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賃貸vs持ち家!どちらがお得?プロが徹底解説

リブタイムズ

賃貸vs持ち家!どちらがお得?プロが徹底解説

「賃貸か持ち家か、生涯どちらがお得?」と悩む方も多いのではないでしょうか。賃貸と持ち家にはそれぞれメリットやデメリットがあり、特徴を理解しながら比較検討することが大切です。 今回は賃貸・持ち家それぞれの特色や選び方について、宅地建物取引士・FP(ファイナンシャルプランナー)として活動される岡野さんにインタビュー!賃貸および戸建て物件を取り扱う住宅会社の勤務経験もある「プロ」ならではの目線からお話しいただきました。お話を伺った方楽市不動産株式会社 岡野 純子(おかの じゅんこ)さん

賃貸のメリット・デメリット

賃貸か持ち家か比較するには、それぞれのメリット・デメリットを把握することが大切です。賃貸物件に住むメリット・デメリットをお聞きしました。

賃貸のメリット:ライフスタイルに合わせられる

ー賃貸物件に住むメリットは何ですか? 転勤・転職・減給・リストラなどの職場における変化や、介護・離婚・死別といった家族構成の変化などに合わせられる点です。引っ越しをすることで柔軟に対応でき、住まいに縛られない自由な生き方や働き方ができます。 このような圧倒的な自由度が、戸建てと比べていちばんのメリットといえるでしょう。

賃貸のデメリット:老後は借りられる物件が減るリスクも

ー賃貸物件に住むデメリットは何ですか? 高齢の方は、借りられる物件が減ってしまうというリスクがあります。賃貸物件を取り扱う会社で働いていた際、70~80歳ほどのお客様も多かった一方、借りられる物件はかなり限られている状況でした。ーなぜ高齢の方は賃貸物件を借りることが難しいのですか? 年金収入で家賃をまかなう方が多いため支払いが滞るというケースも懸念されますが、いちばん怖いのが孤独死です。 賃貸物件に一人で住んでいて孤独死してしまい、数か月後に発見されるというケースは珍しくありません。亡くなった部屋をフルクリーニングしても、次の入居希望者の方に告知事項として亡くなった旨を伝える必要があります。告知することで入居を希望する方はかなり減ってしまうため、オーナーの方からすると部屋が余ってしまう事態は避けたいというわけです。 やはり高齢の方になると若い方よりも死亡リスクは格段に上がってしまうため、敬遠されるオーナーの方は多い印象です。

賃貸のデメリット:老後も長期的に家賃がかかる

ー賃貸物件は老後にリスクが現れるのですね そうですね。賃貸物件は金銭面においても、高齢になるにつれリスクが現れます。このリスクの最たる例が、定年後20~30年間で約2千万円不足するといわれる「老後2千万円問題」でしょう。ー賃貸では老後の資金が貯まりにくいのでしょうか? はい。ある程度資産価値が保てる持ち家の場合、例えば建物や土地(ほぼ土地の値段になります)を売って2千万円ほど取得し、売却資金で老人ホームに入ることもできます。住宅ローンを完済すると自分の資産になるのですね。 一方、賃貸物件では自分の資産になることはなく家賃を払い続けます。家賃を支払いながら、老後に備えた貯蓄も行う必要があります。ーなるほど。しっかりと貯蓄する必要がありますね! そのほか、賃貸では持ち家と違って団体信用生命保険に加入できないことも特徴です。団体信用生命保険とは、契約者に万一のことがあった際に住宅ローン残高がゼロになる保険のことで、通称団信といいます。賃貸では団信に加入できないため、部屋を借りている方(賃借人)に万一のことがあった際、住む場所を保証できない可能性があるのです。 団信に加入できないため、賃貸物件に住む方は生命保険に入っておく必要があります。賃借人に万一のことがあった際も問題なく家賃を支払えるよう、3000万円〜4000万円の死亡保険のような、しっかりとした保険に入るようにしましょう。

持ち家のメリット・デメリット

続いて持ち家のメリット・デメリットを見ていきましょう。

持ち家のメリット:住宅ローンを払い終えれば自分の資産になる

ー持ち家のメリットは何ですか? 家族に合わせた自由な間取りやデザインに仕上げられるほか、住宅ローンを払い終えると自分の資産になることです。通常、建物の資産価値は22年で2割ほどに減る一方、土地の価値は変動しにくいため、老後に自宅を売却して資金を得るという活用もできます。 また最近ではリバースモーゲージという制度の活用も高まっています。リバースモーゲージとは、自宅を担保に入れながら住み続け、利息のみの支払いで、生活資金を借り入れできる制度のこと。持ち家は後々自分の資産となり、資金を生み出せることが大きなメリットです。

