「子育て悩みの受け皿に」 かなーちえ施設長に聞く
5月5日のこどもの日を前に、本紙では神奈川区地域子育て支援拠点「かなーちえ」の東田信子施設長に、施設の利用状況について話を聞いた。東田施設長は「子育ては困ったり悩んだりして当然。その受け皿に、かなーちえがなれれば」と話す。
地域子育て支援拠点
地域子育て支援拠点は、就学前の子どもとその保護者が遊び、交流するスペースの提供、子育て相談、子育て情報の提供などを行う拠点。利用登録のうえ、無料で利用できる。悩みごとや困りごとについて、各区の地域子育て支援拠点の専任スタッフ「横浜子育てパートナー」が相談者に必要な情報を調べたり、適切な支援機関を紹介している。地域で子育て支援に関わる人への研修会なども実施している。
神奈川区には東神奈川の「かなーちえ」と入江・新子安の「かなーちえサテライト」があり、いずれもNPO法人親がめが横浜市から受託して運営している。このほか沢渡、羽沢で「出張ひろば」も行っている。拠点では自由に遊べるスペースのほか、初めて子育てする親を対象にした「はじめまして♪赤ちゃんプログラム」などの各プログラムも開いている。
0〜2歳児利用が中心
かなーちえによると、2024年度の施設利用者数(子どもおよび親など)は、複数回利用も含めて延べ2万1817人。サテライトや出張ひろばも含めると延べ4万人以上に利用されている。かなーちえが今年1〜2月に実施したアンケ―トでは、3〜4割が週1回以上利用している。
一方で子どもの年間利用者は8割以上が0〜2歳児。幼稚園が始まる3歳以上になると、人数が半分以下になっている。
東田施設長は「『大きくなると(他の小さい子に配慮して)過ごしづらい』という声を頂くこともあるが、0〜1歳児の親に『少し先の姿』を見てもらうことは親の安心にもつながる」と話す。今年度は施設や近隣の公園などでの遊びや交流の場「2、3歳児集まれ」に力を入れていきたいという。「いろいろな人と触れ合うことができるのが、かなーちえの特徴。ぜひ保育園や幼稚園に行くようになっても来てほしい」と呼びかける。
「本音の相談」の場に
利用者からは最近、子どもの食事や預け先、家庭内での子育て役割分担に関する相談や、子どもの発達に関する悩みが寄せられるという。「ネットから様々な情報が得られる中で、我が子と比較して悩む人が多い」と東田施設長。
「『子育てで頼る人が周りに誰もいない』という人が25%という横浜市の調査もある。子育ては『困って当然、悩んで当然』。本音で相談ができる場所としての受け皿として、かなーちえが機能できれば」と話す。
「かなーちえ」「かなーちえサテライト」ともに、開館時間は火曜から土曜の午前9時30分から午後3時30分まで。詳細はかなーちえ【電話】045・441・3901へ。