【横浜市緑区】独自の学習法を考案する「かんじクラウド株式会社」取締役会長の道村静江さん 鴨居小学校で漢字の出前授業 角皆校長の打診で実現
「点字学習を支援する会」の会長で、かんじクラウド(株)(本社・神奈川区)の取締役会長を務める道村静江さんが10月21日と24日、鴨居小学校(角皆裕文校長)を訪れ、児童に向けた出前授業を行った。長年にわたり盲学校で勤務した経験などから「ミチムラ式漢字学習法」を考案し、実践してきた道村さん。鴨居小の子どもたちに楽しく漢字を学ぶコツを伝えた。
角皆校長によると、道村さんを同校に招き、授業が行われたのは今回が初。「ミチムラ式漢字学習法」について知った角皆校長が協力を打診し、道村さんが快諾したことで出前授業が実現した。21日には2、5、6年生、24日には3、4年生への授業が行われた。
覚え方変え学習楽しく
福井県内や横浜市内の盲学校で長年勤務した道村さん。目が不自由な子どもたちへの漢字指導の経験をベースに、試行錯誤を重ね「ミチムラ式漢字学習法」を考案した。
従来のようにひたすら書いて覚えるのではなく、同学習法の特徴は、漢字を部品の組み合わせで捉えるところだという。例えば、「強」という字を分解すると「弓」、カタカナの「ム」のような字、「虫」という文字で構成されていることが分かる。24日に鴨居小の3年生たちを前にした道村さんは、「ム」と「虫」でカブトムシを表していると伝えた上で「カブトムシって『強』いよね」と指導。子どもたちは楽しみながら漢字の構造を学んだ。
また、「教」という漢字をホワイトボードに書いた道村さん。「教」は左上にある字が「おいかんむり」、右側にある字が「のぶん」と呼ばれていることを伝え「おいかんむり、こ、のぶん」と唱えることで「教」という文字を覚えられることを教えた。
ほかにも「たば、のぶん、ただしい」と唱えることで「整」という漢字を覚えられることなども伝え、子どもたちは実際に唱えながら学ぶ体験をした。
4〜6年生で習う漢字の大部分は、3年生までに習った漢字に使われている部品の組み合わせだといい、道村さんは「今年頑張ったら4年生からは楽になる。それだけじゃなく、漢字が超楽しくなる。頑張って!」と3年生を励ました。
授業を受けた3年生の女の子は「『のぶん』という読み方を初めて知った。この覚え方ならこれから楽しく漢字を勉強できそう」と話していた。