M・ナイト・シャマランが〈愛娘のデビュー作〉について語る!「私の立場は助けにも妨げにもなる」戦慄の“覗き見”ホラー『ザ・ウォッチャーズ』全国公開中
“覗き見”リアリティホラー爆誕
世界中で社会現象を巻き起こした『シックス・センス』(1999年)などで知られるM・ナイト・シャマランがプロデューサーを務め、実の娘であるイシャナ・ナイト・シャマランが自らの脚本で長編初監督を務めた衝撃の“覗き見”リアリティホラー『ザ・ウォッチャーズ』が現在、全国公開中だ。
すでに劇場で鑑賞した観客からは「どんどん展開していく仕掛けで最後まで飽きることなく楽しめた」、「最後までハラハラドキドキさせられて、すごい満足感!」といったコメントが寄せられている本作。このたび日本公開を受けて、父シャマランのコメントが解禁された。愛娘のデビュー作に対し、「マスター・オブ・サプライズ」は何を語るのか!?
弱冠24歳で長編デビューした娘イシャナを父はどう見たか?
イシャナ・ナイト・シャマランが、弱冠24歳で長編監督デビューを飾った『ザ・ウォッチャーズ』。製作に父、M・ナイト・シャマランが名を連ねるこの作品は、地図にない森にポツンと佇む“ガラス貼りの部屋”を舞台にした、“覗き見”リアリティホラーだ。
そんな本作について、M・ナイト・シャマランはこう語る。
イシャナは世界観をつくりあげることが好きなんだ。成長するにつれて、彼女はプロダクションデザインやファッション、そして絵画に深く関わるようになっていった。いつも想像を膨らまし、イメージや生き物を思いつくんだ。彼女が物語を書き始めたときに、私は「これらすべてのことができるアートの形が一つある」という気持ちで見ていた。
幼い頃から絵を描いたり表現することが大好きだったイシャナは、やがて映画の世界をクリエイトすることに興味を持つようになったと振り返るシャマラン。彼は父として、イシャナ本人が映画製作の道を志すのを待っていたという。
彼女が映画監督になるのはわかっていたけれども、自分から言い出すことはしたくなかった。彼女には彼女の思うままに進んでほしかったんだ。
「私の立場は助けにも妨げにもなる」
今作において、A・M・シャインの小説を基に自ら脚本を書いたイシャナが描こうとする世界を最優先したという父シャマラン。物語のメイン舞台となる“ガラス貼りの部屋”については、「もしこれが私の映画だったら、あのシェルターは違ったものになっていただろう」と、監督としてはその部屋をシェルター=避難所だと考えていたと明かす。
しかし実際にセットを見て、娘の率いるチームが作り上げた世界の素晴らしい出来映えを称える。
イシャナと美術監督のアイデアは最高のものになったよ。原作にも彼女の脚本にも、世界観の構築は多く描かれている。小さな瞬間が、大きなものに変わっていく。だから私たちはただ彼女についていくだけでよかった。
娘や他のアーティストに対しても私の立場は助けにも妨げにもなる。善意の言葉でも傷つけるかもしれない。例えばタイミング悪く真っ当な意見を言うと、傷ついて自信を失ってしまうこともある。その人自身にしか見えていないこともあるから、それに対して首を突っ込むべきではないんだ。
業界の大先輩としての過剰な介入を抑え、あくまで製作者目線でイシャナをサポートする立場を貫いたシャマラン。それでもやはり父として、娘の成長について素直に喜びを語る。
監督を務めるイシャナを心配していたけれど、今は楽しみすぎてはしゃいでいるくらいだ。普通の親として子どもの強さを知ったり、経験を見守れるのは嬉しいよ。
そうして完成した作品を観た父シャマランは、「現実的な世界や共感できる人物が登場する一方でファンタジーの世界も描いている。最高にバランスのとれた物語だ。イシャナと原作者のA・M・シャイン、才能ある二人の映画を製作できてワクワクしたよ」と締めくくった。
『ザ・ウォッチャーズ』は全国公開中