Yahoo! JAPAN

【手打ち蕎麦たがた】そば好きが通う静岡の名店で「蕎麦会席コース」を実食ルポ。酒肴をつまみ、締めの蕎麦をたぐる至福のひと時/静岡市

アットエス


JR静岡駅から徒歩約10分ほど。静岡市葵区にある、そば好きが通う名店「手打ち蕎麦たがた」の「蕎麦会席コース」がいい!との評判を聞き、予約が取れた休日に食べに出かけてみました。今回は、店主の“静岡愛”満載の料理を余すところなく紹介します。

暖簾が目印の外観

場所は静岡市中心市街地の常磐公園すぐ近く。暖簾をくぐると大人の隠れ家のような空間が広がります。会社員時代からの蕎麦好きが高じて、店主の田形治さんが同店を開いたのは2005年。全国の産地を訪ね、自らの目と舌で確かめて仕入れる在来蕎麦を打つ、香り高い蕎麦が評判の店です。

この日、筆者が予約したのは夜の「蕎麦会席コース」5500円(税込)。最初に運ばれてきたのは、こちらの「日替わりの盛り合わせ」でした。

「日替わりの盛り合わせ」

全部で6種類ある酒肴は、店主の田形治さんいわく「どれも蕎麦へのいざない」。田形さんが栽培する「しずおか在来蕎麦」の畑もある静岡市の中山間地オクシズで育った野菜やきのこ類など地元の食材が多く使われています。
ビールは、地元ブルワリー「葵ビール」の「SENGENゴールデン」。苦みと香りの良さがうまく調和しており「お浸しや蕎麦の実に合う」おすすめの地ビールだそうです。

野菜の煮浸しや、山椒をきかせたキノコとキクラゲの煮物など、お皿の上に旬の素材を取り入れた前菜が所狭しと並びます。しゃもじに載るのは蕎麦屋呑みの定番「そば味噌」。店主が味を整えて練り上げた甘辛い味噌にカリッと揚げた在来蕎麦の実を加えた、ひと手間かけた一品です。

「季節の味覚揚げ」

続いて運ばれてきたのは、「季節の味覚揚げ」。この日は栗、さつま芋、零余子(むかご)、ごぼうに、十割蕎麦の生地を型で抜いた揚げ菓子、そして店主が「日本一おいしい!」と太鼓判を押す清水区・青木農園のぎんなんが添えられていました。どれも塩でいただきます。

その日のおすすめ鮮魚が味わえる「駿河湾の地魚」

3品目は「駿河湾の地魚」。魚は鮮度抜群でモッチリとした食感!下にはネギぬたがたっぷり。酢味噌がいい塩梅で食もお酒も進みます。

「在来蕎麦粉のふわふわ蕎麦がき」

続く4品目は店主が目の前で練って提供する「在来蕎麦粉のふわふわ蕎麦がき」。筆者は蕎麦がきが好きなのでメニューにあると注文するのですが、このやわらかさには驚きました。濃厚な蕎麦の香りが鼻腔をくすぐり、メインの蕎麦切りへの期待が一気に高まります。茶色い粒は竹富島の醤油醸造所から仕入れる「吟醸もろみ」。味変も楽しい一品です。

「蕎麦の実のおかゆ」

5品目は「蕎麦の実のおかゆ」。写真を見ると「え?これがおかゆ?」と思いますよね。納得がいく食感を求めて何度も何度も試作したと店主が語るおかゆは汁気がほとんどないのですが、だしの旨味がちゃんとあって、つぶつぶ食感が癖になる味わい。トッピングは用宗産生じらすの自家製塩辛。生ジラスの塩辛は初めて食べましたが、青ゆずの爽やかな香りがしておかゆによく合います。

まだまだ続く!美味しい蕎麦へのいざない

「いちじくのワイン煮 豆腐クリームのせ」

ここまでの間にすでにかなり満足度は高いのですが、メインとなるお蕎麦へのいざないは、まだまだ続きます!!
次に運ばれてきたのは、お口直しの「いちじくのワイン煮 豆腐クリームのせ」。洋風のワイン煮に、あえて豆腐クリームを組み合わせるあたりが心憎い「和」の演出です。

