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百車繚乱! 展示車両は購入も可能。オートモビルカウンシルに集った世界の稀少車たち

Dig-it[ディグ・イット]

クラシックカーからヤングタイマーまで、世界中の名車が集い、プライスが付いている車両はその場で現車を購入できるというイベント「オートモビルカウンシル」が幕張メッセで開催された。そこに集った世界各国の名車たちをレポート。見るだけでなく購入もできるというだけで多くの自動車愛好家たちが集合。まさに自動車文化のヘリテージを実感できる空間がそこにあった。

世界中の名車が集い、販売もされる自動車文化を楽しむイベント。

いわゆるクルマを展示し、それを眺めるカーショーとは違い、オートモビルカウンシルでは、自動車の歴史を学べる展示や、自動車文化にまつわるグッズ、それにライブなど、クラシックカーを中心に全方位的にカルチャーを楽しめるイベント。集まるクルマもヨーロッパ、アメリカ、日本と全方位的で、あらゆるジャンルのクルマ好きが楽しめる内容になっている。出展するのも個人の中古車店だけでなく、メーカーやインポーターなども参加した濃い内容。そのなかから気になるクルマをピックアップしてみる。

スペシャルトークイベントではモータージャーナリストの九島氏とクラシックジープ専門店であるバディオートの水野氏の対談も。アメリカ車をメインにアメリカンカルチャーと当時のアメリカ車の歩みを文化的に語り尽くす。

華やかなるクラシックカーの世界とそのお値段。

このイベントのおもしろさは特別展示車両以外のクルマのほとんどにプライスが付き、その場で購入ができるというもの。つまり世界中のクラシックカーの現在地がわかるという側面も持っている。もちろん一般人には住宅と変わらないプライスがほとんどなだけに、どれも高値の花かもしれないけれど、クラシックカーをここで実際に購入する人も少なくない。というわけで会場を彩った至極の名モデルたちをピックアップしてみる。

1970 Lamborghini Espada Series2

ランボルギーニが生み出した4座のGTカーであるエスパーダ。フロントにV12エンジンを搭載する。後方視界を確保するためにリアのパネル上部がガラスになっているのが特徴。デザインはガンディーニ。

1968 Lamborghini Miura P400

V12エンジンを横置きでミッドシップに搭載するスーパースポーツモデルとして誕生したランボルギーニ・ミウラはスーパーカー世代憧れのモデルにして自動車文化の歴史のなかで先進的なモデルだった。文句なしにカッコいい。

1975 Lancia Stratos HF Stradale

ラリーを走るために設計されたスーパーカーのひとつであるランチア・ストラトス。2.4LのV6エンジンを横置きでミッドマウントする。現代のクルマには無い造形がカッコいい。HFとはHigh-Fidelity(ハイファイ的な意味)の略、Stradaleはストリート(公道仕様)という意味。

2023 Porsche 911 Dakar

ポルシェジャパンのブースで展示されたポルシェ911ダカールは、911カレラをベースに車高を50mm上げ、専用のボディカラーになったスペシャルなモデル。オフロード走行を得意とする911のなかでも特別なモデル。

1976 Lamborghini Countach LP400S

低く身構えたボディに張り出したフェンダーアーチ、それにガルウィングと呼ばれる跳ね上げ式のドアなど、スーパーカーの王様として君臨するランボルギーニ・カウンタック。特別出展のため価格は無し。デザイナーであるガンディーニを追悼するための企画展の出展車両。

1967 Alfa Romeo Giulia Sprint GTV

小型で4座のGTカーとして生まれたアルファロメオ・ジュリア。そのなかでも高性能版なのがGTVだ。スーパーカーほど個性は無いけれど、ジウジアーロの傑作ともいえるデザインは多くのファンがいるモデル。価格は880万円。

1971 Alfa Romeo Montreal

プロトタイプがモントリオール万博で出展されたことが車名の由来。アルファロメオが設計した4座の2ドアクーペモデルで、デザインはベルトーネに在籍していたガンディーニ。スーパーカーブームを担ったモデルのひとつである。現在ではここまでのクオリティだと1480万円。

1969 Mercedes-Benz 280SE

タテ目のクーペボディという老紳士が乗っていたら似合うクラシックメルセデスはヤナセクラシックカーセンターがレストアした由緒正しき個体。いまやタテ目のメルセデスも高騰物件なのか、ここまでのクオリティだと2200万円だという。ため息しか出ない。

1974 Ferrari 365 GT4 BB

こちらもスーパーカー世代のオジサンたちが足を止めていたフェラーリ。往年のフェラーリのなかでは代表的なモデル。4400ccのV12エンジンをミッドシップで搭載し、空力を考えた結果生まれたボディになっている。BBはベルリネッタボクサーの略ね。気になるお値段は5980万円!

