データで選ぶ9・10月月間MVP ヤクルト吉村貢司郎&村上宗隆、日本ハム伊藤大海&レイエスが選出
ヤクルト吉村貢司郎が月間最多5回POTG獲得
SPAIA編集部が独自に月間MVPを選ぶ新企画。SPAIAでは1試合で最も活躍し、勝利に貢献した選手を、WPA(※)をもとに「Player of the Game(POTG)」として選定している。今回はそのPOTG獲得回数が月間で最も多かった選手をMVPとして発表。印象的な活躍を見せた選手たちを紹介したい。
※WPA(Win Probability Added)
その選手がどれだけチームの勝利確率を増減させたかによって貢献度を表す指標。
勝利確率とは特定の試合状況(イニング、点差、アウトカウント、走者状況)においてチームが勝利する確率を、過去の試合データから算出したもの。試合開始時点では両チームともに50%の勝利確率が見込まれ、試合の進行とともにリードを奪っているチームの勝利確率が100%に近付いていく。
この勝利確率を利用し、1つ1つのプレーによる勝利確率の増減を選手ごとに合計することで、WPAは算出される。
まずはセ・リーグ。投手ではヤクルトの吉村貢司郎がPOTGを5回、野手では同じくヤクルトの村上宗隆が3回獲得し、最多だった。
・吉村貢司郎(ヤクルト)
吉村は対象期間中5試合に先発し、4勝0敗、4QS(6回以上自責点3以下)、防御率1.04と圧巻の成績で、全試合でPOTGを獲得。9月4日の巨人戦では自己最多125球の熱投でプロ初完投初完封を無四球で飾り、WPAも月間最高の+51.8%を稼いだ。
また、シーズン最終登板となった10月3日の広島戦では、8回122球4安打8奪三振1失点でWPAは+40.0%を記録。自身初の2桁となる10勝目こそ逃したものの、充実した形で2年目のシーズンを終えた。
・村上宗隆(ヤクルト)
村上は9・10月、27試合に出場し、10本塁打、21打点、OPS.972をマーク。9月13日の巨人戦、20日の中日戦、23日のDeNA戦でPOTGを獲得した。中でもWPAを最も稼いだのが、20日の中日戦。一時同点に追い付く29号2ラン含め3打数3安打2本塁打1四球と打棒が爆発し、+53.2%を記録した。
日本ハム・伊藤大海は4安打無四球完封勝利でWPA+77.4%記録
一方、パ・リーグの投手部門ではPOTGを4回獲得した日本ハム・伊藤大海がトップ。野手はソフトバンク・甲斐拓也、日本ハム・レイエス、ロッテ・ソト、楽天・小郷裕哉、オリックス・西川龍馬と若月健矢の6人が2回獲得で並んだが、最もWPAを稼いだレイエスを選出した。
・伊藤大海(日本ハム)
9・10月は5試合に先発して4勝1敗、5QS、計41イニングを投げて防御率1.32をマーク。9月10日の西武戦、18日のソフトバンク戦で2試合連続完封、26日の楽天戦含め3試合連続完投勝利を挙げ、WPAも3試合連続で+65%以上を記録した。
特に10日の西武戦は今季最多となる10三振を奪うなど、114球を投げて4安打無四球無失点。チームのサヨナラ勝利を呼び込む快投で、WPAも月間最高の+77.4%をマークした。
・レイエス(日本ハム)
9・10月は24試合に出場し、打率.311、9本塁打、20打点、OPS1.018をマーク。3日のソフトバンク戦、11日の西武戦、20日の楽天戦でPOTGを獲得した。中でも延長11回に19号ソロを放ち劇的なサヨナラ勝利を飾った11日の試合では、WPA+45.9%を記録。来日初のサヨナラ弾は、2試合連続のサヨナラ勝ちを決める値千金の一発となった。
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記事:SPAIA編集部