【横浜市栄区】横浜栄共済病院、院長らが新医療材料開発 手術成功、世界初の症例
栄区桂町の国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院の土屋弘行院長(金沢大学名誉教授/整形外科・68)らがこのほど、ヨード処理技術を用いた世界初の整形外科用インプラントを開発した。同機器を使った初の手術が11月19日に行われ、土屋院長らが執刀した。
怪我をした時に使う茶色の消毒液の主成分で殺菌作用のあるヨードの力を利用して、医療機器に抗菌性を持たせる技術をヨード処理技術と呼ぶ。
土谷院長は金沢大時代から約20年にわたり抗菌インプラントの開発・研究をテーマとしてきた。同病院の白井寿治整形外科統括部長(54)と二人三脚で大学時代に研究に没頭。チタンに着目し、ヨウ素化合物を表面にコーティングする方法を発見した。ウサギなどでの安全性試験や有効性試験、人体への臨床試験などを経て、新開発した整形外科用インプラントの薬事承認が長い歳月をかけて下りた。11月に同病院でこの医療機器を使った初めての人工股関節全置換術が行われた。インプラント表面が抗菌処理されているため、同手術の際に発生する周囲感染の抑制などに期待が持てる。「今後、様々な部位に広げられる可能性はある。患者さまに貢献できるのは嬉しい」と二人は口を揃えた。