レノファとともに歩むサポーターの”聖地” 山口市「カフェコラソン(Fútbol & Café Corazón)」
J1昇格を目指して奮闘を続けるサッカーJ2・レノファ山口FC。
2024年8月のホーム戦では2度にわたり観客動員が1万人を超すなど盛り上がりを見せています。
今回はそんなレノファを昔から支え続け、選手やサポーターから愛され続けるカフェを紹介します。
レノファ愛に満ちたスポーツカフェ
山口市の中心商店街。駅通りとアーケート街がぶつかる交差点のすぐ近くにある「カフェコラソン(Fútbol & Café Corazón)」(山口県山口市道場門前1-3-11)。
もともと交差点に面した建物の2階で営業していましたが、3年間の閉店期間をはさみ、2022年3月からこちらで営業を再開しています。
お店に入ると真っ先に目に入ってくるのはレノファを中心としたグッズの数々。
選手のサインや実際に使用していたユニフォーム、スパイクなどなど、レノファサポーターにはたまらない空間となっています。
「カフェコラソン」のオーナーは萩市出身の田邊尚也さん。
元々井筒屋山口店の婦人服売り場のマネージャーでしたが、根っからのサッカー好きで、「サッカー好きの人が集まれる場所を」と業界を飛び出し2013年10月「カフェコラソン」をオープン。
レノファを中心としたスポーツカフェとして切り盛りし、選手からは「たなべっち」と呼ばれて親しまれています。
レノファのアイテムに囲まれた店内は細長い作りになっていて、手前にテーブル席とカウンター席。
店の奥にはテーブル席に加えソファ席も備わっています。
奥の空間にはモニターがあり、レノファの試合がある時などは予約制でライブ観戦を行っていますよ。
「親心」が生んだメニュー
「カフェコラソン」がオープンしたのは2013年10月。
レノファはその翌年2014年にJFLに入会し、1年でJ3に昇格。さらにその翌年にはJ2昇格、と躍進していきますが、お店はまさにレノファの成長と歩みをともにしています。
その足跡はお店で提供されるフードメニューにもあらわれていますので、さっそくご紹介します。
まずはこちらの「タコライス」。
モアイのタコライス 800円
ご飯の上にレタスとトマトにタコミート、チーズが乗った一品で、チリソースがかかっていますが見た目ほどは辛くない仕上げとなっています。
実はこちら、2014~2017シーズンにレノファに在籍した宮城雅史選手がプロデュースしたメニューなんです。
宮城選手が沖縄出身だということで、沖縄の家庭料理を、とオリジナルのタコライスを考案したそうです。ボリュームもありますので、しっかりパワーを蓄えることができそうな一品です。
そしてもう一品が「ガパオライス」。
ドラゴンガパオライス 800円
こちらは2014-2016シーズンにレノファに在籍していた小池龍太選手とのコラボメニューです。タンパク質が豊富な鶏のミンチを使って野菜をたくさん採れるもの、ということで小池選手と相談しながら開発したそうです。
小池”龍”太選手のメニューということで、「ドラゴンガパオライス」と名付けられています。
プレートにはミンチ、目玉焼き、野菜、ご飯がそれぞれ盛り付けられていますが、おすすめの食べ方は、全部混ぜる!
渾然一体となった具材に食欲をそそるナンプラーの風味があわさり、口に運ぶ手が止まりませんよ!
田邊さんによると「ほぼ毎日これを食べていた」というほど小池選手はこのお店に通ってガパオライスを食べていたそうで、いつしか「バイトリーダー」とまで言われるようになったそう。
そんな「バイトリーダー」も、その後J1のクラブに移籍し日本代表に選ばれるほどステップアップしていきましたが、当時のJFLやJ3ではまだ「選手」だけでは食べていくことができなかった時代。その頃の彼を支えていたのは田邊さんであり、力の源はこのガパオライスだったのです。
小池選手がレノファを離れる際、田邊さんに贈ったユニフォームとメッセージがその絆の強さを物語っています。
以前の店舗の頃にはレノファの選手たちがまだ山口市を拠点にしていることが多く、この2選手以外にも多くの選手がお店に入り浸っていたのだとか。
そんな選手たちに田邊さんは「親心」を抱いて特別に500円でランチを作ってあげていたそうで、今よりも選手が身近に感じられた日々の思い出を語る田邊さんの口調は、とても熱く、楽しそうでした。
レノファを愛しこれからも
田邊さんは以前の店舗を2019年に一旦閉店。
自身も別の仕事を行っていましたが、当時の常連やレノファサポーターから再開を熱望する声が相次ぎ、2022年に今の場所に移す形で再びオープン。
「聖地」の復活に喜んだサポーターも多かったのではないのでしょうか。
前のお店から続くコラソンの名物「コラソン・ラテ」ももちろんありますよ。
コラソン・ラテ 450円
レノファのエンブレムとサポーターを意味する「No.12」のラテアートをあしらったカフェ・ラテです。レノファが試合に勝った翌日にはこれが「勝ちラテ」となり、「+3」の勝ち点をあしらったラテアートに変わるそう。
勝った喜びを誰かと一緒に分かち合える、というのは地元にスポーツチームがある魅力のひとつですよね!
新しい場所に変わってからも選手がちょくちょくお店に顔を出すそうで、レノファを支え続けるカフェとしてこれからも選手やサポーターに愛される店であり続けそうですね。
もちろん、レノファ色が前面に出たスポーツカフェではありますが、フードやドリンクメニューも充実していて、お店自体が居心地の良い空間になっていますので、サポーター以外の方でも気兼ねなくふらっと立ち寄ってみてくださいね!優しい笑顔で「たなべっち」が迎えてくれますよ。
あ、ただ、一点ご注意を。
基本お店は11:00~18:00の営業ですが、レノファのホーム戦がある日には早めにお店を閉めてスタジアムに行ってしまう時もあるそうです!