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バイク初心者もリターンライダーも楽しめる!「山梨ゆるふわライディングスクール」

MOTOINFO

「いきなり公道を走るのに不安がある」「愛車を取り回すのが怖い」「交通の流れにうまく乗れない」など、免許を取得してまもないバイク初心者にはさまざまな不安があるものです。そうした不安を抱く人たちに"基本のキ”から優しく楽しく学んでもらおうという初心者向け講習会「ゆるふわライディングスクール」が定期的に開催されています。実際にどんな内容のカリキュラムが組まれているのでしょうか。2024年10月20日(日)に、山梨県総合交通センターで開催された「山梨ゆるふわライディングスクール」の模様を紹介しましょう。

基本中の基本を押さえることで、長くバイクライフを楽しむ

「山梨ゆるふわライディングスクール」は、カワサキ プラザ山梨と一般社団法人 日本二輪車文化協会(以下、AMAC)によって毎年開催されている初心者向けのライディングスクールです。このスクールにはバイク免許取得から間もないライダーから、改めて基本を学びたいリターンまで幅広い層のライダーが参加しています。


参加車両もメーカー・排気量ともに不問なので、スクーターからビッグバイクまでさまざまな車種が集まります。誰でも気負わず参加できる、まさに“ゆるふわ”な雰囲気が魅力のライディングスクールです。

開講式から良い意味で“ゆるふわ”な始まり

当日の朝9時30分、開講式から始まります
青いジャケットを着たAMAC認定のインストラクターと、今回の講習で指導員を務めてくれる山梨県警察の白バイ隊員(写真右側の2名)
バイクの点検方法を説明する濵田巡査長(写真左)

特別講師として参加してくれた山梨県警察本部 交通機動隊の濵田 壮 巡査長(以下、濵田巡査長)からは、基本的なバイクの日常点検「ネンオシャチエブクトウバシメ」について、1項目ずつ解説されました。

バイクで安全に走るためのポイントを解説してくれる丹澤巡査長 (写真左)

続いて丹澤 航 巡査長(以下、丹澤巡査長)から、交通事故の概況と、バイクで走る際に注意すべきポイントを分かりやすくご説明いただきました。


講習では、白バイ隊員が受講者の後ろについて、走り方の確認や、アドバイスをいただきました。


AMAC理事の安川さん(左)からライディングに際しての心構えをお話しいただきました

AMAC理事でありセーフティライディング部会・部会長の安川美里さんが、今回のスクールの内容について説明されました。「交通事故に遭わないことも大切ですが、遭いそうになったときでも最後の1秒まで諦めないこと」など、ライディングに際しての心構えをお話しされ、受講者の感心を集めていました。


安川さんのお話で、開講式は終了。早速バイクに乗るのかと思いましたが……。


開講式が終わったところで小休止です。受講者は、主催者が用意したスイーツとホットコーヒーでコーヒーブレイクを楽しみました。ライディングスクールと聞くと、“訓練”や“特訓”のようなイメージが湧いてきますが、そんな堅いイメージとは遠いこの“ゆるふわ”感がこのスクールの魅力です。ここ最近では初参加者だけでなくリピーターも増えているそうで、誰が参加しても楽しめるスクールになるように、内容のブラッシュアップが図られています。

講習開始:ブレーキの効き方を再認識

3台それぞれが異なるブレーキをかけて制動距離の違いを見ていきます。右側の白バイが「リアブレーキのみ」、中央の白バイが「フロントブレーキのみ」、左側の黒いバイクが「フロント・リアの両方を使ったブレーキ 」で停止します

いよいよ「ゆるふわライディングスクール」の開始です。まずは「ブレーキング」について、講師が乗るバイクがどのようなブレーキングで、どう止まるのかを見ます。白バイ隊員も参加する3台のバイクで、「フロントブレーキのみで停止」「リアブレーキのみで停止」「ABS(Anti-lock Brake System / アンチロック・ブレーキシステム)が動する寸前の前後同時の強いブレーキング」と使い分けて制動距離の違いを見ます。


上の写真のように、3台が同じスピードで走り出し、同じブレーキポイントでそれぞれが指定されたブレーキングをします。


3台が同じスピードで同じポイントから同時にブレーキをかけると、右側の「リアブレーキのみ」の白バイの制動距離がもっとも長いという結果に

すると、止まった場所に大きな差が出ました。もっとも制動距離が長かったのは、リアブレーキのみのバイクでした。前後ブレーキの性能の違いはもちろん、ABSの動作具合によって制動力や距離に違いが出ることが分かりました。


では、いよいよ自分のバイクに乗って、セクションを体験します。


まずは全員でコース外周を完熟走行します。先頭と最後尾にインストラクターがつくので、初心者でも安心です。皆さんそれぞれのペースでゆっくりと慣れていきます。流れができてきたら、コース中央にあるS字カーブも走っていきます。


元の位置に戻ったら、いよいよカリキュラム本番です。2班に別れたまま、内容の説明を受けて所定の位置に向かいます。


2つに分けられたグループのうちの第1班は、スラロームを走ってから外周をぐるっと回ります。パイロンの幅はそれほど狭くないので、初心者も何周か走っているうちに軽快に走れるようになっていました。何度か参加して慣れている方は楽しそうにクリアしていきます。楽しみながらレッスンを受けられるのも、「山梨ゆるふわライディングスクール」の魅力なのでしょう。


