川崎市立学校 平日休んで家庭で学習 新年度スタート「ホリスタ」
親子で一緒に体験学習する「ラーケーション」を目的に、川崎市が市立学校に2018年度から試行実施してきた「かわさき家庭と地域の日」について、4月から新たな制度をスタートさせる。年度中のラーケーションの取得回数を1日から2日に増やし、名称を「かわさきホリデー・アンド・スタディ」(ホリスタ)へと変更。市教育委員会は現在、保護者への周知に向けた準備を進めている。
ラーケーションは「学習」(ラーニング)と「休暇」(バケーション)を組み合わせた造語で、児童生徒が保護者と共に校外学習を行うことを目的に平日に休みを取得できる制度。家庭での主体的・体験的な学びを応援するため2023年度に愛知県で「ラーケーションの日」が設けられたことが注目され、導入する自治体が増えつつある。
新制度のホリスタは、市がこれまで「かわさき家庭と地域の日」として設けていた10月のスポーツの日を含む3連休後の火曜日を、ラーケーションの固定利用日に位置づける。学校は「学校閉庁日」に指定される。加えて、保護者の休暇に合わせ、年度初めや運動会・体育祭、卒業式の練習期間などを除き、休みを取得できる任意利用日を1日設ける。事前に届ければ欠席扱いとはならず、「出席停止・忌引」となる。届け出はアプリを通じて行うという。ラーケーションの機会を提供するため、市は市内企業に工場見学などの協力を呼びかけたところ、24年12月末時点で17企業が参画。市のウェブサイトなどに掲載し、体験参加を促していくとしている。
市が23年に実施した保護者対象のアンケートによると、18年度から試行実施してきた「かわさき家庭と地域の日」を設けたことについて、「よい」「どちらかといえばよい」と答えた割合が約80%に上ったという。実施時期は約70%が「そのままでよい」。一方、設定日に「仕事を休めない」との意見があったほか、「家で留守番をしていた」子どもの割合が約15%だったことも判明した。これを受け、市議会では保護者が柔軟に休暇取得できるようにすることや、児童生徒の体験的な学習機会に向けた考えについての質問も行われ、1月24日の文教委員会で新制度の方向性が示された。