17億円の黒字予想から一転、島精機が133億円の巨額赤字の見込み
島精機製作所は1月31日、2025年3月期の第3四半期決算(累計)を発表した。売上高は218億6300万円(前年同期比16.8%減)、営業利益は97億9300万円の赤字(前年同期は7億5800万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は112億8100万円の赤字(同9億8500万円)と減収減益で、大幅な最終赤字に転落した。
島精機製作所は、第3四半期に棚卸資産評価損として17億3700万円を計上している。さらに一部の取引先からの債権回収状況が悪化しており、貸倒引当金繰入額として43億6100万円を計上、為替差損として5億8500万円、固定資産に対する減損損失として12億4700万円を計上している。
主力である中国市場での景気回復の遅れから、ホールガーメント横編機などの需要が回復しておらず、イタリア市場でも景気減速や暖冬などの影響から、設備投資への需要が減退していた。さらに深刻なのはバングラデシュでの政変の影響だ。第2四半期にバングラデシュの大手顧客からの大口発注を見込んでいたが、政変混乱によって設備投資時期が未定となり、受注を逃した。バングラデシュでは2024年7月下旬から8月にかけて、学生らを中心とするデモ隊と警察が衝突し、8月5日にはハシナ首相が辞任し国外退去している。
島精機製作所は同日、2025年3月期通期の連結業績予想の修正を発表しており、売上高は320億円(前回発表は440億円、前年比10.9%減)、営業利益は114億円の赤字(同15億円、前年は4億3000万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は133億円の赤字(同17億円、同10億3000万円)に修正している。