猫の『鳴き方』から読み取れる心理3選 鳴き声の違いに隠された意味を解説
1.うれしいとき
まず、紹介したいのは、うれしいときの鳴き声です。
「ニャッ!」という短めの鳴き声は、返事やフレンドリーな挨拶など、好意的な反応を示すもので、帰宅後の飼い主さんとの再会、スキンシップ時によく使われます。
こもった感じの「クルル」は、「ニャッ!」よりも積極的な喜びの表現です。飼い主さんにかまってもらえたとき、おもちゃ遊びの獲物を見つけたときなど、うれしさのあまり、つい口に出ます。その根底には、母猫に甘える子猫のような気分が隠れています。
喉をかすかに震わせるような「ゴロゴロゴロ…」は、身も心もリラックスしている状態です。たとえば、冬場、飼い主さんの膝のうえでぬくぬくしつつ、やさしく撫でられると、やがて、この心地よい音が聞こえてきます。
「ゴロゴロゴロ…」に関しては、よくやる子もいれば、まったくしない子もいます。飼い主さんにとっては、とんでもなくスイートな子守歌のようなもの。もし聞けたら幸せいっぱいです。
2.悲しいとき
猫の表情はあまり変わりませんが、その代わりに、鳴き声で自分の気持ちを飼い主さんに伝えてくれています。
悲しいとき、不安なとき、寂しいとき、猫は「ニャーオ」、「ミャーオ」といった声で鳴きます。特徴は、通常の鳴き声よりも低いトーンで、なおかつ、長めに鳴くことです。
具体的なシーンを挙げると、飼い主さんが外出した後です。大好きな人が目の前から姿を消して、愛猫は動揺と不安を隠せません。飼い主さんを求めてひたすら鳴き続けます。分離不安傾向にある甘えん坊猫に多い鳴き声です。
少しややこしいですが、「ニャーオ」、「ミャーオ」には、かまって欲しい、ゴハンが欲しいなどの不満や要求が含まれているケースもあります。前後の文脈やこれまでの経験を考慮したうえで、愛猫の鳴き声に隠された本音を察してみてください。
3.怒っているとき
激怒した猫は、人間側がちょっと驚いてしまうほど、しっかり怒ります。
「シャーッ!」と猫が鳴けば、お怒りモードが極限に達したことを示しています。仮に、同居猫同士のケンカで聞いた場合は、「これ以上近づくと、タダじゃおかねぇ!」という意味です。
毛をボワボワに逆立てつつ、鋭い牙を全開で威嚇する表情は憤怒そのもので、「鬼シャー瓦」として屋根に飾れば、魔除けにもなりそうです。日頃の愛くるしさは消え、野生動物の凄みすら感じさせます。
「シャーッ!」状態の猫は、非常に危険です。飼い主さんが手を出すと、思わぬ反撃が飛んでくるかもしれません。「憤る猫にお触りなし!」―は先人の愛猫家たちが自らの経験(傷)によって紡ぎ出した金言です。
もし愛猫が「シャーッ!」を繰り返しているなら、その怒りが収まるまで、一切手出しせず、飼い主さんは静観するようにしましょう。
まとめ
猫の鳴き声に注目すると、さまざまな心理状態が読み取れます。
今回は、「うれしいとき」、「悲しいとき」、「怒っているとき」、3つの気持ちに分けて、その鳴き声について解説しました。
猫の鳴き声の多彩さは、人間との関わりで育まれてきたと言っても過言ではありません。
日頃から注意深く鳴き声を聞いていると、しっぽの動きと同じように、愛猫の本音や気分に気づきやすくなります。
「シャーッ!」と激怒されないように、愛猫のペースを尊重した距離感、愛あるお世話ぶりで、これからも充実した猫ライフを送ってください。