公立中学校の部活動の『地域移行』が拡大するみたい。2026年度から「平日」も対象に
2023年度から全国での導入が進む「部活動の地域移行」。地域の指導者らが指導できるようになることで、生徒は自分がやりたい活動ができ、教員の負担も軽減できるメリットがあります。
神戸市では休日の部活動を対象に段階的に実施していますが、2026年度からは平日も対象にする方針であることがわかりました。
生徒の活動の場拡大、教員の負担も減少
従来の「部活動」は、学校の教員が顧問として指導し、学校内で同じ学校の生徒とともに活動します。
学校を中心とした部活動は、少子化による生徒数の減少で部活動の種目数が減るなど、生徒にとって活動の選択肢が少なくなってきているそうです。
今後も生徒数が大幅に減る見込みで、やむを得ず廃部になったり、単独で試合に出られない学校が増えたりと、学校単位での部活動がしづらくなるという懸念も。
指導する教員側では、休日勤務や、指導経験がない教員が指導に当たらざるを得ないといった課題もあります。
こうした事態を解決するため、国が進めているのが「運動部活動の地域移行」(地域運動部活動推進事業)です。
地域移行により、地域のクラブチームなどの指導者の指導も受けられるようになり、活動場所も在籍する中学校や地域の施設に広がります。
画像:スポーツ庁 資料より
国の方針では、学校と地域が協力して、地域で部活動の代わりになる質の高い活動ができるように体制や環境を整えたうえで、将来的には、部活動を「学校単位」から「地域単位」の取り組みにしていきたい考えみたい。
国は2022年にガイドラインを策定し、2023~2025年度を地域移行の「改革推進期間」に位置づけて、主に休日を中心に全国の自治体に導入を促しています。
2026年度から地域に完全移行へ
神戸市でも生徒や保護者、教員を対象にアンケートを通じてニーズ・課題を把握したうえで、すでに休日を対象に実施している地域もあります。
2026年度からは、平日・休日ともに生徒が地域の人たちとともに活動する、神戸の地域クラブ活動「KOBE◆KATSU(コベカツ)」として完全に移行する方針です。
これまでの部活動地域クラブ活動
KOBE◆KATSU運営主体学校地域の団体(登録制)指導者教員・部活動指導員地域の指導者・希望する教員(兼職兼業)参加者生徒生徒等(参加範囲を柔軟に設定)活動場所学校施設学校施設・地域の諸施設費用負担部費(実費相当)月会費 など保険日本スポーツ振興センター災害共済スポーツ安全保険
指導する地域の団体は「登録制」で、公募で団体を募り、教育委員会事務局が審査のうえ登録する仕組みなんだそう。
学校規模やエリアにかかわらず、生徒が「やってみたいことを主体的に選択できる活動」にするために、急に移行するのではなく、小学校高学年を対象にアンケートを実施して、ニーズを把握していきます。
地域の活動団体の公募では、現状の部活動にない新たな種目も含めて、広く募るみたいです。
クラブ活動は会費制として、各家庭が負担したお金を各クラブの運営費用に充てる仕組みで、習い事のような形になりますね。
生徒や保護者にニーズがあっても、それを実現できる地域団体が少ないエリアや、種目が偏る可能性もあります。
活動場所と距離がある場合は、その移動手段も課題のひとつになりそうです。
スケジュールのイメージでは、6月から関係団体との協議や、生徒・保護者への説明が始まり、2026年にかけて活動団体の募集や先行実施などを進めるみたいです。
2026年9月から「KOBE◆KATSU」の完全移行を目指しています。
部活動の地域移行で「地域単位」の活動になり、子どもたちがやりたい活動が続けやすい仕組みになれば良いですね。神戸市における「部活動の地域移行」については、神戸市教育委員会のサイトに詳しいQ&Aも掲載されています。気になる人はチェックしてみてください。