです。スープをしっかりと味わってほしいので具は別乗せにしました」(水上さん)
砺波のブランド豚「たかはたポーク」を蒸し豚とチャーシュー、ネギなどの薬味のほか、だし巻き卵がついていて、味変のバリエーションも豊富。
ランチタイムには4種類のおばんざいもついてきて、栄養バランスもボリュームも◎です。
身体が喜ぶ「薬膳ランチ」を考案中
「私は薬膳の勉強をしていますし、妻は管理栄養士でもあるので、今後、薬膳ランチを提供できたらと思って…」(水上さん)
お客さんの要望に寄り添いながら、地元食材をたっぷり使ったおいしい薬膳ランチを考案中とのこと。どんな仕上がりなのか、楽しみですね。
【ろくざんさ】
住所 富山県砺波市表町5-28
営業時間 12:00〜 L.O. 14:00
18:00〜 L.O. 23:00
定休日 水曜、最終日曜