1956 Mercedes-Benz 300SL

当時は市販車で最速だっただけでなく、ガルウィング式のドアが独創的だったメルセデス300SLはミュージアムピースともいえる泣く子も黙るクラシックカーのトップモデル。レーシングカーをベースに制作されたというストーリーだけでも男心をくすぐる。残念ながら特別展示のため売り物ではなかった。

1987 Rolls-Royce Camargue

ロールスロイスがパーソナルクーペとして生み出した2ドアモデルであるカマルグ。4ドアモデルが一般的なロールスロイスでは異端なモデルなだけに逆に気になる。6700ccのV8エンジンを搭載したアメリカ車並みのスペック。2900万円で売り出し中。

1960 Mercedes-Benz 190SL

初代SLはガルウィングのクーペでなくても、今や高嶺の花。ここまできっちり仕上がっている車両であれば2100万円のプライスも納得するしかない。優雅なスタイルを演出できるメルセデスといえば初代SLがその代表的なモデルだよね。今や凡人には手を出せないレベルになってしまった。

1952 Volkswagen Type1

リアウィンドーが2枚になる通称スプリットウィンドーのビートルは今や稀少車の領域。こちらも特別展示でNFS(ノット・フォー・セール)だったけど、かなりの高額物件であることは間違いなし。この何とも言えないくすんだブルーのボディカラーがヴィンテージモデルらしさにひと役買っている。

1989 Ferrari Testarossa

オールドフェラーリの代表的なモデルであるフェラーリ・テスタロッサ。やはりフェラーリと言えば真っ赤なボディがよく似合う。リトラクタブル式のヘッドライトやミッドシップのエンジンを冷やすために設けられたボディサイドの大きなエアインテークが特徴的。ミニカーでしか見たことがない子どもたちのまなざしを集めていた。日本ではバブル世代憧れの1台。1872万円

1969 Alpine A110 1300S

FRPのモノコックボディにRR(リアエンジン・リアドライブ)という機構で数々のラリーで好成績を収めた名車であるアルピーヌA110。現車は売約済だったけど、1450万円のプライスだったとのこと。世界の名車の高騰はとどまるところを知らないけれど、しっかりと売れているっていう事実がスゴイ。おじさんたちはA110を「えーひゃくとう」と呼ぶ。

2023 Volkswagen ID.Buzz Cargo

EVとして生まれ変わったVWタイプ2の後継モデルであるID.Buzzが特別展示。初めて現車を見るという人も多かっただけに多くの人の足を止めていた。これはカーゴモデルなのでボディサイドがパネルになっているのが特徴。こんな働くクルマだったら仕事も楽しくなるってもんだ。

1963 Chevrolet Corvette

今回の企画展のひとつである「アメリカン・ヘリテージの名車たち」に登場した’63年式シボレー・コルベット。これは第2世代の最初のモデルで、リアウィンドーが2枚のガラスで構成されるスプリットウィンドーを持つ1年しか製造されなかった稀少モデル。アメリカ車も欧州車と変わらずその価値は高騰中である。

1970 Dodge Challenger R/T Convertible

初代ダッジ・チャレンジャーの高性能モデルであるR/Tは440 V8エンジン(7200cc)を搭載した大食漢。アメリカン・マッスルカーを代表するモデルのひとつである。アメリカ車が日本やヨーロッパとは違う独自の進化をしていたことが再確認できる。これでも当時のアメリカではポニーカーと呼ばれるコンパクトなボディのカテゴリーに属していた。ちなみにR/Tとはロード&トラック(公道&サーキット)という意味。

1991 Jeep Grand Wagoneer

稀少色であるハンターグリーン(写真では表現しにくい色)のグランドワゴニアはフルレストアされた美車。アメリカでは当時の最高級ジープだったワゴニアも高騰物件のひとつで、フルレストアが10万ドルスタートというのも当たり前なところ、現車は国内でレストアされて1280万円というプライス。意外と良心的かもと思う人たちが数多く詳細を聞いていた。これは最終年式で製造は当時製造権をAMCから引き継いだクライスラー製。

