GWは将来を見つめ直す時間? キャリアを見直したいエンジニアにオススメの記事4選【Matz、牛尾 剛、小林 篤、一瀬由梨】
まとまった時間を取りやすいゴールデンウィーク。今一度、自分自身のキャリアについてじっくり考えてみるのもいいだろう。
今回は、エンジニアtypeに掲載された記事の中から、将来のキャリアを考える上でヒントや刺激を与えてくれるような、経験豊富なエンジニアたちのストーリーを四つ紹介!
キャリアの考え方や決断、そして仕事への向き合い方。エンジニアとしての人生設計の一助となるかもしれないエピソードをお届けする。
目次
まつもとゆきひろ「短期的な変化に振り回されるな」牛尾 剛「“三流でもいい”は甘えだった」小林 篤「エンジニアの実力は肩書きでは測れない」一瀬由梨「SEと雀士。どっちも諦めたくなかった」
まつもとゆきひろ「短期的な変化に振り回されるな」
「短期的な変化に振り回されるな」Ruby父まつもとゆきひろにみる“自己肯定感つよつよエンジニア”になる秘訣https://type.jp/et/feature/27748/
こんな人に読んでほしい
●技術トレンドの速さに疲れを感じているエンジニア
●自分のペースで、納得感のあるキャリアを築きたいエンジニア
●コミュニティー活動や他者との協力に関心があるエンジニア
プログラミング言語Rubyの生みの親、まつもとゆきひろさん。彼がRubyを開発した根底には「自分が気持ちよくプログラミングするため」というシンプルな動機があったという。
この記事では、まつもとさんの言葉を通じて、短期的な技術トレンドに振り回されず、自分自身をエンパワーメントしながらキャリアを歩むためのヒントが得られる。
流行に左右されず長期的な視点を持つことの重要性や、コミュニティーがもたらす力の大きさなど、自分らしい働き方を見つける上でのきっかけが見つかれば幸いだ。
まつもとさん:時としてプログラマーは、自分一人の力だけで世界に影響を与えることができる。ただ、一人の知識や発想力には限界があります。そのリミットを補ってくれるのが、コミュニティーの力です。
最初は個人的な楽しみで作ったわけですが、Rubyが成長する過程で、たくさんの人が関わってくれました。自分が作ったものが、誰かの役に立つ。それが分かることで、開発を続けるモチベーションになりました。
Rubyアソシエーション理事長
Ruby開発者
まつもと ゆきひろさん(@yukihiro_matz)
プログラミング言語Rubyの生みの親であり、一般財団法人Rubyアソシエーション理事長。株式会社ZOZOやLinkers株式会社、株式会社LIGなど複数社で技術顧問などを務めている。オープンソース、エンジニアのコミュニティ形成などを通じて、国内外のエンジニアの能力向上やモチベーションアップなどに貢献している。島根県松江市名誉市民
牛尾 剛「“三流でもいい”は甘えだった」
「三流でもいいは甘えだった」牛尾 剛が米マイクロソフトで痛感した、妥協を捨てる覚悟https://type.jp/et/feature/28100/
こんな人に読んでほしい
●自身のスキルや才能に限界を感じているエンジニア
●戦略的にキャリアやスキルを伸ばしたいと考えているエンジニア
●日々の学びの質を高め、より深く物事を理解したいエンジニア
かつて自身を「三流プログラマー」と称し、メソッドを用いて戦略で勝負する道を模索してきた米マイクロソフトの牛尾 剛さん。しかし彼は今、「三流でもいいという考えは、甘えだった」と語る。
牛尾さんが自身のキャリアを通じて痛感した「妥協を捨てる覚悟」と、変化の激しい時代を生き抜くプログラマーとしての心構えとは?