「鶏とスダチの冷かけそば」

7品目で満を持して登場したのは「鶏とスダチの冷かけそば」。蕎麦はざるに盛られて出てくるものだと思いきや、「それは、まだちょっと先です(笑)」と店主。塩をきかせた鶏だしのつゆとスダチの爽やかさで、するするっと喉ごしのいい蕎麦です。鶏肉はゆっくり時間をかけて育てられる銘柄鶏「ふじのくにいきいき鶏」で弾力と旨味が感じられました。

「ワカサギとナスの揚げ物」

続いては「ワカサギとナスの揚げ物」。素材の味を引き立てるのは「歴史があり良いモノづくりをしている」と店主が信頼を寄せる静岡市の老舗製塩所「あらしお」の塩。ミネラル豊富で複雑な旨味が魚や野菜の美味しさを引き立てます。

この日の締めの蕎麦は、宮城県高千穂産の在来蕎麦

宮崎県高千穂産の在来蕎麦

締めの「十割蕎麦」がようやくここで登場。角が立った蕎麦の断面を見てください。この日は宮崎県高千穂産の在来蕎麦で「粗挽き」を適度に混ぜ込み、食感や香りに奥行きを出しています。「食べ方にルールは無いのでお客様には好きなように味わってもらえれば」と言いつつも、「一口目は塩だけで味わってみてほしい」と店主。より楽しく・美味しく味わってほしいと、味わい方を紹介するシートが用意されています(笑)。

うんちくも学べて「へぇ~」がいっぱいの食べ方紹介シート

仕入れた玄蕎麦をすぐには挽かず、納得が行くまで「長い場合は1年ほど熟成させる(寝かす)こともありますよ」と田形さん。玄蕎麦の磨き作業から製粉まで一貫して自分で行う蕎麦店は、最近では珍しいそうです。

蕎麦について語り始めると止まらない店主の田形治さん

締めのデザートは本物のわらび粉で作る「抹茶のわらび餅」

「静岡抹茶のわらび餅」

コースの締めを飾るデザートは「静岡抹茶のわらび餅」。牛乳と抹茶で練ったわらび餅を黒蜜ときな粉でいただく優しい味でコースが終わりました。全体を通して蕎麦をおいしく味わってもらうためのこだわりが強く感じられ、静岡産食材への愛情も感じる大満足のコースでした。

アットエスでは2025年1月19日まで応募受付中の「@S新春お年玉プレゼント」で読者にこちらの「蕎麦会席コース」ペア招待券をプレゼントします(料理は季節により変更)。アットエスのサイトまたはアプリから応募できますので、ぜひチェックしてみてください。

<DATA>
■手打ち蕎麦たがた

住所:静岡県静岡市葵区常磐町2-6-7
電話:054-250-8555
營業:11:30~14:00(L.O.13:30)、17:30~21:00(L.O.20:30)※そばが終了次第閉店
定休日:月曜、日曜の夜

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 「彼女とは別れた」を信じて…元カノから“略奪愛”と噂を流された女性のトラブル

    ウレぴあ総研
  2. ナノ・ユニバースの「上品ショルダーバッグ」が使いやすいよ!冬コーデがワンランクアップした話

    ウレぴあ総研
  3. <自己中にも程がある>旦那が義実家からもらったお土産を勝手に突っ返した!マズいと思わなかったの?

    ママスタセレクト
  4. 食べ終わった「ガムボトル」の便利な活用術3選。「使いやすくなる!」「シンプルで見た目もスッキリ」

    saita
  5. 1000円福袋はこういうのでいいんだよ! 神戸発祥「ゴンチャロフ」の福袋は実に妥当な内容である

    ロケットニュース24
  6. お風呂の排水口のピンクヌメリや黒カビを予防する方法「置くだけでいいんだ」「ストレスがなくなる」

    saita
  7. 【Honeys】コーデが華やぐ!この冬ゲットしたい「きれいめワンピース」5選

    4yuuu
  8. TOPICK 福祉は新たなステージへ 藤沢市社会福祉協議会 小野会長インタビュー

    タウンニュース
  9. 【ユニクロ新作】大きなリボンを持ったクロミやシナモンも!サンリオキャラのTシャツでるよ♪

    ウレぴあ総研
  10. 『トイザらス』の福袋を買って「迷走しているな…」と感じた件 中身はとっても豪華でした / 福袋2025

    ロケットニュース24