1991 Volkswagen Golf Country

ゴルフ2をベースに4WD化することで生まれた車高の高いゴルフカントリーも今や稀少車の部類。今で言うクロスオーバーSUV的な発想で生まれたモデルで、そのベースになるのはラリー用に開発された4WDのゴルフ。普通のゴルフじゃおもしろくないという人にはうってつけの稀少モデルである。599万8000円

1960 Austin Healey Sprite Mk-1

ぽっこりと出たヘッドライトが特徴的で「カニ目」の愛称で親しまれている名車オースチン・ヒーレー・スプライト。英国車らしいコンパクトなスポーツモデルで、当時の英国製スポーツカーのなかでももっともコンパクトな車格だった。小排気量ながらその運動性能の高さはさすが英国生まれのスポーツカーといったところ。ちなみに本場英国ではフロッグアイという愛称。650万円

2012 Land Rover Defender 90 UK Limited Edition

英国限定で販売された特別仕様のランドローバー・ディフェンダー。よく見るとフロントマスクの表情などに違いがある。2トーンのボディカラーもカッコいい。田舎よりも都会が似合うディフェンダーである。日本には正規輸入が無かったモデルなので、乗っていたら目立つこと間違いなし。2ドアの90モデルってのがこれまた通好み。1078万円

1970 Nissan Fairlady Z 432

当時のフェアレディZのなかでもホットモデルとして生まれたZ432は、今や歴代Zの中でも希少性もあってか高値なモデルに。ここまできっちりレストアされたモデルとなるとお値段3500万円! もはや自動車の歴史を買うくらいの意気込みが必要な価格となっている。

1962 Toyopet Crown

ドアが観音開きになっていることから「観音クラウン」の愛称で呼ばれるトヨペット・クラウンはクラウンの初代モデル。性能では現行のクラウンには負けるけど、雰囲気や味わいではこちらの勝ちでしょ。その価値もいまやフルレストアで800万円。小さなアメリカ車みたいなデザイン。初代はトヨタではなく、トヨペットのブランドで発売されてたんだと勉強。

1966 Maserati Sebring

それまであったマセラッティ3500GTの後継モデルとして登場し、セブリング12時間レースでのマセラッティの活躍を賞して名付けられた4座のGTモデル。ミケロッティによるデザインは往年のカッコ良さ。3500ccの直列6気筒エンジンを搭載し、その走りの力強さはいうまでもない。気になるお値段は2200万円。

1971 Porsche 911S

制作途中ながら出展されるナローポルシェはオリジナル重視ではなくモダンで戦闘的なスタイルにカスタムされる。内外装まできっちりと手を入れた仕上がりはさすが。クラシックカーを普段使いで乗るならこんなスタイルも悪くない。1650万円からだけどオーダー可能だということ。

1968 Lamborghini Islero

ランボルギーニのなかでもコアなモデルでもあるイスレロは4座のGTモデル。フロントに約4000ccのDOHC V12エンジンを搭載し、4座モデルながら300馬力オーバーというハイスペックだった。カウンタックやミウラよりも大人っぽいデザインが逆に通好みなランボルギーニである。お値段は生産台数が少ないモデルのおかげか驚愕の7000万円。

History of Volkswagen Golf

ゴルフの生誕50周年を祝した特別展示には歴代ゴルフがずらりと並ぶ。もはや初代ゴルフも立派なオールドモデルといってもいい年式。ヤングタイマー好きにはゴルフ2が大人気。クラシカルなモデルは昭和レトロブームと連動して若い世代にも注目を集めている。

1979 Mercedes-Benz 450 SEL 6.9

初代SクラスであるW116型のホットモデルである450 SEL 6.9はその名の通り、6.9LのV8エンジンを搭載した当時のトップモデル。当時のメルセデスの技術を惜しげも無くつぎ込んだモンスターマシンで、4ドアセダンながら驚くほど速いというのが魅力。かつてはコワモテの人たちが乗っていそうなイメージだったけど、今やクラシックカー好きの紳士の乗るモデル。価格は1320万円と、今や4桁万円を越える価値に。

【DATA】
AUTOMOBILE COUNCIL
https://automobile-council.com

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