慣れてくると、白バイ隊員の2名が後ろをピタッと走ることも! 走り終えたあとはアドバイスをもらっていました。


第2班は坂道の手前に集合し、クラッチの使い方を習います。ここではアクセルを開けずにクラッチを繋ぎ、坂道を登ります。


最初はなかなかうまくいきませんが、慣れてくるとクラッチだけで坂道が登れるようになります。このように丁寧なクラッチワークを意識することで、急なエンストによる立ちゴケなどを防ぐことができるようになります。


スタート前にしっかりレクチャーしてくれるので、初心者でも大きな不安はありません
インストラクターがしっかりバイクの周りでサポートしてくれます

最初は難しいレッスンも、徐々に慣れてきて余裕も生まれ、笑顔でチャレンジするライダーが増えていきました。全員が余裕をもってクリアできたところで班を入れ替えて取り組み、午前の部が終了しました。


「山梨ゆるふわライディングスクール」は昼食つき!ランチタイムにはお弁当が配られます。休憩も1時間強とたっぷりあるので、皆さん食後ものんびりと過ごしていました。


13時から午後の部がスタートです。午前中同様、2班に分かれてレッスンします

8の字走行にチャレンジしていきます

午前の部にあった「スラローム」のセクションに8の字走行が追加されました。外周を走った後にスラローム、そして8の字走行にチャレンジしていきます。初心者にとって8の字走行は少し難易度が上がることから、ギクシャクしながら走る姿も見られましたが、インストラクターのアドバイスに従って何周か走るうちにスムーズになっていきました。


8の字走行のポイントを教えてくれる濵田巡査長
受講者のバイクで実演して見せてくれます

14時と、比較的早い時間にスクールが終了しました。スクールということで受講者も当初は緊張気味でしたが、ライディングの基礎を受講者のレベルに合わせた適切な時間で反復練習できるので、疲れすぎない時間でスキルアップできるのが「山梨ゆるふわライディングスクール」の特徴です。

受講者に話を聞いた

渡辺憲司さん 51歳 / Honda CB125R / 小型限定普通二輪免許

「CB125Rを購入して半年ほどなんですが、小型限定普通二輪免許は教習所での実習時間が少なかったので、ライディングに不安があったんです。それで、ウェブで見つけたこのスクールに参加しました。


感想としては、思ったよりもできませんでした(笑)。坂道でのクラッチワークは勉強になりました」

星野一美さん KAWASAKI Ninja 650 / 大型自動二輪免許

「バイク歴は3年で、半年前に大型自動二輪免許を取得し、今年7月にNinja650を購入しました。『山梨ゆるふわライディングスクール』には、普通自動二輪免許を取得した3年前からずっと通っています。普段行動ではできない練習や役立つノウハウを教えてもらえるので、何度も来ちゃいますね。周りの友だちからも『上達したね』って言ってもらえるので、これからもずっと参加するつもりです!」

城内晴也さん 16歳 / YAMAHA JOG ZR / 原付免許

「原付免許を取得してまだ2カ月で、このライディングスクールのためにJOGを借りました。会場に来るまでが、公道デビューでした。親切に指導してもらえて良かったです。カーブを曲がるのがうまくなった気がします」

主催者に話を聞いた

カワサキ プラザ山梨 代表取締役
吉田雄介さん


「『山梨ゆるふわライディングスクール』が始まったのは、今から8年ほど前です。中級者や上級者向けのトレーニング系スクールが中心だったので、初心者でも気兼ねなく参加できるスクールを立ち上げたく、以前から親交があったモーターサイクルジャーナリストのKAZU中西さんに相談したところ、『“ゆるふわ”でやろう』と提案いただいたことから『山梨ゆるふわライディングスクール』と名付けられました。


バイクに乗り始めた頃って、立ちゴケでもショックが大きいですよね。バイクが傷ついて、それだけでバイクがイヤになってしまう人も少なくありません。『山梨ゆるふわライディングスクール』では、発進とブレーキ、そして立ちゴケしないことに重点を置いたカリキュラムを組んでいるんです。この3点をしっかりマスターするだけで、バイクライフを長く楽しめるようになると思います」

気負わず気楽にライディングを楽しもう

ライディングスクールや講習会と聞くと、気難しく指導されるイメージを抱く人もいることでしょう。しかし『山梨ゆるふわライディングスクール』は、そんなイメージを覆そうと「誰でも気負わず気兼ねなく参加できる“ゆるふわ”なスクール」を目指して立ち上げられました。その目論見通り、初心者からリターンまでさまざまな層が参加するようになり、日々のバイクライフに活かせる技術を身につけていっています。内容は基本的に初心者向けですが、大切な基本を学び直せる機会として上級者にも活用されていますし、何よりインストラクターのフレンドリーさも含めた雰囲気そのものが参加者を惹きつけています。公道を走るのに不安を感じているという方は、ぜひ参加してみてください。


お問い合わせ先:【セーフティライディング部会】ゆるふわライディングスクール 、Riding School(カワサキ) 、U30 スズキセイフティスクール 、HondaGO BIKE LESSON

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