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南米コロンビアの「緑の回廊」 3年で気温が2℃下がる成果

ELEMINIST

ヒートアイランド化が深刻化していたコロンビア第二の都市であるメデジンでは、2016年から人と植物に焦点をあてた街づくりを実施。70ヘクタール以上の緑地を整備し、3年間で気温を2℃下げることに成功した。緑地の整備は気温だけでなく大気汚染の改善にも役立っているという。

人と植物に焦点をあてた街づくり

南米北西部に位置するコロンビア。その第二の都市であるメデジン市では、人と植物に焦点をあてた街づくりによって、ここ数年で気温が下がっているという。

コロンビアは赤道地帯に位置するが、メデジンは標高1500mの高地にあるため、年間を通して温暖な気候だ。しかし、メデジンは人口約250万人を擁する都市で、何年にもわたって急速な都市拡張が行われたため、ヒートアイランド現象が深刻化し、都市部の気温が周辺の郊外や農村部よりもかなり高くなっていた。

そんな状況に対応すべく、2016年からフェデリコ・グティエレス市長主導のもと、市内の道路や水路に沿って30の緑の回廊がつくられた。1630万ドル(約24億円)を投じたこのプロジェクトを通して、70ヘクタール以上の緑地が整備されたという。

「緑の回廊」を構成するのは、在来植物や熱帯植物、笹、ヤシの木など。自然の森を模して設計されており、都市の広場や公園、歩道、市を囲む7つの丘の一部など、あらゆる緑地をつないでいる。また、市庁舎の屋根をはじめ、地下鉄の駅や鉄橋のような熱を閉じ込めて熱くなるところも緑化されている。

プロジェクト開始時に、12万本の苗木と1万2500本の樹木が市内の道路や公園に植えられ、2021年までに植物は250万本、樹木は88万本に到達した。

大気汚染・生物多様性の改善も

このプロジェクトによって、メデジンの気温は最初の3年間で2℃下がった。当局は、気候変動を考慮したとしても、今後数十年間で4~5℃下がると予想している。

同プロジェクトはさらに、大気汚染対策にも大きな成果を上げている。2016年から2019年にかけて、メデジンのPM2.5のレベルが大幅に低下。その結果、同市の急性呼吸器感染症による罹患率は人口1000人あたり159.8人から95.3人に減少した。

また、このプロジェクトのために自転車用道路が整備された影響で、市内の自転車利用人口が34.6%増加。生物多様性調査によれば、野生生物も戻ってきているという。

興味深いのは、緑地の手入れをしているのが150人の市民ガーデナーであるということ。彼らの多くは貧しい地区で育った人やマイノリティであり、森林エンジニアなど専門家のトレーニングやサポートを受けながら地道な作業を続けている。

「緑の回廊」が気候変動の効果的なアプローチに

Noah Buscher on Unsplash

世界の主要な市長約100人で構成されるネットワーク「C40(世界都市気候先導グループ)」によれば、“極端な気温”にさらされる都市の数は、今後数十年間で3倍になるという。そして2050年までに、970以上の都市で夏の平均最高気温が35℃を超えるという。

コロンビアの他の都市では、ボゴタとバランキージャがメデジンと同様の計画を採用している。さらに南米最大の都市であるブラジルのサンパウロでも、2022年から市内の「緑の回廊」の拡大を進めている。

気温の上昇を防ぐことは、今後も都市にとって主要かつ緊急の課題となる。メデジンにおける「緑の回廊」は、気候変動への効果的なアプローチとしてますます注目を集めるだろう。

※参考
How a Colombian City Cooled Dramatically in Just Three Years|reasons to be cheerful
コロンビア国・メデジン市における都市交通マスタープラン 検討調査報告書|経済産業省

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