「進研ゼミ」の不振が続くベネッセHDがデジタルハリウッドを買収
ベネッセホールディングス(以下、ベネッセHD)は11月29日、デジタルハリウッドの発行済み全株式を取得すると発表した。取得額は非公表。デジタルハリウッドの株式はカルチュア・コンビニエンス・クラブが保有している。デジタルハリウッドは、CGやウェブなどのクリエイターを養成するスクール事業や、デジタルハリウッド大学大学院などを運営する大学・大学院事業を手掛けている。売上高は非公開だが、2023年度時点で6期連続で増収増益だという。
ベネッセHDは主力事業の「進研ゼミ」の不振が続いており、会員数は2023年4月時点で10年前と比べて4割減となる約160万人だった。2023年11月にはMBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表し、ベネッセHDの創業家と欧州の投資ファンドのEQTグループと共同でTOB(株式公開買い付け)を実施、今年5月に東京証券取引所プライム市場から上場廃止となった。
ベネッセHDは、1993年に語学教室「ベルリッツ(Berlitz)」を運営する米・ベルリッツ コーポレーション(Berlitz Corporation)を連結子会社化したものの、シナジー効果が得られず、2022年に約178億円の債権を放棄し、保有する全株式をカナダのILSC Holdings LP(以下:ILSC)の特別目的会社に譲渡している。
ベネッセHDは今後、デジタルハリウッドを傘下に置くことで、日本におけるデジタル人材の不足という社会解題の解決に向けて取り組んでいくとしている。