ウォーキング・スタッフ プロデュース『舞台版 嫌われる勇気』が9年ぶりの再演、アフタートークの実施も決定
ウォーキング・スタッフ プロデュース『舞台版 嫌われる勇気』が2024年9月23日(月)~9月29日(日)、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。原作:岸見一郎/古賀史健。脚本・演出:和田憲明。出演:大鷹明良、山田純大、辻千恵、加藤良輔、小島藤子。このうち4ステージではアフタートークもおこなわれる(登壇者については公演情報参照のこと)。
本作の原作は、2013年12月に刊行された同名の書籍『嫌われる勇気』(岸見一郎/古賀史健 著)。それまで日本では無名に近い存在だった「アドラー心理学」を対話篇形式で解説し発売直後から大反響、「人生を一変させる劇薬」と言われるほど話題に。その後も“自己啓発書”の象徴として売れ続け、年間ベストセラーランキング(ビジネス書、トーハン調べ)では、2014年から2023年まで史上初の10年連続でトップ10入りを果たした。
「自由とは、他者から嫌われることである」「世界はシンプルであり、人生もまたシンプルである」「人はいま、この瞬間から幸せになることができる」など本書が伝える言葉の数々は、SNSなどで紹介・拡散されることが多く、世代を問わず、対人関係やコミュニケーションに悩む人々に勇気を与え続けている。そして、刊行から10年以上が経った現在も新しい読者が増え続け、現在ではビジネス書としては異例の国内300万部を突破している。さらに世界40以上の国・地域・言語でも翻訳され、世界累計部数は1000万部を突破。日本そして世界に『嫌われる勇気』の読者が広がり続けている。
ウォーキング・スタッフ プロデュースによる『舞台版 嫌われる勇気』は、和田憲明がサスペンスあふれる人間ドラマとして戯曲化し、2015年に赤坂RED/THEATERで上演された初演は、原作者の岸見一郎/古賀史健も絶賛するなど、大いに好評を博した。9年ぶりの再演となる今回は、書店が所有する劇場=紀伊國屋ホールに進出、装いも新たにアドラー心理学の世界が舞台上で展開されることとなる。
<舞台版あらすじ>
その刑事は信念の人だった。彼は仕事の合間をぬい、とある大学の教授に会いに来た。2年前に交通事故で死んだ彼の娘が、その教授の熱心な生徒だったという。彼は娘が自分の意思で車の前に飛び出したのではと疑っていた。大学に早めに着いた彼は、教室の片隅で、教授の講義を聞いてみた。「世界はどこまでもシンプルである」「人は変わることができる」「人は誰でも幸福になれる」。彼は苛立った。長年、犯罪の捜査を通じて犯人と関わってきた彼には、その一つ一つの言葉が受け入れがたいものだった。彼は一人の女のことを思う。彼女は彼がまさに今担当している事件の容疑者だ。実の母親とその再婚相手である義理の父親を惨殺し、自殺を図ったが死に損ない逮捕された。彼女は犯行を認めたが、それっきり何も話さなくなった。彼女の人生に何があったのか? そして娘は何故死なねばならなかったのか? 娘の死をキッカケに頑なに守ってきた彼のルールがしだいに狂い始め、彼はもう一度教授を訪ね、教授の説くアドラーの教えについて語り合うことになる。かつて、彼の娘がそうしたように。2人の会話はいったいどこに行き着くのだろうか……。
■脚本・演出 和田憲明 コメント
一番に見て欲しいのは役者たちの芝居です。物語はアドラー心理学に基づいた哲学が鍵になりますが、極端にいえば物語がわからなくても見る人がドキドキできたと言われたいですね。
犯罪ドラマに設定したのはアドラー心理学から一番遠いのが刑事ドラマだと思うからです。とにかく救いのない設定にして、そこにいかに救いを見出すかを描きたかった。私の作ってきたドラマは絶望的な結末を迎える事が多いので、今回は多少なりとも救いがある舞台にしたかったんです。
舞台を作っていく上で、役者やスタッフなど他者との葛藤・摩擦は避けられないものです。タイトルになっているアドラー心理学の「嫌われる勇気」とは、たとえ相手からよく思われなかったとしても自分の考えを述べる勇気のことを指しています。演出家と俳優も表現者として対等。そこに信頼関係を築くことが大事ですから、私も「嫌われる勇気」を持ちたいと思っています。
■原作 岸見一郎 コメント
和田憲明氏の独創的で深い解釈に基づく舞台を初めて観た時、最初から最後まで圧倒されたことを今もよく覚えています。『嫌われる勇気』がこんなにも生き生きと舞台で再現されることに感動しました。再演されるこの機会に、ぜひ多くの方に和田氏の創造力とその素晴らしい演出を体験していただきたいです。
■原作 古賀史健 コメント
和田憲明氏の手により第一級の人間ドラマとして練り上げられた『嫌われる勇気』。初演時の衝撃と興奮は忘れられません。原作ファンの方々にも、そして原作を知らない方々にも、ぜひ目撃していただきたい舞台です。再演を楽しみにしております。