ダニエル・クレイグ主演『クィア』米予告編が公開 ─ 『君の名前で僕を呼んで』監督が描く、愛と幻惑の世界
『ナイブズ・アウト』シリーズのダニエル・クレイグ、『君の名前で僕を呼んで』(2017)『チャレンジャーズ』(2024)のルカ・グァダニーノ監督による映画『クィア(原題:Queer)』の米国版予告編が公開された。
原作は、『裸のランチ』などで知られる作家ウィリアム・S・バロウズの半自伝的同名小説(邦題『おかま』)。1940年代のメキシコシティで、アメリカ人駐在員のウィリアム・リー(クレイグ)は、同じくアメリカ人の大学生やバーのオーナーたちのなかで孤独な日々を送っていた。やがて、リーは除隊された元海軍兵のユージーン・アラートンに惚れ込んでゆく。ドラッグユーザーのアラートンは、はじめこそリーの誘いに乗らなかったが、リーと関係をもつようになり……。
予告編は、『君の名前で僕を呼んで』や「僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE」(2020)、『ボーンズ アンド オール』(2022)などを手がけてきたグァダニーノの映像・色彩感覚が早くも炸裂した仕上がり。街を歩くリーのショットなどにつづいて、「ひとりの、賢く年老いた女王が教えてくれた。私には生きる義務と、知識と誠意と愛で憎しみに打ち勝つ義務があるのだと」という語りが挿入される。「難しいのは、彼が自分の一部なのだと納得してもらうことだ」
リーはアラートンに「君と話したい。言葉ではなく」と語りかける。ふたりが身体を交わし、あるいはドラッグによって世界ごと溶け合ってゆくような表現に注目だ。老女はリーに向かって語りかける。「何を恐れている? すでにドアは開いており、閉めることはできない。目をそらすしかないのだ。しかし、なぜ目をそらす?」
リーが恋に落ちる青年、ユージーン・アラートン役は「アウターバンクス」(2020-)のドリュー・スターキー。そのほか『ファントム・スレッド』(2017)のレスリー・マンヴィル、ウェス・アンダーソン作品や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)のジェイソン・シュワルツマン、『ニュー・ミュータンツ』(2020)のヘンリー・ザガ、今回が俳優業進出となる歌手のオマー・アポロ。
監督のグァダニーノは、本作を「偉大なるウィリアム・バロウズの視点から、他者に認められるための避けがたい冒険を描いた非常にパーソナルな映画」と表現。今年のヴェネツィア国際映画祭でワールド・プレミアを迎え、すでに批評家の間で高い評価を受けており、クレイグの演技にもが集まっている。
脚本はジャスティン・クリツケス、衣裳デザインはJWアンダーソン創業者のジョナサン・アンダーソン、音楽はトレント・レズナー&アッティカス・ロス、撮影監督はサヨムプー・ムックディプロームと、『チャレンジャーズ』のスタッフチームが再結集した。
映画『クィア(原題:Queer)』は2024年11月27日に米国公開予定。米国配給はA24、日本配給は不明。
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