才能の有無に関わらず、いかにして学びを深めて自分なりの戦い方を見出し、そして成長し続けるか。その真摯な姿勢に触れることは、自身の仕事や学習への向き合い方に良い影響をもたらすはずだ。
牛尾さん:今の時代って、いろんなことの“やり方”が確立されているじゃないですか。だからこそ、それをちゃんとやることがむしろ“攻略法”になるのかなと。
頭の良さや才能にかかわらず、誰でも勉強することはできる。もしかしたら賢い人は僕の半分の時間で習得できるかもしれない。
だけど、人の2倍の時間をかけて勉強すれば、才能のない僕でもできるようになるとも言えるし。
米マイクロソフト
Azure Functionsプロダクトチーム シニアソフトウェアエンジニア
牛尾 剛さん(@sandayuu)
1971年、大阪府生まれ。米マイクロソフトAzure Functionsプロダクトチーム シニアソフトウェアエンジニア。シアトル在住。関西大学卒業後、日本電気株式会社でITエンジニアをはじめ、その後オブジェクト指向やアジャイル開発に傾倒し、株式会社豆蔵を経由し、独立。アジャイル、DevOpsのコンサルタントとして数多くのコンサルティングや講演を手掛けてきた。2015年、米国マイクロソフトに入社。エバンジェリストとしての活躍を経て、19年より米国本社でAzure Functionsの開発に従事する。ソフトウェア開発の最前線での学びを伝えるnoteが人気を博す。書籍『世界一流エンジニアの思考法』(文藝春秋)は10万部を突破し、ITエンジニア本大賞2025特別賞も受賞
小林 篤「エンジニアの実力は肩書きでは測れない」
「エンジニアの実力は肩書きでは測れない」LayerX AI・LLM事業部 CPO 小林 篤に見る“疑念駆動”のキャリアメークhttps://type.jp/et/feature/28199/
こんな人に読んでほしい
●現職や今のポジションに、物足りなさや疑問を感じているエンジニア
●転職やキャリアチェンジを検討しているエンジニア
●肩書きよりも、自身の成長や挑戦を重視したいエンジニア
DeNAでCTOを務めた後、LayerXのAI・LLM事業部 CPOへと転身した小林 篤さん。安定した立場を離れ、新たな挑戦を選んだ背景には「自分の力がどれだけ通用するか確かめたい」という“疑念駆動”の思いがあった。
肩書きや周囲の評価に依存せず、自らの「ワクワク」を原動力にキャリアを切り拓いてきた小林さん。
変化を恐れず挑戦し続ける姿勢や、目の前の仕事に120%で向き合うことの重要性など、主体的なキャリア形成のためのヒントが満載だ。
小林さん:周りのメンバーたちがとても優秀だったので、正直なところ『自分がいなくてもチームは回るんじゃないか』という思いが頭をよぎるようになったんです。実際、成功したプロジェクトを見ても、『これは本当に自分の力によるものなのか?』と考えるようになっていって……。
このまま会社に居続けていたら、周りの人が優秀だったからできただけという印象が自分の中に残ってしまう。
だったら、今このタイミングで一度外に出て、自分の力がどれだけ通用するかを確かめるべきだと思ったんです。
株式会社LayerX
AI・LLM事業部 CPO 兼 プロダクト部 部長
小林 篤さん(@nekokak)
2011年DeNAに入社。Mobageおよび協業プラットフォームの大規模システム開発、オートモーティブ事業本部の開発責任者を歴任。19年より常務執行役員 兼 CTOとしてDeNAのエンジニアリングの統括を務める。25年1月より、LayerX AI・LLM事業部にジョイン。技術系カンファレンス多数登壇。技術系書籍・雑誌多数執筆
一瀬由梨「SEと雀士。どっちも諦めたくなかった」
平日はSE、休日は麻雀のプロ。一瀬由梨が「どっちも全力」を貫く理由https://type.jp/et/feature/26445/
こんな人に読んでほしい
●複業や副業に関心がある、または実践しているエンジニア
●仕事と趣味やプライベートとのバランスに悩んでいるエンジニア
●好きなことを仕事にすることや、多様な働き方に興味があるエンジニア
システムエンジニアとして働きながら、プロ雀士としても活躍する一瀬由梨さん。「複業」という形で二つの仕事に情熱を注ぎ、「どっちも全力」で取り組む彼女の生き方は、多様なキャリアパスを考える上で多くの示唆を与えてくれる。
記事では、一瀬さんがどのように二つの仕事を両立させているのか、その時間術や考え方にも迫った。
複業において陥りがちな「頑張りすぎ」ではなく、「どちらの仕事も人一倍楽しむこと」を大切にする彼女の姿勢から、仕事とプライベート、あるいは複数の仕事を充実させるためのヒントが得られるだろう。
一瀬さん:SEの仕事を選んだのも、麻雀でプロの道を目指したのも、全部私が自分で決めたこと。その決断から、逃げ出したくなかったんです。
それに、成果が出ずに苦しい時期ではありましたが、仕事や競技自体を嫌いになったことは一度もありませんでした。
「好きなうちは続けてみよう。辞めるのは、嫌いになったときでいい」
そんな思いで、もう少し、もう少しと頑張っているうちに今日まで来ました。
日本プロ麻雀連盟
一瀬由梨さん(@i_yuripon)
2014年にフェリス女学院大学を卒業し、新卒でメーカー系SIerに入社。アプリケーション保守を経験し、現在は情報システム部門でセキュリティーを担当。大学時代から麻雀を始め、17年にプロテストに合格。日本プロ麻雀連盟33期。麻雀最強戦2021では女流プロ最強新世代で優勝、FINAL3位の成績を残した
編集/今中康達(編集部)