持ち家のデメリット:住まいに縛られる暮らしになる

ー持ち家のデメリットは何ですか? 転勤・転職・介護・離婚・死別・隣人トラブル・減給・リストラ・金利上昇といったライフスタイルの変化に対応することが難しい点です。最近では終身雇用が崩壊している側面もあるため、ローンを組むのが不安という方も多いでしょう。 一度住宅ローンを組んでしまうと、どうしても住まいに縛られる暮らしになってしまいます。

持ち家のデメリット:希望の金額で売却できないことも

ーそのほか持ち家のデメリットはありますか? 希望金額で売却できない場合があります。住宅ローンの残債を下回る金額でしか売却できず、破産してしまうというケースも考えられるため注意が必要です。持ち家はたしかに住宅ローンを払い終えれば資産となる一方、住宅ローンを払っている間は負債であることに変わりはありません。長い期間支払わなければいけないものであるため、やはりリスクはあります。 資産価値が下がるかもしれないということを頭に入れながら、返済や貯蓄を行うことが大切です。

賃貸と持ち家、それぞれにかかるコストは?

賃貸と持ち家でそれぞれどのようなコストがかかるのでしょうか。生涯かかるコストについて、シミュレーションも行っていただきました!

賃貸にかかるコスト

ー賃貸にかかるコストにはどのようなものがありますか? 主な初期コストは敷金や礼金、家財保険料などです。家財保険料は2年ごとにかかる費用になります。

持ち家にかかるコスト

ー持ち家にかかるコストにはどのようなものがありますか? 初期コストは建築費用をはじめ、仲介手数料や登記費用などが必要になります。固定資産税や都市計画税がかかるといった税金の負担は、持ち家ならではの特徴といえるでしょう。

賃貸と持ち家のコストをシミュレーションで確認してみよう

ー賃貸と持ち家を比べると、生涯コストはどのくらい変わるのでしょうか? 埼玉県川口市に住む4人家族と仮定し、賃貸・持ち家それぞれのケースを試算しました。「住宅ローン返済が月13万7千円で持ち家に住む」Aさん家族と、「家族構成の変化とともに2回引っ越しをして家賃11万円、15万円、8万円と推移した」Bさん家族の生涯コストを比べると、300万円ほど賃貸のほうが高い結果となりました。 もちろん金利変動の影響などもあるため一概には言えませんが、持ち家は住宅ローンを払い終えればあまり大きなランニングコストはかからないため、長い目で見ると賃貸よりも押さえられる可能性が高いのです。

賃貸か持ち家、向いている人や生活スタイルは?

賃貸と持ち家のメリット・デメリットや生涯コストを比較しました。賃貸・持ち家それぞれに向いている人や生活スタイルはどのようなケースが挙げられるのでしょうか。

賃貸に向いている人

ー賃貸物件に向いているのはどのような人ですか? 毎月しっかりと預貯金ができる方や、大きな返済を抱えるのが不安な方に向いています。また独立すると住宅ローンが通りにくいといった側面もあるため、将来的に独立を考えている方も賃貸のほうが安心でしょう。

持ち家に向いている人

ー持ち家に向いているのはどのような人ですか? 結婚して子どもがいる方や収入が安定している方、大きなライフプランの変化がない方に向いています。ーライフプランの変化というと、転勤なども該当するのでしょうか? 海外転勤など、家族全員がついて行く予定の転勤がある場合は、購入しないほうがよいでしょう。単身赴任すると家族で決めているのであれば、購入してもよいと思います。 家族のスタンスによってかなり変わるため、綿密な家族会議が大切です。

賃貸か持ち家を決めるうえで大切なこと

賃貸か持ち家か、住まいを決めるうえで大切なことは何なのでしょうか。プロの目線から知見をお聞きしました。

できるだけ早く決断する

ー賃貸か持ち家かを決める際に大切なことは何ですか? 先ほどお伝えした賃貸・持ち家それぞれのメリットやデメリットを検証して、できるだけ早く住まいを決めることです。たとえば結婚して5年間賃貸物件に住んだのち家を買うとなると、家賃が9万円の場合は1年間で108万円、5年間で558万円(更新料2回含む)無駄にすることになります。住宅ローンを組み始める年齢も上がってしまうため、定年の65歳までに完済するのが難しくなることもあります。 賃貸・持ち家それぞれの特徴を把握してできるだけ多くの情報を集め、どちらのメリットが上回るのかを天秤にかけながら考えることが大切です。

自分の軸を持つ

ーどちらの住まいを選択する場合でも早めの決断が大切なのですね! そうですね。もちろんメリット・デメリットを比較することは重要ですが、何よりも優先すべきは自分の「軸」を持つことです。自分と家族が理想とする暮らしは何かを考えながら住まい選びを進めていきましょう。

まとめ

今回は、賃貸と持ち家どちらがよいかをプロの目線からくわしくお聞きしました!とくに老後の生活においてメリット・デメリットが発生すると分かりましたね。 賃貸・持ち家それぞれの特徴を比較しながら、家族に合う住まいを検討しましょう。

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