恋はいつでもハリケーン? ロジャー海賊団×九蛇海賊団の意外な恋愛(?)遍歴! ロジャーとシャクヤク、片想いの結末は……
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。7月22日には連載開始から28年を迎えました。
8月4日(月)には第1156話“アイドル”が掲載され、若かりしシャクヤク(シャッキー)の初お披露目が話題に。
そして、その内容から見えてきたのは、伝説の海賊たちの意外な恋愛(?)遍歴!
ストーリー上ではキャラクターたちの恋愛にほとんど触れることのない本作だからこそ、新鮮な驚きがありました。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1156話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
ロジャーもギャバンもシャクヤクメロメロだった!?
九蛇海賊団の船長・副船長だったころのグロリオーサ(ニョン婆)とシャクヤクは、両名とも圧倒的な美貌を誇り、海のアイドル的存在だったといいます。とりわけシャクヤクは、グロリオーサを遥かに凌ぐ人気でした。流行りの言葉を使うならまさに“メロい”女海賊です。
その色香にあてられていたのはそこらのB級海賊や海軍だけではありません。
あのロジャーやギャバンまでもが目をハートにし、好きすぎるあまり(?)シャクヤクを九蛇海賊団から奪おうとする心酔ぶり。これはある意味、ロジャー海賊団の普段の航海の様子よりも海賊らしい一面といえるかもしれません。
一方のシャクヤクは当時からレイリーにお熱?
しかし、当のシャクヤクは寄ってくる男たちを軽くあしらい、文字どおり“ダメ”にしてしまいます。アプローチもむなしく、美しいシャクヤクを前にただメロメロと力をなくすロジャーのみっともなさは、もはや愛おしくないですか?
メロメロといえば、シャクヤクの華麗な美女ムーブはハンコックの能力を彷彿とさせるようでもありますが、彼女はメロメロの実の能力者ではありません。メロメロの実のバフがかからずとも、後の海賊王やその左腕までも虜にしていたシャクヤクの魅力は凄まじいですね。
ロジャーをはじめとする男たちからの熱烈なラブコールをよそに、シャクヤクは当時からレイリーに気があった様子。しかし、レイリーにはその好意があまり響いていないようでした。
いまでこそシャボンディで一緒に暮らすレイリーとシャクヤクですが、それでもレイリーは半年も家に戻らないとか、さらには「その辺に女作って寝泊まりはしてると思う」(シャクヤク談)とか……。一方で、シャクヤクはレイリーの好物である煮豆を冷蔵庫に常備している献身ぶり。絶世の美女にここまで惚れられてもなお飄々としているレイリー、ニクい……!
とはいえ、現在のレイリーとシャクヤクの関係は夫婦だと明言されているわけではありません。
でも、レイリーが帰ってこなくても、ほかで浮気をしていても「元海賊の性かしら」なんてサラリと流すシャッキーからは、長年一緒にいる内縁の夫婦的な余裕とたしかな信頼関係を感じるんですよね。愛が深い……。
レイリーとシャクヤクがあの後どのようにして一緒になったのか、ロジャーはどこまで知っていたのか、いまのふたりをみたらロジャーはどう感じるのか……など、いろいろ考えてしまいます。ついついそれぞれが辿った人生に思いを馳せてしまうのも、過去編の醍醐味ですね。
デジャヴを感じるグロリオーサ→ロジャー
ちなみに、グロリオーサ(ニョン婆)は当時、ロジャーに恋焦がれていたようです。
好きな相手が自分の仲間であり、妹分的な存在でもあるシャクヤクに夢中というのは本来であればかなりつらく切ない状況だと思われますが、まったく嫌味なくストレートにロジャーへの愛を表現する姿がなんとも健気なグロリオーサ。
ロジャーの戦いをみて「胸が苦しい……!!」と倒れてしまう様子は、ルフィの一挙手一投足に骨抜きになっているハンコックのようでした。まさに、恋はいつでもハリケーンです。
しかし、グロリオーサの恋は実ることなく終わったと考えられます。当時ロジャーはシャクヤクに夢中だっただけでなく、その後は別の女性とエースを遺し、いまはもう亡き人です。
このことから、グロリオーサは失恋したせいで九蛇海賊団トップの美女から“なにかあった未来”的ビジュアルのニョン婆へと変化してしまったのではないかという考察も囁かれていますが、真相はいかに。
この説をあげるならば、ステューシー(バッキン)のいまの姿も、白ひげ(エドワード・ニューゲート)への想いが叶わなかった結果のミス・バッキンなのでしょうか。
でも、ロックス海賊団時代のステューシーは白ひげの肩にちょこんと乗っていたりして、けっこういい雰囲気なんですよね。彼女には息子・ウィーブルもいることですし、こちらのふたりもどんな関係だったのか気になってしまいます。
最終的にロジャーとギャバン、レイリーが手に入れた愛
あんなにもシャクヤクに熱を上げていたロジャーとギャバンですが、みなさんご存じのとおり、ふたりは最終的に違う人と結ばれています。
ロジャーはルージュと結ばれ、エースが生まれました。ギャバンがエルバフのリプリーと結ばれ、巨人族とのハーフである息子・コロンがいたという事実が判明したのも記憶に新しいですよね。
ロジャーにとってのルージュ、ギャバンにとってのリプリーは、それぞれがシャクヤクに感じていた憧れとはまた別の、特別な愛情だったのでしょう。今回のシャクヤクのエピソードが語られたことで、ロジャーやギャバンがどのようにして後に妻となる存在に出会い、結ばれるに至ったのかもいつかみてみたいですね。
ロジャーたちがシャクシャクに抱いていた気持ちは、まさに“アイドル”を推すような感覚でもあったのかもしれませんね。外からみてわかりやすい愛ではないにせよ、一緒にいることを選んだレイリーとシャクヤクの関係もまた尊い!
ルフィたちを中心としたストーリーでは、サンジの女好きや政略結婚の話をのぞいてはあまり恋や愛といった側面のエピソードはありません。だからこそ、意外にも複雑なレジェンドたちの恋愛事情はやけにリアルに感じてドキドキしてしまいます。
そして今後は、熱烈にルフィを想い慕うハンコックの将来もどうなるのか気になっちゃいますね。
[文/まりも]