人権週間 心のバリアなくして 区内小学校で体験教室〈横浜市旭区〉
人権週間(12月4日〜10日)にあわせ、区内の小学校で、「人権教室」が開催された。教室を通して児童たちは、違いを認め合うことの大切さを学んだ。
外出躊躇う気持ち支援
今宿南小学校では12月1日、6年生を対象に、校庭で車いすの操作とユニバーサルデザイン(UD)のタクシーへの乗車体験を、校舎内で白杖とアイマスクを使い、視覚障害者を誘導する体験を行った。
児童らは2人1組になり、障害者の立場と障害者をサポートする立場の両方を体験。教室終了後には「身近な所にも身体の不自由な人のための工夫があることを知れた」「今後は積極的に声を掛けてサポートしたい」などの感想が聞かれた。
UDタクシーは、関東運輸局の依頼で、地元の二重交通(本社・瀬谷区、篠崎友希代表取締役)が提供。同社は23台ものUDタクシーを所有しており、年に何度か近隣の小学校で児童たちの車いす乗車体験をサポートしている。同社の篠崎社長は「児童らの祖父母など体が不自由になっても安心して乗れる車があることを知ってもらえれば」と教室に協力する意義を語った。
「助けたい気持ち」可視化
万騎が原小学校では12月4日、NPO法人日本サポートマーク普及協会=柏町=の池田進理事長を講師に招き、5年生が、障害者のために作られたマークなどについて学んだ。
池田さんは、ヘルプマークやマタニティマークなど内部障害や妊娠初期の女性など、外見だけでは周囲に配慮の必要性が判り難い人のためのマークについて紹介。さらに池田さんが考案した『私は助けることができます』という意志を外へ発信する「サポートマーク」のついて説明、その意義を説いた。自身もパニック障害を抱える池田さんは、「助けが必要な人は『誰に』『どうやって』助けを求めて良いか分からない。『助けたい』という気持ちを”視える化”することで助かる人がいる」ことを解り易い言葉で話した。
池田さんの話を聞いた後、児童らはグループに分かれ「電車やバスで席を譲る」「困っている人を見かけたら声を掛ける」など自分たちができることを模造紙に書きだした。池田さんは「人はそれぞれ違う。その違いを認め合うことが大切」と児童たちに語りかけた。