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「高校野球新時代」準決勝までの47試合中18試合が1点差 決勝も1点差ゲームなら2014年以来10年ぶり

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甲子園球場

約4割が1点差、接戦ラッシュの2024夏

8月7日(水)に開幕した『第106回全国高等学校野球選手権大会』も、23日(金)の決勝戦を残すのみとなった。関東第一(東東京)と京都国際(京都)、“新旧首都対決”としても注目を浴びる決勝は、どちらが勝っても甲子園初優勝となる。

今年も数々の熱闘が繰り広げられた夏の甲子園だが、昨年までとの大きな違いと言えば、今年から高校野球で導入された「新基準バット」による戦い方の変化だろう。

投手の故障防止などを目的に公式戦で使用する金属バットの基準が23年ぶりに見直され、今春のセンバツでは大会を通じて3本塁打(うち1本はランニング本塁打)という最少記録が誕生。この夏も準決勝までの47試合で本塁打は7本に留まっており、金属バット導入後の最少記録(11本/1974年)を下回る可能性が高まっている。

長打が出にくくなった分、1点を巡るスリリングな攻防が激増。準決勝までの47試合のうち1点差ゲームが18試合と全体の約40%を占め、準決勝は2試合とも1点差の大接戦だった。

これまで夏の甲子園といえば、日程や気候の面から投手にかかる負担が大きく、打者有利な展開になることも多かった。事実、近10年(※2020年は新型コロナウイルスの影響で大会中止)の決勝戦を振り返ってみても半数を超える6試合で5点差以上がつき、2ケタ得点を挙げたチームも3つある。

ちなみに、決勝戦の1点差ゲームとなると、2014年の大阪桐蔭-三重(4-3)までさかのぼる。ロースコアの接戦も少なく、両軍合わせた得点が3点以下だった試合も2012年の大阪桐蔭-光星学院(3-0)が最後だ。

もし「1-0」の決着なら、1992年の西日本短大付-拓大紅陵以来で22年ぶり。今年の関東第一と京都国際であれば、そんな究極の大接戦となってもなんら不思議はない。

強力投手陣の関東第一と左腕2本柱の京都国際

投手にとって酷なはずの真夏の戦いで接戦が急増した原因は「バット」だけではない。各チームの“投手陣”のレベルが一気に上昇しているのも見逃せないポイントだ。

かつては背番号1を背負う大エースが最後までマウンドを守り抜き、夏のヒーローになるという物語が恒例だったが、近年は「1週間500球以内」の球数制限が設けられたこともあって、高校野球でも継投やローテーションでのやりくりが珍しくなくなってきた。

決勝まで駒を進めた2チームを見ても、関東第一は背番号1を背負うエースの坂井遼が4試合すべてリリーフとして登板。先発は初戦が背番号10の畠中鉄心で、3回戦は背番号7の2年生・坂本慎太郎、準々決勝は再び畠中が先発し、準決勝は今大会初登板となる背番号11の大後武尊に託すという4投手の起用で勝ち上がってきた。

4試合・15回2/3を投げて無失点のエースが後ろに控えていることで、先発を任された投手も思い切って初回から飛ばしていくことができる。継投ありきの投手運用が、4試合で5失点という堅守の象徴となっているのだ。

一方の京都国際は3年生の中崎琉生と2年生の西村一毅、2人の左腕が初戦から交互に先発。準々決勝までの4試合は2人が交互に完投勝利を収め、準決勝は中崎から西村へという継投で流れを呼び込んで逆転勝利を掴み取った。

エースの中崎は今年4月の段階で侍ジャパンU-18代表候補に選出されていたように、世代でも屈指の高評価を得ていた注目左腕だったが、そこに2年生の西村がこの春から夏にかけて急成長。中崎を上回る23イニングを投げて失点0という活躍ぶりで決勝進出の立役者となった。

球数制限もイニング数の偏りも不安なしの状態で迎える、“ハイレベル投手陣”と“2本柱”による頂上決戦。10時開始の決勝戦はワンチャンスの奪い合いとなること必至、一瞬たりとも目が離せない。

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記事:SPAIA編集部

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