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<静岡県高校総体サッカー>日大三島、18年ぶりの8強入りなるか。3回戦で清水東と激突!伝統校撃破へ、機は熟した

アットエス

DF境海久斗(左)とMF佐野陽咲


<静岡県高校総体2回戦 日大三島 4−0 科学技術・5月18日>

静岡県高校総体のサッカー男子2回戦で、日大三島(東部地区1位)が同じ県Bリーグ所属の科学技術(中部9位)に4−0で快勝した。5月24日の3回戦で清水東(中部地区2位)に勝てば、2007年以来、実に18年ぶりの8強入りだ。

2回戦の科学技術戦は勢いの違いを見せつけた。前半36分、FW木部颯真(エクセルシオール)がこぼれ球を押し込んで均衡を破ると、後半はMF濱口克己(2年・アスルクラロ沼津U-15)のミドル、DF友高翔(セパラーダSC)の裏への飛び出しなど多彩な攻撃で一気に3得点。約1か月前のリーグ戦で3−2と辛勝だった相手に、この日は圧勝してみせた。

「変わったところ見せたい」

日大三島は県大会ベスト16の常連で、県東部地区では富士市立、飛龍に次ぐ強豪というイメージがすっかり定着している。

ただ、県ベスト8を懸けた戦いではこれまで伝統校の壁にことごとくはね返されてきた。選手権予選でも8強入りしたのは2005年度が最後。格上に真っ向勝負を仕掛け、毎年きれいに散ってきた印象だ。

そんな中、「今年こそ変わったところを見せたい」と力を込めるのは就任15年目の下妻祐貴監督だ。

「これまではベスト16まで来たら『自分たちの良さを出し切って終わろう』という思いがあった。でもベスト8に残るためには、やっぱり戦術変更や相手に合わせた戦い方も必要。今は勝ち進むことにフォーカスしている」

今季昇格した県Bリーグでは、4勝2分け無敗で暫定ながら首位をキープ。県総体東部地区予選でも県Aリーグの飛龍をPK戦で退けて1位通過を果たしている。中部地区や西部地区の伝統校を打ち破って、いよいよ次のフェーズに進む時だろう。

キーマンはMF佐野陽咲とDF境海久斗

攻守において個性的な選手がそろう中、シズサカ編集部が注目するのはMF佐野陽咲(FC長泉)とDF境海久斗(AZエスペランサ)だ。

背番号10を背負う佐野のポジションはインサイドハーフ。最大の魅力は180センチのサイズで、足元の技術も備えていること。レフティー独特のリズムでボールを運びながら、司令塔とフィニッシャーの両役をこなすことができる。

センターバックの境は、下妻監督も「フィジカルレベルは全国トップクラス。ぜひ注目してほしい」と太鼓判を押す素材だ。185センチの高さを生かしたヘディングの強さだけでなく抜群のスピードも兼備。1年時から定位置をつかんでいる大黒柱でチームの“最後の砦”になっている。

「自分たちの代で歴史変えたい」

(左から)FW木部颯真、MF柳田啓翔主将、MF沼逢斗


ほかにも最前線を駆け回るワントップの木部、右サイドアタッカーの柳田啓翔主将、中盤の底で冷静に球をさばく沼逢斗(いずれもエクセルシオール)ら技術の高い選手がそろう。

2回戦に出場した16人のうち10人が、地元のジュニアユースクラブ「エクセルシオール」「ヴァーデュア三島」「清水エスパルスJY三島」のいずれかの出身という点も見逃せない。指導陣は日大三島高のグラウンドを使って練習している地元クラブの子どもたちに真っ先に選ばれるチームづくりを進めてきたという。

3回戦の清水東戦に向けて、佐野は「自分たちの代で歴史を変えたい。10番として自分のプレーでチームを勝たせたい」と意気込み、境は「ずっとベスト16止まりで悔しい思いをしてきた。格上を食いたい」と気合を入れる。

「県東部の強豪」の枠組みから抜け出し、伝統校と肩を並べる存在へと突き進めるか。桜色の戦士たちは長くチームを覆ってきた硬い殻をいよいよ突き破るつもりだ。

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