日清が「鍋焼 天下一品」を新発売したので、「天一」ファンが食べてみた / アツアツの「天一」が見せる新境地
2025年9月22日、日清食品チルドが「鍋焼 天下一品 こってり生ラーメン」を新発売した。名前の通り、アルミ鍋の中で熱せられた麺やスープをそのまま楽しめる「鍋焼タイプ」の商品であり、生麺が採用されていながら常温で50日間保存が利くという。
驚くべきは、同年9月1日に同じく日清食品チルドから発売された「コラボまぜそば」、9月8日に永谷園から発売された「コラボふりかけ」に続いて、ここ最近における「天一」のコラボがとうとう3回目を数えるという事実である。
一体これは何事なのか。筆者の感覚においては、今年は秋が訪れる足音よりも、「天一」がコラボ街道を激走する音を聞いた回数の方が多い。とはいえ、「天一」に魅入られて久しい我が身はこの事態を本能的に喜んでいる。
そういうわけで、筆者は「鍋焼 天下一品」を購入した。希望小売価格は1パック税別480円となっているが、6パック入りの1ケース単位でしか購入できない点には注意が必要だ。
アルミ鍋に施されたパッケージを開封すると、中からは麺と液体スープ、粉末スープに加え、ネギの入ったかやく袋とチャーシューが出てきた。
カップラーメンによく似た構成であり、調理方法もそれとさして変わらなかった。アルミ鍋で水400mlを沸騰させ、麺とチャーシュー、ネギとともに2分半煮込んだのち、最後に液体スープと粉末スープを入れて混ぜれば完成である。
そこからの展開は、流石にカップラーメンとは一線を画していた。麺を箸で持ち上げた瞬間、視界が若干ぼやけるほどに、もうもうと湯気が立ち込めたのである。
もはやその温まり具合は、カップラーメンどころか実店舗の「天一」とも異なっていた。店頭で出されるラーメンがここまで湯立っていたら、店内を見回して「火力強化店」の表示を探さずにいられまい。
そして無論、異なっているのは食べ心地もまた然りであった。鶏ガラや野菜の旨味がポタージュ状に溶け込んだ「天一」独特のスープと、コシを備えつつ滑らかな食感の生麺がアツアツの状態で絡み、冷めやらぬまま濃厚かつ焼けつくような喉越しをもたらす。
かつてないほど熱く、刺激的で、身体と心を沸かせる「天一」と表すほかない。麺をすすり、熱気を吐きながら舌鼓を打ち、飲み込んではすする。気付けばその抗いがたいループに陥り、「鍋焼 天下一品」に引き込まれていた。
食べ心地について一つ付け加えるなら、「鍋焼」のスープはオリジナルの「天一」よりも少々とろみに欠ける。しかし「鍋焼」に関しては、むしろそれくらいが丁度良いと思える。この高温具合にさらなる粘度が伴った場合、少なくとも筆者は舌鼓の前に悲鳴を上げるだろう。
とにもかくにも、完成度の高い本商品。食べていて元気が出るし、段々と迫る冬の季節にもふさわしい。あるいは例えば風邪で寝込んでいる時、見舞いに来た人にこれを振る舞われでもしたら、少なくとも筆者はその大恩に終生報いるだろう。
愛する「天一」のコラボ商品だからというだけではない。単純に「鍋焼ラーメン」としても魅力的だからである。「鍋焼 天下一品」が見せる新境地を、できるだけ多くの人が体感してくれることを願うばかりだ。
それにしても、一体このコラボ街道はどこまで続くのか。次のコラボ相手は誰になるのか。その時にはどんな商品が生まれるのか。文字通り一層の熱を帯びた「天一」の激走に、これから先も期待したい。
参考リンク:日清食品グループ ニュースリリース
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.