ユーラシアについで大きなアフリカ大陸だが、広大な土地を生かせず、発展を妨げている大きな要因とは?【図解 地理と経済の話】
広大な土地だけど、悪条件が重なっているアフリカ大陸【図解 地理と経済の話】
ほぼ全域が熱帯と乾燥帯
古い地質時代以降、ほとんど造山活動が起こらない陸地を安定陸塊といいます。隆起することなく浸食を受け続けるため、平野・平原が多く分布するのが特徴です。アフリカ大陸もそうした安定陸塊の構造を持っています。
アフリカはユーラシアに次いで2番目に大きな大陸ですが、人口は世界人口の約18%に過ぎません。その大きな理由として挙げられるのが気候です。アフリカ大陸は、その中心近くを赤道が通過し、北緯35度から南緯35度の間にほぼ全体が収まります。
赤道付近は、地球上で最も気温が高い熱帯地域。この付近で熱せられた大気により、高気圧が生じて、サハラ砂漠などの砂漠地帯を形成しました。熱帯と乾燥帯、これらふたつの気候が大陸の約85%と大部分を占めるため、アフリカは人が生活するには厳しい環境であるといわれています。
水運が未発達なのも、発展を妨げる大きな要因となっています。アフリカのほとんど全域が高地で、海岸近くでもまだ標高が高いため、川が河口近くで急流や滝になり、船が出入りできないのです。そんななかで水上交通が可能なナイル川流域に人が集まるのは必然で、特に地中海への出入り口にあるエジプトが今も昔も栄えています。
ナイル川の恩恵
水量の豊富なビクトリア湖を水源に持つナイル川。その流域に人が集まり、都市が生まれました。特に地中海への出入り口にあるエジプトが、交通の要衝として繁栄しています。
熱帯の赤土ラトソル
高温湿潤な熱帯の環境で有機物が分解されて失われ、風化に強い鉄・アルミニウムの水酸化物が土層に集積したのがアフリカの土壌を覆うラトソルです。農業には不向きですがレンガの材料として使われています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』